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「ネットのまとめ」は人を幸せにするのか・・・:第16回トンコネJAM

2013/10/24 16:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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■「笑っていいとも!」が来年3月で終了を調べてみた・・・

フジテレビのお昼の名物番組「笑っていいとも!」(月~金曜正午)が来年3月で終了することが10月22日の番組内でタモリさん自ら発表された。

何を隠そう、私はラジオ時代の「タモリのオールナイトニッポン」の最後のディレクターであり、結婚式の主賓もタモリさんに務めてもらったという、何かとタモリさんとの接点が多かった者の一人だ。(今や何のつながりもなくなってしまったが・・)

なので「笑っていいとも!」という番組タイトルコピーがどう出来上がったのかという当時のエピソードを知る、数少ない関係者のひとりでもある(と思う)。

きっかけは「今夜は最高!」などで当時よくタモリさんと共演していたテナーサックス奏者の中村誠一氏の口癖が「いいとも!」だったこと。そのエピソードをオールナイトニッポンでタモリさんがしゃべって大うけしたことから、その直後のフジテレビでのタイトル会議で、前の番組名「笑ってる場合ですよ!」に掛けて「笑っていいとも!」になったというわけだ。

オールナイトニッポンで中村氏の口癖のエピソードを話してから数週間後に「笑っていいとも!」になっちゃったよと笑いながらニッポン放送のスタジオに入ってきたタモリさんを今でも忘れない・・・。

そんなタモリさんの発言を調べたいと思った時、今では「まとめブログ」が本当に便利だ。単に「タモリ,発言」と検索した結果より、「タモリ,まとめ」でみつけたまとめブログのほうが、時系列で並んでいたり、思わぬ記事が発見できてとても都合がよい。

今回の番組終了発言についてもまとめブログを見ると、各メディアがどう取り上げているかや、それらに対する一般人の感想はどんなものかが手に取るようにわかる、というか、わかる気になるわけなのだが・・・。

ということで、IT使いのスペシャリストでラジオパーソナリティの吉田尚記氏、音のQRコード「トーンコネクト(Toneconnect)」を生み出した株式会社トーンコネクト社長CEOの加畑健志氏と共に、最近気になるネットとラジオの近未来をトークセッションする月例会「トンコネJAM」(今回は加畑氏が仕事で欠席)。

今回は「まとめブログ」もしくは「インターネットの情報をまとめる意味」について議論してみた。果たして「ネットのまとめ」は人を幸せにするのだろうか・・・。

■極楽人生~パックツアー

>「NAVERまとめ」などのまとめサイトはもとより、フェイスブックもある意味まとめですよね。友達の行動や考えが適度にまとめて読める。ツイッターも自分のタイムラインは、自分が見たいツイートという軸で集約された発言集。「リスト」機能を使えば、さらにもっと狭めた集約もできる。Googleも検索キーワードでまとめた結果ですが、最新の話題や発言などを調べるには、Googleよりツイッターでの検索のほうが正確であると言われる方もいらっしゃる。

(吉田)いきなりですが「ネットは人を幸せにするか」という議論が私の周りでは最近多いですね。そもそもそこから考えなければいけないと思うんです。

その際、(インターネットにおける情報の)ノイズという問題がありますね。(ネットで何か調べたり読んだりしたとき)ノイズが少ない環境を求めたいというのが常だと思いますが、ノイズが少ないということは、単に効率が良くなるというだけの話だと思うんです。面白いもの(幸せの種)はノイズの中にあるのではないかと・・・。

例えば古い例ですが、電車男。あのとき一番面白いなと思ったことは、みんなが「キター(゜∀゜)ーッ!!」と書き込んでるときに、ただひとり「ギター(゜∀゜)ーッ!」と書いている奴がいたこと。ギターを持ってるんですよ。そういうの(インターネットが)いいな(幸せだな)と思うわけです。これこそがこれまでの文学では絶対出来なかったこと。

まとめサイトもどれくらい「ノイズ」を入れ込むか、これは編集の能力。まとめるセンスにかかってくる・・・。

>ハフィントンポストのようなことだと思うんのですが、まとめる人間、エディターを育てて、まとめるセンスのある奴をピックアップ、彼らの集合体を作ればいいのでは? だからまとめるプロみたいな連中が集まって、まとめブログを作ったら面白いんじゃないかと言うんです。

(吉田)まとめサイトの究極は「ウィキペディア」だと思うんです。どうもそこに面白いことが起きそうな予感がしませんよね。

私の卒論について話したいと思います。卒論のタイトルは「極楽人生~パックツアー人生有効活用マニュアル」と言います。よくこんなテーマが通ったと思うんですが、ゼミの先生が非常に理解のある先生だった・・・。

