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英キャサリン妃の病院にいたずら電話で、最悪の結果に。

2012/12/11 18:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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なんとも痛ましい事件が起きてしまった。概略を引用する。

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4日、オーストラリアのラジオ局「2DAY FM」の2人のDJメル・グレイグとマイケル・クリスチャンは、それぞれ英エリザベス女王、チャールズ皇太子のふりをして、ウィリアム王子の妻のキャサリンさんが入院していたキング・エドワード7世病院にいたずら電話をかけ、キャサリンさんの体調などを聞き出し、その様子を放送した。

しばらくして、震えるような声で電話に出た看護士の女性は、いたずら電話だと気づかずに、キャサリン妃が入院時に重度の脱水状態に陥っていたことや、現在は睡眠したり、起きたりを繰り返していることなど、プライベートな医療情報を話してしまう結果となった。

病院は5日、声明を出し、4日朝にいたずら電話がキャサリン妃の病棟に転送され、看護師が短時間、応対したことを認め、深い遺憾の意を表明した。一方、いたずら電話をかけたDJたちは「電話がつながったことに驚いた。ひどいアクセントを聞かせた瞬間に切られると思っていた」とコメントしていたのだが・・。

そんな矢先に、7日、この電話を取り次いだ看護師のジャシンサ・サルダナさん(46歳)が、病院の寮で死亡しているのが発見された。サルダナさんは、この病院に4年以上勤め、夫と2人の子どもがいる46歳の看護師だった。電話を取り次いだだけで、プライベートな医療情報を話したのは別の看護師だったにも拘らず、責任を感じて、自殺したとみられている。

電話をかけたディスクジョッキーたちは10日、地元のテレビ番組に出演し、涙ながらに謝罪した。ラジオ局では、2人を無期限の出演停止とし、出演していた番組も打ち切ったほか、少なくとも今月12日まで全てのコマーシャルの放送を自粛するとしている。オーストラリアで放送倫理の問題を検証する独立機関が調査に乗り出すなど、波紋はさらに広がりを見せている。
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自殺かどうかは今のところはっきりはわかっていないが、いたずら電話がきっかけであることは間違いなさそうだ。亡くなられた看護師さんのご冥福をお祈りすると共に、遺族の方に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

誤解を恐れずに言わせていただくと、放送に携わった者ならば、何度かはこういった倫理スレスレのいたずら電話的なインタビューや取材の経験があろうかと思う。

私も若かりしころ担当していたラジオ番組で「アイドルホイホイくるくる館」、確かそんなタイトルだったと思うが、毎回アイドルにいたずら電話などをしてその反応を楽しむというものがあった。

キャサリン妃にウイリアム王子のフリをして電話することと比較するには少々レベルが違いすぎるかもしれないが、当時のアイドルのふりして、友達のアイドルがいまどんな格好してるのかとか、今日は何を食べたかとか聞き出すのは、番組を作る側も、ラジオを聴くリスナーも、とてもスリリングかつユーモラスに感じていたはずた。全く悪気もないし、本人も、いたずら電話と知って、たまに怒りをあらわにする者もいたが、結果誰も傷つかない方向で進められていた。

ただそれはあくまで、タレントのマネージャーさんなど関係者は知っているという前提であり、また、生放送ではないため、万が一、タレントの口から、公表されていないプライベートな発言が出てしまっても、取り繕う方法は持ち合わせての企画であったわけだ。

今回はその生放送、それも関係者は、当然だが、誰も申し合わせがない状況即ち「ガチ」で企画を強行したわけだ。

そう考えれば、少々行き過ぎた企画であることは間違いない。通常企画段階でディレクターが「やってみたいのはやまやまだが、フォローするものが何もないからあきらめよう」となる。

フォローするものとは、例えば、録音であれば、最悪放送しないことも出来るとか、病院の院長さんとエリザベス女王だけは知ってるとか(今回の場合あり得ないけれど)なら、電話に出た人があとで騙されたことを知って、怒ったり、泣いたりしても、フォローできるわけだ。

しかし、フォローの準備があるから面白くない、スリルが半減するとも言えてしまうわけで、放送に携わった経験のある方なら、そのスリルを一度は味わってみようと、羽目を外す気持ちが首をもたげてくるのだ。

僕だったら、病院側に電話を受ける助っ人を内緒で配置して、逆にDJを騙すことを考えたかもね。単なる茶番劇になってしまうけど、傷つくとしたら仕掛けたDJ本人だけで済む。

今回のケースは、そんな中でも最悪の結果に終わった。もはやフォローするなど取り付く島も無い。世界中の放送関係者にとっても残念なことになってしまった。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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