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どこに投資すれば音楽業界を救えるか!?:第8回トンコネJAM

2013/02/22 16:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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IT使いのスペシャリストでラジオパーソナリティの吉田尚記氏、音のQRコード「トーンコネクト(Toneconnect)」社長CEOの加畑健志氏と共に、最近気になるネットとラジオの近未来をトークセッションする会「トンコネJAM」。

今回(02/05)は、有楽町のニッポン放送の会議室で、スカイランドベンチャーの木下慶彦氏をゲストに迎えて行われました。木下氏は特に日本の音楽業界に注目して投資支援を行っている方です。そこで今回は「どこに投資すれば日本の音楽業界を救えるか!?」に絞ってトークセッションすることになりました。


トンコネJAMの面々(左から吉田氏、木下氏、加畑氏)

■ラジオで音楽リクエストものが少なくなったわけは?

まず最初に、日本の音楽業界を長年支え続けてきたのが「ラジオ」メディアであるということから、ラジオと音楽の関係について私のほうから切り出しました。

私は10年前までの約20年ラジオに深く携わってきましたが、一貫してラジオは「マーケティングメディア」と思って企画してきました。

ラジオ放送は、全体の約8割が生放送と言われています。(ある日のニッポン放送番組表を見れば24時間中約4時間:約17%が録音番組になっています)なので、常にリスナーの意見がその場で番組に反映できます。

今日起きた出来事についてリスナーからの意見を聞き番組で紹介する。するとその意見を聞いた別のリスナーがさらに別の意見を言ってくる。その繰り返しで番組が進んでいくのがラジオの最もオーソドックスな構成。ラジオ番組はリスナーの意見の集合体です。

中でも「電話(音楽)リクエスト」は、まさに生の音楽業界がリアルに反映されます。しかし、あれほど以前にはやっていたのに、ここ10年以上「電リク」(今ではメールでリクエストでしょうが)番組をほとんど聴いたことがありません。

その理由は、今のラジオに2つの問題が起きているからだと考えています。

ひとつは、リスナー側の音楽に対する熱い思いが以前ほど感じられず、集計せずとも、AKB48とジャニーズ、K-POP等に集約されてしまうのが見えているためではないかと思います。

そしてもうひとつは、ラジオ制作者側の音楽に対する熱い思いも薄れ、ヒットを生み出していこうという仕掛けに情熱が沸かないためではないでしょうか。

■メジャーとネットのハイブリッド

ヒットを生み出していこうという「意思」がなくなったのが先なのか、ヒットが生み出しにくくなったのが先なのかはさておき、ここで私が経験で知っている、電リクをするときの心得があります。「単にリスナーの投票を集計した結果を紹介しても、実はリスナーはあまり喜ばない」ということです。

マーケティングの大原則として、集計する際には「意思」を持つ、というのがあります。つまり何かを集計するにも、この結果はこうなるのではないか、と予測の「意思」を持つか持たないかによって、全く結果の見方が変わってしまうというわけです。

電リクでも全く同じことが言えるのです。今回のリクエストであの新人アーティストは上位に食い込むのではないか、AKB、ももクロ以外に見慣れないアイドルが入ってくるのではないかなどなど、そういった意思を持って集計していくと、バリエーション豊かな集計結果が出来上がるのです。

ところが今のラジオでは、その「意思」はまったく別のところから取り入れるのだそうです。

吉田氏は語ります

ラジオ側(メジャー)が、リスナーの意思を汲んで、少数派のリクエスト(とんがった部分)を見逃さないようにピックアップすることが、音楽業界の活性化につながることは明白です。しかしそういう努力をしている人はまだまだ少ないかな・・・。

でもメジャーはリスナーの意思を汲み取る代わりに、ネットを活用してその様子伺いをしてるんです。ネットで話題になってる、例えばボカロなんかをラジオの意思として、番組に組み入れていけばいい。

ただ逆に、ネットはネットでメジャーの様子伺いをして、世の中に迎合しようとしている部分もある。メジャーもネットもお互いに旨く利用しないと、堂々巡りの話になってしまうかもしれません。

そんな中、両者が今注目するのは「アニソン」です。「アニソン」は音楽性も本格的で、インディーズ的なとんがりも併せ持っている。今や大物ミュージシャンがこぞって「アニソン」に取り組んでいる。音楽制作の自由度が高いからです。ヒット歌謡はこうしろああせいが煩すぎる。そんな状況をリスナーも察知しているんだと思うのです。いまやアニソンアーティストのライブで武道館満杯は常識ですから。

もっとこういった音楽シーンに「意思」をもって注目して欲しいですね。そうすれば絶対日本の音楽業界が復活していくと思うのです。これからの音楽は、メジャーとネットのハイブリッドを考えていかねばならないと思うのです。

それができるのは、ラジオを置いてほかになし。特にニッポン放送には、例えばアニソンコンテストで、審査員にヒャダインさんとアルフィーさんを一緒に呼べる交渉力や大きな器があります。まさにハイブリッドな審査が実現可能。ここに投資してください笑。

■一生音楽で食べていけるか・・・

加畑氏も付け加える

ちなみにアルフィーは日本で最も成功しているアーティスだと思っています。それは数万人規模のライブコンサートを日本で初めて実現させたアーティストだからです。確かにメリーアンは大ヒットしました。しかしCDが何枚売れたかが彼らを支えているのではなく、未だにアルフィーの楽曲がラジオでよくかかっていること、即ち世代を超えてファンが引き継がれて行ってる(親・子・孫までいると言われる)こと。これが成功したアーティストのグランドデザインと言えるのではないでしょうか。

つまり日本の音楽業界に今必要なのは、アルフィーのようにどの世代からも愛されるアーティスト。CDではなく、世界観を共有できるアーティスト。

なんとそのアルフィーが2月20日に発売した久々のシングル「Final Wars! / もう一度ここから始めよう」は、テレビ東京系「ウルトラマン列伝」の主題歌。アニソンじゃないですか!! ハイブリッドじゃないですか。

日本の音楽業界に投資するとすれば、ポストアルフィーを探せってことですね。

PS:吉田さんは、こういったハイブリッドな世界を「トーク」の分野にも展開。ラジオという舞台をメジャーとネットのハイブリッドで表現する「吉田尚記の場外ラジオ #jz2(ジョウゼツ)」というイベントを実施するそうです。このイベントからも音楽業界活性化のヒントが探れると思います。


(参考資料)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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