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日本の音楽ビジネスを正しく導くもの「monstar.ch」(モンスターチャンネル)

2013/03/14 18:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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■PANDORAやSpotifyを締め出してる場合か!?

2012年度の音楽ソフト(シングル、アルバム、音楽DVD、音楽Blu-ray Disc)の売り上げは3270.3億円(対前年比104.1%)、約10年ぶりの前年を上回る結果に・・。しかしその原因は、ミスチル、ユーミン、桑田などの大物アーティストのベストアルバムが続けてリリースされたことによるもの。

売上げランキングで見れば上位20作を相変わらずAKBとジャニーズが独占。なんでこうまでヒット曲のバリエーションがなくなってしまっているのか・・・。売上げが少し上向きと言ったって、バリエーションに乏しくなればなるほど、更なるヒットは生み出しにくくなる。売上げはすぐに下降の一途なのだ。

そんな未だにCD売上げを追いかける日本の音楽産業に対して、世界ではすでに音楽の有料配信に切り替えて、PANDORAやSpotifyなどで息を吹き返し始めている国も出始めている。結果、2012年の世界のレコード業界全体の売り上げは165億ドルで、2011年と比べて僅かだが、0.3%成長したという報告もある。

日本の厳しい法律で、PANDORAやSpotifyなどを締め出してる場合なんだろうか。日本の音楽産業をこのまま縮小の一途を辿らぬよう、音源販売よりも、イベントやグッズビジネスに力を入れていくんだろうか。

そんな話を編集部としていたら、昨年9月に取材した面白い会社があるから行ってみたら、と紹介していただいたのが、今回ご紹介する「株式会社モンスター・ラボ(Monstar Lab, Inc.)」だ。


いな川 宏樹社長

■音楽は「多様性」が命・・・

社長は、いな川 宏樹氏(いな:魚辺に弗)38歳。神戸大学数学科を卒業後、ベンチャー会社などを経て、豪ボンド大学の通信制MBAプログラム「BOND-BBT MBA」を取得。そのMBAスキルを生かして立ち上げたのがこの会社。(モンスターがmonsterではないことに注意、理由は後述)

今のマスメディアの音楽の扱い方に疑問を持ち、音楽の多様性にもっとユーザーが出会えるしくみを作りたいと考えていたところ、次々とその構想を具現化できる仲間がそろい、2006年2月に設立したのだそうだ。

まず手がけたのは、アーティストとリスナーを感性によって結びつけるサイト「monstar.fm」(2006年7月スタート)。アーティストとリスナーが主体になれる音楽シーンを取り戻したかったのだという。

いまのマスメディアの音楽の取り扱いは、音楽シーンのひとつとしてはありだと思っています。しかし、リスナーの音楽に対する多様性が、10年前とガラッと変わってきていて、今や、そのシーンからはみ出てしまうケースがたくさん出てしまっていると思うんです。

つまり、高校生くらいまでは、マスメディアから与えられた音楽でなんとか満足しているものの、その後ネットなどから様々な音楽シーンに触れ、成人するころにはもっと幅広いジャンルの音楽を聴いてみたくなる。にもかかわらず、そういった世界をマスコミはまったく発信してくれていないと感じたわけです。

だったら自分たちでやろうと・・・。僕らが満足するには音楽はこんだけ必要なんだと・・・。そう考えて、音源を集めまくったんです。2010年からは店舗向け音楽配信「monstar.ch」も開始しました。

monstarの「mon」はフランス語で「私の」という意味、「star」は「星 (スター)」を表します。つまり「monstar」とはまさに「私にとってのスター」という意味が込められているんです。

「monstar.ch」はインディーズ版USENといった感じ。今ではベローチェ(カフェ)やサイゼリア(ファミレス)などで採用。月額1980円(USENの場合は6300円)で、配線、アンテナ工事などが不要。国内外数10万曲の中から、店舗にぴったりの楽曲をチャンネルベースで提供。そのために経験豊富な選曲スタッフが店舗やジャンルを参考にしながら、チャンネル制作もしてくれるという。

そして昨年2012年09月からは、個人向けストリーミングサービス「monstar.ch」も開始。iPhone、androidなどのスマートフォン向けアプリもリリース。今やどこにいても「monstar.ch」が聞くことが出来る。

■人気楽曲のカバー曲が、元歌よりも良かったりして・・・

と、ここまでは個人向けサービスの立ち上がり時に取材した内容とほぼ変化はないのだが、注目すべきはここからだ。

個人向け「monstar.ch」でのお気に入りのチャンネルの探し方としては、(1)気分(癒されたい、恋したいなど)とジャンル(JPOP、JAZZなど)の組み合わせで選ぶ、(2)DJがセレクトしたチャンネルを聴く(例:コーヒーブレイク、ドリーミーポップ等)、(3)フォローした人がいいね!してる曲を聴く、(4)お気に入り曲をマイリストに入れて聞く(有料ユーザーのみ)の4種類から選択できるようにしています。そんな中から私だけのスター(mon star)を探して欲しい・・・。

我々の側も、いいなと思った楽曲に出会ったら、すぐにレーベルマスターに声をかけ、メジャー、インディーズ関係なく、随時新しい音源を追加しています。実際はメジャーレーベルについては、なかなか無料配信の部分の賛同が得られないため契約に至らないケースもありますが、それが逆に、他のストリーミングサービスと差別化ができている要因にもなっています。

実際聞いてみると、有名曲のカバー曲が多いことに気がつく。いわゆる、雑貨のある本屋・ヴィレッジヴァンガード店内で流れているような、おしゃれなカバー曲、アレンジ楽曲が次々と流れてくる。メジャーレーベルの楽曲が少ないとは言え、全くマイナーさは感じない。新たなヒットが生まれる、新たなスターが現れる予感がひしひしと伝わってくる。

■モンスター・・・は日本の音楽ビジネスシーンを変える!

競合としては、しいて言えば「レコチョク」です。でも彼らはあくまでメジャーレーベルが中心。ゆえに無料配信のサービスは、レーベルとの契約上なかなか難しいと思うんです。できちゃったらかなわないかもしれませんが、思いもよらぬヒットを生むという意味では、今は我々のほうが優位だと思ってます。

我々はインディーズ+メジャーのカバー曲が中心になりますが、一般ユーザー向けサービスは毎月10時間まで無料(それ以上は月額350円)。iTunesから気に入った曲をダウンロードできるリンクも付いてますので、気に入ってもらえさえすれば必ずコンテンツホルダーにもお金が帰っていくんです。我々にはアフェリエイト料が入ってくるので、さらなる新しい楽曲が提供できるようになる・・・。

もっと言えば、ここから新たな音楽ヒットが生まれていけば、日本の音楽産業自体がもっと活発になっていくというわけです。

成功イメージは、日本だけでなく、中国やアジア全土にまでサービスが広げられること。新しい音楽との出会いの場として「monstar.ch」が世界に定着してほしい。心地よい音楽と出会うなら「monstar.ch」と言われるようになるまで頑張り続けます。

「monstar.ch」の凄いところは、音源ビジネスから逸脱せずに音楽産業を上向きにさせようとしていること。これが言いたい。PANDORAやSpotifyが日本に来ないとかグズグズ言ってる前に、「monstar.ch」をもっと広めることに力を貸してはもらえないだろうか。ここからヒットが生まれたら、間違いなく日本の音楽ビジネスシーンも世界に負けずに変わっていけると思うからだ。


(参考資料)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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