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【シリーズ】日本のバカヂカラベンチャー訪問:株式会社ウェルセルフ

2013/11/14 16:00
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プロフィール

土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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■世の中に幸せのストーリーが作れるお手伝い・・・

シリーズ・日本のバカヂカラベンチャー訪問と題して、最近"私が"気になっている、日本のものづくり業界に「バカヂカラ」の息吹を与えてくれている会社をシリーズで紹介。さて今回は、まさに最近このコーナーでも議論を続けている「ネットで人を幸せにできるか」に挑戦されている方にお会いすることが出来たのでご紹介したいと思います。

個人の持つ知識やスキルをワンコイン(500円)で販売するCtoCプラットフォーム「ココナラ」を運営する株式会社ウェルセルフの代表取締役で創業者の南章行氏。


南章行氏

南氏は、慶応大学経済学部卒業後、1999年住友銀行(現三井住友銀行)入行。その後、2004年企業買収ファンドのアドバンテッジパートナーズLLPに転職し、在職中にMBAを取得するために、2008年から2009年に英国オックスフォード大学に留学。

留学中に出会ったアイルランド発の若者向け社会起業プログラム「Blastbeat(ブラスビート)」から多くのことを学び、帰国後日本で「NPO法人ブラスビート」と、社会活動に関わるお手伝いをする「NPO法人二枚目の名刺」を立ち上げる。そんな経験の中から「世の中に幸せのストーリーが作れるお手伝いがしたい」という気持ちが芽生え、2012年に株式会社ウェルセルフを創業し「coconala(ココナラ):あなたの得意でハッピーが広がるワンコインマーケット」のサービスをスタートさせることになる。

興味深かったのは、彼が企業買収ファンドに関わっていた7年半においても、儲けるため、大きくなるための企業買収ではなく、普通の人が普通に働けばちゃんと報われる社会にしたい、一人ひとりが生きる力を持って自分らしく生きれる会社に育てたいという思いが一貫しているという点でした。

そんな南さんの熱い想いが詰まった「coconala(ココナラ)」というサービスにも大注目。今回もインタビュー形式でビビッドにご紹介したいと思います。

■震災で自分らしく生きる気持ちが芽生えた・・・

>起業するという気持ちが育っていったのはファンドに関わっておられたころから・・?

そもそもは全然起業とかしたくなかったんです。どちらかと言えば、自分からビジネス作るというよりは、作って大きくした人たちのサポートをしたい側として仕事を選んでいました。

それでファンド自体が、2005年ころから有名になってきて大きくなって行くなか、自分もその中で一流を目指すみたいな感じだったので、起業したいなど思ったこともなかったわけです。

きっかけは2008年から2009年に英国オックスフォードに留学をして、その間にリーマンショックが起き、帰ってきたらファンドの業界が全然様変わりしてしまっていて、経済全体が沈んでいたので、新規の企業買収に魅力を感じなくなったこと。あと、自分でNPOを立ち上げてそれが結構面白かったのと、最終的に起業する背中を押したのは、震災ですかね。

震災直前に、ファンドで一生食っていくにはちょっと力不足かな、なので転職しようかな、だったら発展途上の小さいビジネスを育てる経験をしたいな、事業会社でもやるか・・・。そう思ってたところに震災があって、もっと自分らしく、自分しかできないことをやりたいと思うようになり、ぐっと背中を押されました。そのときたまたま、結果共同創業者となった友達と話してたら、起業で盛り上がって、だったらやってみようかと・・・。

>先ほどおっしゃっていたNPOとは?

