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【シリーズ】日本のバカヂカラベンチャー訪問:ユナイテッド株式会社

2013/10/10 16:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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■日本発着せ替えアプリがアメリカで大爆発!

シリーズ・日本のバカヂカラベンチャー訪問と題して、最近"私が"気になっている、日本のものづくり業界に「バカヂカラ」の息吹を与えてくれている会社をシリーズで紹介。今回は、日本はもとより米国で大ヒット更新中のスマートフォンの着せ替えアプリ「CocoPPa(ココッパ)」を開発・運営を手がけている広告・メディア会社「ユナイテッド株式会社」。

日本発で海外でもヒットしているスマートフォン向けアプリサービスの代表と言えば、無料通話アプリ「LINE(ライン)」だと思いますが、「LINE」も含め、海外でヒットすると言ってもアジアでのヒットが多いのが現状。

なんと「CocoPPa」は海外でのヒットの約40%がアメリカだと聞きました。その上アプリを通じて日本の「KAWAII(カワイイ)」文化をヨーロッパではなくてアメリカで花開かせたと言うんです。

私もメディアなどを通じて様々なブームを仕掛けてきた者の一人ですが、海外で仕掛けるというのはすごく難しい。20年くらい前のことですが、私がアメリカで仕事をしていたときに、まさに日本のサブカルチャー、例えば秋葉原の情報やインディーズアニメなどをアメリカ人に知ってもらおうという企画を考えたことがありました。しかし全く受け入れてもらえなかった・・・。

アメリカにはアメリカ人の確固たる価値観があり、日本のサブカルチャーは、アメリカでは子ども(幼児)のものに分類されてしまっていたんです。これが今ではアメリカでも受け入れられるようになった・・・。こりゃあ何かが起こる!? そう思って早速お話を伺いに行って参りました。

対応くださったのは、取締役でスマートフォンメディアカンパニー長をされている手嶋浩己さん。


■利用者の39%がアメリカ在住ということは・・・

>スマートフォンきせかえコミュニティーアプリということで、「CocoPPa」はスウェーデン語で「カウッパ(市場)」という意味から来ているということですが。

(手嶋)そうですね。最初は「アイチェン(アイコンチェンジ)」と言っていたんです。ところが商標が取れなかったため、急遽考えなければならなくなり、いくつか考えた候補の中にあったのが「CocoPPa」だったんです。市場と言う意味もありますけど、響きを重視して決めました。


「CocoPPa」累計ダウンロード数の国別比較

>今では全世界1500万ダウンロード。1000万ダウンロード以上になると、「LINE」と並ぶ規模感を持ったアプリにまで成長していると見られるわけですが、その中特徴的なのが、利用者の39%が米国、全体の83%が海外からのダウンロード、そのあたりの真相をお聞きしたいのですが、その前に、そもそもこのような着せ替えアプリを作ったきっかけはあるのでしょうか?

(手嶋)元々当社は、2011年からスマートフォン事業に参入していて、当時から中長期的にはアプリ収益化しようという強い意志はあったものの、ソーシャルゲームなどもアプリでは出ていなかったので、何から始めたらいいかあまりはっきりしていませんでした。

そんな中で、有料アプリは売り切りなので、事業としてはなかなか成立しにくいと考えました。ある程度トラフィックが確保できるようなサービスを作って、その中で収益化を試みてみようと・・・。そこから「Discodeer(ディスコディア)」という音楽系のアプリを作ったんです。


Discodeer

これはこれで国内で200万ダウンロードくらいされて、手ごたえは感じられたんですが、このとき、開発にもう1ライン持てる余裕がありました、開発リソース的に。開発チームは女子が中心だったので、何か女の子向けで、継続的にトラフィックを生み出せるような女子向けアプリを考えてよって言って、出てきた企画のひとつが「CocoPPa」だったというわけです。

なので着せ替えアプリをやろうと思ったというよりは、女性向けの媒体アプリを考えようということで生み出されたものなんです。

>御社は、自社で媒体を持とうという要望は最初からあった?

(手嶋)元々フィーチャーフォンの時代は広告代理業が中心の会社でした。でもスマートフォンの時代が来る前から、メディア業のほうが利益率が高いという思いもあって、事業構造自体をメディア業のほうに変えて行きたいという方向性を持っていたんです。そこからアプリ事業が生まれたわけです。


CocoPPa

>普通ならアプリだったら「売り切り」しか考えないと思うのですが、そこに媒体、プラットフォームを作ろうという発想があったのは素晴らしいことですね。ちなみに海外市場というのは最初から意識してのことだったんですか?

(手嶋)そもそも日本市場ですらよくわからないアプリビジネスだったので、海外は全く意識がなかったですね。ただ「CocoPPa」でやろうと決めた後に、いろいろ調べたんです、世界には着せ替えアプリってあるんだろうかと・・。そしたらなかったんですよ。特にiPhoneでは。なのでもしかしたら、海外でも当たるチャンスがあるかもなと思ったくらいですかね・・。

でも本気で当てようとまでは思っていませんでした。なので海外向けにとりあえず「韓」「中」「英」の翻訳を、「Conyac(コニャック)」というソーシャル翻訳サービスを使ってやりました。結果海外で当たったのは、ここでとりあえずでも翻訳しておいたからということで、しておいて良かったということですね。


CocoPPaトップ画面

■新感覚のスマホ着せ替えコミュニティ

>アイコンとか壁紙のコミュニティ共有サービスになっていますよね。単純に着せ替えアプリと思って立ち上げると、アイコンや壁紙のデザインをしているのは、我々と同じユーザー、プロのデザイナーさんもいらっしゃると思うのですが、自分でデザインしたアイコン・壁紙も提供できると言う形になっているんですが、それは女性の開発者の方が最初から考えたことなんでしょうか。