我々の人生は今や標準化されている、楽に生きれる、オートパイロットで自分の人生を進めていける。でもそれだけでは意味がなくて、そのオートパイロットシステムにどうやって自分の意思を加えていくか、それを「魂(たましい)」と言う、そんな内容です笑。

私が今日相当疲れてるとします。そういうときはオートパイロットでしか自分を操作できない。オートパイロットでやった放送って、きちんと成立はするが、面白味に欠ける。魂がそこに介在しないから・・・。

「まとめサイト」は、みんなをオートパイロットで作動する役割を担うものなんです。これで自己のオートパイロット機能をアップさせようとするんですが、アメニティが飽和状態なんです。すなわち、人生を進めるにあたって、便利な機能がありすぎだと思うんです。

意思や魂、すなわち「ノイズ」がなければ、人生を進めても意味がない。これは結局、以前にも議論した「ものづき」の人生こそがお手本の人生という話に行き着くわけです。


吉田尚記氏

■曲がったキュウリに出会えるか・・・

>どんどんノイズをそぎ落としてすぐに結論に達するみたいな、調べたいことがすぐに出てくる、行きたいところにすぐ行ける、それはそれで面白くない。「ものづき」は結論に達するまでをのらりくらりするから「ものづき」なんですね。

(吉田)効率化によってさまざまなことが開けていくことはとてもいいことです。まとめサイトがたくさんできることで、より可能性が増す、情報が開かれる。ただそのとき、出荷時に「曲がったキュウリ」は捨ててしまうというようなことが起きていると思うんです。

問題は(食べられる)「曲がったキュウリ」がこの世にあるんだという事実が、大半の人には伝わらないということ。まとめサイトだけを見てる人には「曲がったキュウリ」の存在を知るすべがない。

スーパーの店頭だけ見ていると、我々は日常的に「深海魚」を食べているということも知らないということにも似ています。白身魚でヒラメだと思ってたら「深海魚」だった・・・。

スーパーマーケットは売れる食材だけを調達しているため、売れない食材には出会えない人生となってしまう。まとめサイトだけを見るということはそういうことだと思うんです。

>これまでのことを総合すると、こだわりたいところにはノイズを多く取り入れ、効率的にしたいところはノイズは極力減らす・・。まとめブログを使う人に何かこだわりがあって使うならOKだが、こだわりのない人にとっては、都合のよいことだけしか目に見えない社会が形成される・・・。

でもまとめブログに投稿する人たちは、何かにこだわりを持っている人たちじゃないですか。どっかにこだわりを持っているからまとめられるわけで・・・。

(吉田)そのまとめブログの評価が「いいね」だからだめなんですよ。何のこだわりもない評価。オートパイロットシステムによる評価が「いいね」の集積なわけです。

最初にインターネットを始めた人たちは「ものづき」だった。電車乗ってザウルスで電子書籍読んでたりしていた時代は、あいつらバカじゃねーのという感じ、これが良かった。でも今や誰もがそんな状態ですよね。もはや「ものづき」じゃなくて「効率化」だからやるってことですよね。それが間違いだと思うんです。

■効率化推進サービスとこだわり支援サービス

>ところで、クラウドファンディングは人を幸せにしますよね、それでいて効率的でもある。

(吉田)そう、クラウドファンディングはネットの本質的な使い方ですね。そう考えるといろいろなサービスを分類できるかもしれない。

ウィキペディアやフェイスブックは「効率化推進サービス」、食べログやクラウドファンディングは「こだわり支援サービス」・・・。

今のままではまとめブログは「効率化推進サービス」、これが「こだわり支援サービス」に変わればみんなの人生を幸せにしてくれるということ。こだわる人に役立つ「まとめブログ」なら「こだわり支援サービス」になりますね。

>つまり、まとめる側がそのような意識をもってまとめることが大事、こだわりを持った人が集まりたくなるようにまとめて行くということですね。

今日の結論が出たようです。ラジオの生放送は1次情報、だから生放送に価値があると吉田さんは言います。ウィキペディアとリンクを貼っただけのまとめでは、2次情報や3次情報が回転してるだけのものにすぎない。だからそこに「魂」や「こだわり」や「ノイズ」を注ぐことができれば、単なる2次情報の集まりから、こだわる人たちの支援サービスにバージョンアップさせることができる、というわけです。


(参考資料)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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