ブラストビート(Blastbeat)という音楽をテーマにした若者向け社会教育プログラムですね。もうひとつ社会活動に関わるお手伝いをする「NPO法人二枚目の名刺」というのも立ち上げました。

ブラストビートは、私が英国に留学したときに出会ったんですが、それを日本に持ってきたんですね。主に10代の若者たちに、音楽イベントをやってもらうんですね。擬似的な会社を作ってもらって、3ヶ月後にライブイベントを実施してもらう。自分たちで社長を決めたり、会社名決めたり、名刺作ったり、ライブハウスブッキングして、アーティストもブッキングして、イベント運営して、本当にリアルなビジネスを体験してもらうんです。

それを高校生や大学生にやってもらう・・。その中で、リーダーシップとかチームワーク、あるいは働くってことを体感してもらう。学園祭の出し物とはレベルの違う体験ができるわけです。失敗したら10万円の赤字背負うみたいな。その中で喧嘩が始まったり、大変な思いもするんですが、最後はみんなの笑顔で終わるじゃないですか。いろいろやってみて、結果人を笑顔にすることでお金がもらえるなんてなんと素晴らしい・・・みたいな気持ちになったんですね。

また得た収益は、自分たちで選んだチャリティーに最後に寄付するんですが、親からもらったお金ではなくて自分たちで稼いだお金で何か社会を変えるためのアクション起こせるんだという実感。これを高校生や大学生の間に体験してもらうことで、自分の興味関心から仕事を選べたり、何があっても頑張れるとか、生きる力を持てる(たくましい若者に育つ)、そういう思いでスタートしたNPOなんです。

現在も活動中で、もう4年になります。いま丁度来年に向けたプログラムが始まったばかりです。全国で活動していて、被災地でも活動しています。僕自身は、もう最近は名義だけで、肩書きは理事になっていますが、ウェルセルフを起業してからは、遠くから見守るくらいしか出来ていないんですが・・。

■人の役に立ちたい人のためのプラットフォーム

>そういったみんなをハッピーにするみたいな気持ちから「ココナラ」も発想された・・?

大きく括ってしまえばそうなんですが、元々一人ひとりが生きる力を持って自分らしく生きれるみたいなことが僕自身のライフワーク(テーマ)になってるんです。

これって企業買収のファンドに関わっていた時も変わらなくて、面白い業界で儲かりそうだからみたいなことはあまりなかったですね。そもそも普通の人が普通に働けばちゃんと報われる社会がいいな、というのがあったんです。

90年代後半の金融危機で、一般企業でもリストラされたり会社が潰れたりして、同じ人が同じ会社で同じ働き方をしていても何も良くならない。人を切らずに、会社が変われないなら、人が変わるしかない、だから会社に入っていって直接アドバイスしたり刺激を与えよう。そうすれば働きの質も上がって、結果、その人自身も報われる、会社も生き延びる、成長もする、そういうのをやろうと思ったわけです。

僕の着眼点は、常にその人自身が頑張って行きていけばちゃんと生きていける(報われる)、頑張る方法をアドバイスする、そんな感覚が常にあったわけです。

ブラストビートもそうだし、ファンドもそうだし、もうひとつやってたNPOもまさにそうで、その延長にココナラがありますね。

>ココナラというアイデアは南さんが考えられたもの?

創業メンバーのもう一人(新明智氏)が、マイクロサービスのマーケットプレイスをやりたいとちらっと言っていたんですね。マイクロサービスとは今まで値段が付いていないような小さなこと。殆どの人は5000円、1万円かけて人にお願いしたいことってなかなかないと思うんです。でも500円、1000円ならやってもらいたいことや相談したことって潜在的にものすごくあると思ったわけです。

でも(彼から)最初聞いたときにそれだけじゃあまりピンと来なかった、面白いけど大きくなるのかなと。ただ、その頃ヘルスケアのビジネスプランを練っていたのですが、その過程で人の役に立って嬉しくなれる場を求めている人がたくさんいることに気づいたんですね。

そんな中で、自分自身のスキルや経験そのものが人の役に立つことって、自分にも自信になるし、もう少しそれを磨いてみようみたいなポジティブな気持ちにもなれる・・・。僕はそんな人達とNPOで沢山出会ってきたじゃないか・・。そう思ったとき「人の役に立ちたい人のためのプラットフォーム」じゃないかと、急に世界観が広がりました。これってすごくニーズがありそうだ、ビジネスとしても。そういう思いから始まりました。


ココナラトップ画面


おすすめや右側のカテゴリーに注目!