(手嶋)そうですね。せっかくやるならそのほうが面白いと思ったんです。フィーチャーフォンの時代の着せ替えサービスとはだいぶ違いますよね。よりインターネットっぽいサービスと言うか・・。そのとき、「pixiv(ピクシブ)」などを参考にしましたね。


CocoPPaラウンジ画面

>以前のインタビューでは「LINE」の競合のように書かれているのがありましたが、それよりもずっと「pixiv」に近いイメージですね。

(手嶋)「LINE」のようなジェネラルな万人受けするサービスにはならないと思っています。一部の人にすごく気に入ってもらえるのが何より。その先に行くと、発想としては、「CocoPPa」で人気のあるクリエイターが有名になっていくといったストーリーも考えています。「CocoPPa」がクリエイターの登竜門になっていくとか・・・。これは来年には手がけてみたいですね。


CocoPPaコミュニティ画面:世界各国から書き込みが・・・

>「KAWAII」マーケティングについてですが、これって結果としてこのような話になったのか、海外に「KAWAII」ブームを仕掛けた話なのか・・・。

(手嶋)そういう意味では、これまでは全く仕掛けてはいません。偶然にアメリカで「KAWAII」が盛り上がってきた。ラッキーでした。運が良かった。 そんな中、スマートフォンのアプリで行くと海外であたってる日本のアプリって、当たっている場所はほとんどがアジア。アメリカで当たるというのはめずらしい。

日本のコンシューマー向けネットサービスで、たぶん過去の歴史で、既存のメディアコンテンツでもそうですが、日本のものがアメリカで受け入れられるものはほとんどなく、ネットワークサービスとしては正直、「CocoPPa」が最初じゃないでしょうか。 単なる一過性のブームには終わらせられない。ここからは仕掛けていかなければならない、より大きなムーブメントにしていきたいと思っているので、先月(8月)アメリカ・ニューヨークに支社「CocoPPa Inc.」を立ち上げました。本格的に根を張って事業展開をしていこうと思っています。


CocoPPaでの着せ替え例1

>以前の記事に書かれていたのは、海外で受けている理由は、日本人が騒いでいるツイートなどを見て、海外に飛び火していくとありましたが・・・。

(手嶋)最初、日本のクリエイターの人気が広がった。そして日本のクリエイターが作ったものに海外の人が反応し始めた、という流れでしょうか。


CocoPPaでの着せ替え例2

>御社はマーケティングの会社、「CocoPPa」はプラットフォームごと世界に受け入れられた、150カ国以上、その上で、全世界レベルでの広告ビジネスができるようになったと言えるんじゃないでしょうか。実際現在、日本の広告以外も出ているんですか?

(手嶋)グローバルにアドネットワークを張っていますので、それぞれの国ごとの広告が掲出されています。今後はタイアップ広告ビジネスにも力を入れていこうと思っているので、全世界共通のキャンペーンとかやってみたいですね。

■アメリカで「KAWAII」の扉が開かれた!!

>今後アイコンや壁紙自体を有料にしていくということも考えてらっしゃるんでしょうか?

(手嶋)年内には課金事業を始めるべく準備中です。いまコンテンツリクルーティング(コンテンツ提供者の募集)をしている最中です。すでに発表させていただいている会社では「サンリオ」さんが参入を決定しています。それなりのラインナップになると思いますのでご期待ください。


CocoPPaでの着せ替え例3

>「CocoPPa」以外で、メディア事業は考えてらっしゃるんでしょうか?

(手嶋)アプリビジネスでいくつか手がけようと思っているものがあります。8月に投資をした「コウゾウ」(山田進太郎社長)はフリマアプリ「mercari(メルカリ)」を手がけています。オークション取引の形が今後、フリマに変わっていくと予想しており、そこに手をかけ始めたというところです。

>会社全体としての今後の目標は?

(手嶋)現在広告ビジネス、いわゆるメディアビジネスと、もう一つは「RTB事業」というのがあります。RTBとは「リアルタイムビッティング」つまり広告のオークション取引。ネット広告技術を生かした広告事業ですね。この2つ、スマートフォンアプリビジネスとRTB広告ビジネスを今後も力を入れていきたいと考えてます。

その中で、スマホアプリビジネスからは「CocoPPa」が出てきた。ほかにも「ビートプラス」(DeNAのGloovyとの連携アプリ)や「アプリシュラン」などもありますが、どれもメディアプラットフォームを伴った広告ビジネスです。 我々の当面のゴールは、ゲーム以外のスマートフォン事業で成功すること、スマートフォンの中で唯一無二のサービスを作ることが目標ですね。

>ありがとうございました。

手嶋氏の、何でもかんでも「CocoPPa」の中でやろうとせず、着せ替えで如何に盛り上がれるかにフォーカスしていく、という発想がとても印象的でした。

私の会社でも、ポストペットなどのキャラクタービジネスを全世界展開していますが、海外はこれまではやはりアジアどまり。「KAWAII」はあくまで子供のものとして受け取られ、大人はセクシーであったり、ゴージャスであったり、そういった要素がなければ、アメリカでは受け入れてもらえなかったわけです。

それが遂に来たんだと感じます。新たな「KAWAII」を受け入れる扉がアメリカで開いたと・・・。これはすごいことだと思います。今後のトレンドの動きに注目していきましょう。



(参考資料)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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