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最近気になる「全録デッキ」はメディアをスマートにしてくれるか?

2011/12/09 13:30
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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■ついに「全録」の一般化が始まった・・・

通信機器メーカー大手のバッファローから、いよいよこの年末(12月23日ころとの噂)に、地上デジタル放送の8チャンネルを、最高で24時間×8日間録画できる全録レコーダ「DVR-Z8」が発売される。店頭予想価格は10万円前後。「ゼン録」という愛称で訴求するのだそうだ。2TBのHDDが内蔵され、Blu-rayなどの光学ドライブは付いていない。またチューナは地デジ×8chのみ。低画質モード(約2Mbps)で録画すれば、8ch/8日間の録画が可能なのだそうだ。

さてみなさんは、この全録デッキは「買い」でしょうか、「保留」でしょうか・・・。私は無類のテレビ好きなので、何はともあれ体験してみたいと思っている。残念ながら、まだ入手して使い倒しているわけではないので、今回は事前の情報に基づいての想像であることをご了承いただきたい。

だが「全録できる」ということが、これまでの録画機器の世界とは一線を画していることを確信している。今回は、この全録デッキの時代が、メディアをどう変えてくれるのかを想像してみたいと思う。

■「全録」の始まりは2008年・・・

これまでもテレビを楽しくしてくれる録画機器は、数々登場してきた。私の生活環境から紐解いても、cocoonから始まって、スゴ録、ロケフリ、機器ではないがアクトビラと、様々なテレビ視聴のバリエーションを広げていってくれた。

テレビにおいてはそのほか、画面の脇に天気予報やニュースなどが表示できるウィジェット機能の付いたものや、3Dで見られるものなど、番組録画とは別の機能でも様々な進化を遂げてきたが、2008年に株式会社PTPが個別販売を開始した「スパイダー」によって、「全録」という全く新しい時代が始まった。

一般民生機ではないため自身で所有はしていないが、「スパイダー」は現在、地上デジタル対応の「スパイダーpro」となり、「全録」機器としては、ほぼ完成形と言っても良いと思う。またこれに類するものとして、今年の始めから販売が開始されている、株式会社ガラポンの「ガラポンTV」もワンセグ映像ながら、スマートフォン時代の「全録」機器としては優れた製品。そのほかソフィアデジタルからワンセグ映像が6局同時録画ができる『ARecX6』も出ている。そのほか、一般機器メーカーからも、東芝の「CELL REGZA」やSony「VAIO Xビデオステーション」などの「全録」に近い機器も発売されてはいる。

だがしかし、これらの「全録」機器は、様々な面から一般人にはほど遠いものであった。そこに登場したのが今回のバッファローの「DVR-Z8(ゼン録)」。そしてこれを契機に大手メーカーも2012年には「全録」機器を一般的な値段で販売開始するとの噂も広まっている。

■「全録」とはどういうことか・・・

ここで改めて「全録」について説明する。地上波のテレビ番組を(関東で言えば)NHKからテレビ東京までの7チャンネル、ないしは放送大学を入れた8チャンネルを、24時間×1週間程度、すべて録画してくれる機器のことを「全録」レコーダーと定義してみよう。これがあると、TVガイドなどで見つけた、見たい番組の録画予約が必要なくなる。さらに、何日かあとで友人からあの番組は面白かったと言われても、後日見ることが出来る。これが一体どう我々の生活を変えてくれるのか・・・。

まず、当然だが、見たい番組を事前に決めておく必要がなくなる。忙しい朝のひとときに、妻に録画予約をお願いして喧嘩になったり、見たい番組があるから帰宅を急ぐなどという行為から開放されるのだ。

また、テレビ欄で見たい番組があっても、チャンネル番号を意識する必要がなくなる。番組名や出演者などのキーワードで、あとで検索できるからだ。現在の機器では、まだこの機能が充実しているとは言えないものもあるが、インターネットではすでに検索キーワードの世界になっているわけで、テレビも次期にこうなることは予想される。

さらには、生放送と録画された番組を区別する必要もなくなるかもしれない。スマホで、見ようと思ってる番組や出演者を検索して、すでに始まっていたら、自動で自宅の「全録」機器につながって、始めから再生が始まるし、生をそのまま見たければ、途中からリアルタイムで見ることもできる。

ツイッターやfacebookでの情報交換にも「全録」は威力を発揮する。「田中順也のキック決まったぁ!」とあれば、「全録」アプリで「クラブワールドカップ」「田中順也」で検索すれば、ゴールの場面がすぐさま再生されるようなこともできるようになるのだ。それも、自宅だろうが外出中のスマホだろうが、どこでもOKだ。

■「全録」の時代に順応したメディアだけが生き残れる・・・

笑っていいともに、仲間由紀恵と瀬戸朝香が揃って出演している。どうやら今夜のフジテレビでこの2人が登場する番組があるらしい。テレビ欄を確認して、フジテレビ、金曜プレステージ「悪女たちのメス」を見つけ、録画機器のスイッチを入れ、21時からの録画予約を入れる。のろのろすれば10分くらいの工程だ。

「全録」時代になれば、ツイッターで「笑っていいともで仲間由紀恵と瀬戸朝香が揃って登場、今夜のドラマが楽しみだ」などと打てば、そのツイートを見た人たちが、テレビやスマホで笑っていいともの場面を確認して「瀬戸朝香の生、久々に見ましたね」などと返してきて「放送時に番組をネタにツイート会しましょう」などとなる。

ま、よく良く考えてみると、こんなことができるのは、ひま人しかいないとは思うが、テレビの視聴環境が大きく変化するのは間違いない。放送局の差別化はかなり難しくなるが、その反面、生放送が重要になる気もする。放送局の広告ビジネスもネット化することで、多種多様な進化も遂げるだろう。周辺ビジネスも活性化し、雇用も増えるかもしれない。

私の本音は、ラジオこそ「全録」時代を先取りして欲しいと願っているのだが、先日、元同僚に相談したら、ラジオは音楽の扱いが複雑で、そう簡単にはいかないらしい。でも、あっという間に、インターネットに取って変わった放送業界の生きる道は、生活環境に適した変化を受け入れる必要があると思う。

改めて言っておこう。2012年は「全録」一般化の年になる。これに順応できたメディアだけが生き残れる。


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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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