「ココナラ」の使い方:利用登録を済ませたら、「カテゴリー」や「キーワード」などから好みのサービスを探す。「サービス内容」と「購入にあたってのお願い」を読み、納得したら「購入画面に進む」をクリック。代金はクレジットカードかWebMoneyで支払い。支払いを済ませると、サービスを提供している人と直接メッセージをやりとりできる非公開のページに飛び、お願いすることを詳しく書き込めばOK。あとは先方から返事が来て、取引が成立した時点で支払いが完了。

■人のスキルを可視化してカタログ化する・・・

>ココナラがスタートしたのは2012年(昨年)からですか?

正式にローンチしたのは、2012年7月3日です。1年4ヶ月たちました。

>南さんとして、この1年についてのココナラの動きについてご感想は・・・。

ローンチ前は一人でも使ってくれる人がいるかなとか不安がありましたが、正式に立ち上がって、最低限の想定している範囲内で推移しているので良かったかなと感じる反面、目標するところと最低限これだけということでは、まだまだ満足できる状況ではないですね。

>ホームページでは登録件数が1万件突破(11月14日時点で11728件)とありますが、これについては満足感はありますか?

数字が増えていって、ここに1万件ものお役立ちがあるんだと思うだけでワクワクはするんですが、一方でビジネスサイドとして経営者の目で見れば、まだまだですね。

>ウェルセルフとしての収入源はココナラだけ?

ココナラだけです。これ以外は何もしていません。僕らは会社としていくつもウエブサイトを作ってウエブサービスをするという気持ちは毛頭なく、ココナラのプロジェクトをやるために作った会社、仲間なんです。他のことをやるつもりは全くありません。

>会社の売り上げは、500円とプラスアルファのおひねりなどと件数をかけ合わせた売上げの30%ということになりますね。

現在月々の取引が、お試しも含めて約5000件くらいですね。これだけでは当然人件費すら出るレベルではないので、投資家の方に、近い将来10倍にします、100倍にしますとお願いして協力をいただいて人件費等を賄っているのが現状です。

実は近いうち(11月15日の予定)に、500円のものだけではなくて、優秀な人からだんだん値段をアップできるサービスを始める予定です。そうなると3000円、5000円、1万円でも売れるようになり、単価が上がっていきます。

将来的には電話サービス、例えば分課金でスマホの音声で相談できるようなことも取り入れていく予定です。これでさらに収益もぐっとアップしていけると確信しています。

そういったことで、数や面を増やすところもやりつつ、500円からスタートして、一人当たりの金額を上げていく対策も考えているので、それらも含めて、収益化を考えていきたいと思っています。

最終的には広告収入や物販なども取り入れていきたいのですが、今は、人たちのスキルや経験を可視化、カタログ化して、何かあったときに相談できるプラットフォームをまず確立させることに専念したいと思っています。

■ココナラで人生が変わったという声・・・

>今後、南さんとしてココナラを広げていくポイントはありますか? 500円の市場を作ってそこからさらに広げていくとか、当面の目標は?

対外的には、1.5~2年で現在の10倍の規模にしますと言ってます。出品サービスが10万件、月々の取引件数5万件。ただ(本音は)、やみくもにこの数値を追っているというわけではなく、今の一番大きな課題として、リピーターを増やすことに重きを置いています。すなわち中身を改善すること(充実させること)が一番の目標です。

新しいサービスなので、やみくもに広げてもすぐにやめてしまう人が多くなっても意味が無い。いま使い始めてくださった人たちが、より気持よく(長く)使えるようにしていくことですね。

僕自身、ここで培われているサービスバリューそのものには自信があります。出品する側からはこれで人生変わったという声もたびたび、(受ける側からも)感動した、良かった、誰々さんのおかげで助かったという事例まで出てきています。

ただ、仕組みとして続かなくなったり、時々ハズレが出てしまうなどいくつか問題点も出てきていますので、ここさえ解決出来れば、次に向かうステージがまた見えてくる。今はクオリティをあげることに集中するのみです。

>最後に、南さんとしてのココナラのゴールとは?

数値的なことは事業計画上のこととして、私のゴールイメージは、やりたいビジョンが少しでも現実のものになること、即ち「一人ひとりが生きる力を持って自分らしく生きれる社会にすること」これですね。

>ありがとうございました。


(参考リンク)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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