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きゃりーぱみゅぱみゅ:放送と通信が生み出すアイドルの地殻変動(その2)・・・ 人生で大切なことは全部ラジオで学んだ...(その8)

2011/07/02 12:30
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プロフィール

土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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江口愛実の仕掛けはお見事だった。

鼻は板野友美、髪は大島優子、口は篠田麻里子、輪郭は高橋みなみ、目は前田敦子、眉は渡辺麻友。6月20日にグリコの新CM「アイスのくちづけ」篇がテレビで公開されると同時に、江口は上記6名のAKBメンバーの合成であると発表。

さらには、グリコ「アイスの実」サイトに「推しメンメーカー」なる、ファンが自由にAKBメンバーの顔パーツを使ってバーチャルアイドルを作ることが出来るサービスまで始めてしまった。ここでファンの交流も図ってしまおうという作戦だ。現在(7月1日現在)、高橋みなみの髪&輪郭で、岩佐美咲の鼻、前田亜美の目、小嶋陽菜の口で出来た「木嶋里子」なる推し面アイドルが一位。名前は勝手にシャッフルしたものから選ぶようだ。

■ネットアイドルに新星現る・・・

インターネット普及以前には考えられなかった手法である。ファンはあくまで既存メディアを媒介に、そこから発せられる情報を共有する以外になかったし、例え共有出来きたとしても、それは、各自の頭の中のイメージのみだった。江口愛実の例に再現すれば、ファンがラジオ番組に「目は前田、口は小嶋陽菜そっくりの見たこともないメンバーがそこに立っていたのです・・」と投稿し、それをパーソナリティが読んで、全国のファンにそのイメージが伝わり、「そうそう、僕も地元の局前で見ました・・」なんて言い出して、バーチャルの輪が広がっていっていた。

それが今では、一夜にして全国を情報が駆け巡り、画像や動画までをも共有できる時代になった。これは、放送局やプロの仕掛け人が仕掛けなくとも、誰でも仕掛け人になれるということを意味している。仕掛け人が本人という場合だってあり得るのだ。そんなネット界に、さらなるネットアイドルが登場している。「きゃりーぱみゅぱみゅ」である。


  •  本名「きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ」
  •  職業「メルヘン倶楽部」
  •  将来の夢「ファッション芸人」
  •  年齢は、1993年1月29日、東京生まれの18歳(これは本当のこと)
  •  芸名の「ぱみゅぱみゅ」はサバンナ八木の、同名の一発ギャグから拝借したとのこと。

■デビュー曲が世界23カ国同時配信・・・

雑誌「KERA!」のストリートスナップに登場したのがきっかけで原宿のカリスマギャルになったとされる。「デュクシ!」「オシャンティー」などの「きゃりー語」と言われる独特な表現で書いたブログは、更新のたびに約200万ヒットを記録。つけまつげ、ウィッグでお人形のようなファッションに身を包み、オシャレを自由に楽しむ。ニコニコ動画でのレギュラー番組「きゃりーのウェイウェイNICOちゃんねる」では既に視聴者2万超を獲得しているという。

彼女は、2011年4月の高校卒業とともにメジャーと契約を果たし、CD制作スタート(8月17日にCDデビュー)。CDに先駆け、配信シングル「PONPONPON」を7月20日、世界23か国で発売。音楽プロデュースをパフュームのプロデューサー「ナカタヤスタカ」が担当していることが目下の注目ポイントにもなっている。

■自身が仕掛けるアイドル・・・

彼女はまさしく、本人が仕掛け人の例だと思う。以前だったら、地元の雑誌などで取り上げられたものが、地方のラジオなどに飛び火して、それが全国に普及していったのだが、きゃりーは違う。元々原宿で見かけた「オシャンティー(おしゃれ)」な女の子。これが情報通のブロガーや感度の鋭い人々の手によって、インターネットで流通。ファンがツイッターなどで、本人のブログなどから発信される様々な情報を、ネットにアップ。数百人のフォロワーに飛び火するや否や、数日あるいは数時間で、全国の若者に広がっていった。

これは、アイドルやスターが世に広まってゆく流れが、メディア側のプロの手法で伝えてきた時代から、ユーザー同士が夢を描きながら各自の意思を伝えてゆく、オンラインソーシャルコミュニケーションの時代になったことを示している。既存メディアは、そのフォローをする程度の役割でしかない。彼らのホームグラウンドはテレビやラジオではなくて「インターネット」なのだ。きゃりーはまさに、ソーシャルアイドル。ただ、江口愛実と違うのは、実態があるのかどうかだけだ。

■かつてのアイドル創生プロセスに異変が・・・

売れるアイドルは必ず鶴光のオールナイトニッポン(当時土曜深夜1時から生放送)の1曲目に選曲されるという法則があった。1980年代、ビッグコミックスピリッツが全盛の時代。ホイチョイプロダクションが連載していた、「気まぐれコンセプト」という短編マンガ、ここで確か「アイドルスターの半生」の始まりをこう表現していたと記憶している。

当時のブームのきっかけはラジオだった。そして雑誌やテレビで紹介され始め、スターになってゆく。鶴光のオールナイトニッポンの1曲目にかかった歌手は、必ずヒットしていた・・。なので、もし今でも現役のラジオディレクターだったら、明日からでも深夜放送にきゃりーを起用していたに違いない。誰よりも早く、ブームが起きる前に、メディアに登場させたいからだ。

そんなラジオマン魂も、今や過去のもの・・・。ブームが起きる前になどと言ってるころには、既にインターネットでは「大ブーム」。あくまでホームグラウンドはインターネットで、それを既存メディアが取り上げてくれれば、ファンしてやったりくらいの状況なのだ。

■ホームグラウンドがインターネット・・・

ラジオからスターが生み出されていた時代から、インターネットの時代、そしてソーシャルコミュニケーションの時代に変わってきても、スターが輩出され続けることは変わらない。しかし、そのプロセスは大きく変わってきている。

先日、そんなネットアイドルの地殻変動についてお聞きしようと、「朗読少女」や「朗読執事」などのアプリをリリースし、日本最大のオーディオブック事業者として拡大を続けている「オトバンク」の上田渉社長にお伺いした。彼は「オーディオブック(朗読)」という特異な分野にキャラクターを持ち込んで、大成功を収めている仕掛け人の一人である。

彼によれば、アイドルはイメージがとても大事だから、ファンに直接いじらせるような手法が受け入れられるか心配だったそうだ。下手をすれば、アイドル本人の意図しない方向へ進んでいってしまう恐れもあるからだ。果たして、それはうまくいっている。初音ミクにファンが様々な歌を歌わせたり、ニコ動で、平井堅の声をピッチ上げたら一青窈になるという「ピッチ変」で盛り上がるなど、インターネットというホームグラウンドが確立された今、ファンがアイドルプロデューサーの一端を担うことも日常になりつつある。

日本における出版文化の灯りを消さぬよう、読書をもっと楽しいものにしてゆきたい、そのためには「朗読少女」や「朗読執事」も、製作者側が創り上げた乙葉しおりなどの朗読キャラクターだけでなく、ファン自身が朗読キャラを創り上げられるサービスも必要ですね、と語ってくださった。

スターやアイドルのホームグラウンドがインターネットになったことで、芸能界でのスター輩出にも大きな地殻変動が起きている・・・。

(リンク)



AKB48推しメンメーカー
http://www.icenomi.com/oshimen/index.html
【公式】きゃりーぱみゅぱみゅオフィシャルWEBSITE
http://kyary.asobisystem.com/index.html
きゃりーオフィシャルブログ「きゃりーぱみゅぱみゅのウェイウェイブログ」by Ameba
http://ameblo.jp/kyarypamyupamyu/
朗読少女 公式サイト
http://rodokushojo.jp/
朗読執事
http://www.rodokushitsuji.jp/

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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