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横沢彪氏追悼、人生で大切なことは全部ラジオで学んだ...(その5)

2011/01/13 00:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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「笑っていいとも!」「オレたちひょうきん族」などの人気番組を手掛けた元フジテレビ・ゼネラルプロデューサーの横澤彪(よこざわ たけし)さんが2011年1月8日、73歳で亡くなった。

横澤さんは私のラジオディレクター時代に大変お世話になった方の一人である。きっかけは、私が「タモリのオールナイトニッポン」のディレクターをしていた(82年~83年)時に、丁度「笑っていいとも」が始まる直前で、たびたびオールナイトニッポンのスタジオにいらしていたところから始まる。ニッポン放送とフジテレビは、ご存知のとおり、同じフジサンケイグループということもあり、現場での交流は良く行われていた。特に80年代のフジテレビは、「おもしろ軽チャー」といったキーワードが全盛の時代で、テレビ企画の発想の原点をサブカルチャーのにおいプンプンのラジオに求めていたこともあって、タモリのオールナイトに限らず、ラジオの手法をテレビマンがいろいろ盗みに来ていた時代だ。

当時、フジテレビのお昼は東京乾電池の面々が中心で始まった「笑ってる場合ですよ!」が放送されていた。これが他局に視聴率を抜かれ、昼の番組改編が必至の状態となっていた。そのときすでに、横澤さんは、夜のバラエティ枠で「オレたちひょうきん族」(1981年開始)でビートたけしさんなどを起用し、成功を収め、ひょうきんディレクターズのリーダーとして名物ディレクターの一人になっていた。横澤さんの口癖は「おもしろくなきゃ始まらない」だったように思う。

そんな中、深夜一筋に活動をしてきたタモリさんを真っ昼間に起用してみようという、そのチャレンジ精神は、只者ではないと思った。ラジオでさえも昼のゴールデンタイムにタモリさんを起用してみようと思うものはいなかった時代に、テレビのお昼にサングラスのおっさんを起用しようと言うのだ。当然、様々な否定的な意見が交わされたことと思う。それでも全責任を負って実行に移したのが「笑っていいとも」である。

「笑っていいとも」というタイトルも、実は、オールナイトニッポンの放送中にタモリさんが発していた言葉がきっかけだ。その当時、タモリさんは日テレ系の深夜のバラエティ番組「今夜は最高!」でも人気を博していた。ある日のオールナイトニッポンの放送の中で、「今夜は最高!」の楽屋話で盛り上がったときのこと、番組に出演していたジャズマンたちの中で、テナーサックスの中村誠一氏が、とにかくおかしいという話になった。

この話は、「今夜は最高!」と「笑っていいとも!」の両方の放送作家であった高平哲郎氏の『今夜は最高な日々』という本の中にも書かれているらしいのだが、番組終了後、次の演奏ツアーに向かうために、バンドマスターから次の予定が告げられるらしいのだが、皆は、こんなところで、そんな話をしなくてもいいのに・・・と碧々とした気持ちでいる中、中村誠一氏だけは一人で「いいとも!」と叫んでいたそうだ。オールナイトニッポンのスタジオは大盛り上がり!その後も、オールナイトニッポンでは、一時的ではあったが、何を言われても「いいとも!」と答えるのが流行っていた。それを聴いていた横澤さんがピンと来て、新番組のタイトルを「笑っていいとも!」にしたとかしないとか・・。とにかく、ラジオでそんな話しをしていて、タモリさんの新番組名が「笑っていいとも」になったことを聞いたときに驚いたことは今でも忘れない。

「笑っていいとも!」は、ラジオの要素満載だった。替え歌コーナーだったり、ダジャレクイズコーナーだったり、なんちゃっておじさんなどの都市伝説のコーナーだったり・・・。すべてのネタ元はラジオだったように思う。横澤さんは、テレビを面白くするためには、ラジオで通用するような、絵がなくても「その時の絵が想像できる笑い」という手法を徹底して利用した方だと思う。未だに「笑っていいとも!」の遺伝子には、そんな「思い出し笑い」のDNAが生きていると思う。

映像メディアが主流の今日でも、笑いは、やはり「落語」的な言葉遊びが原点だと教えられる。顔や格好だけで笑わせていた当時のバラエティを、そんな古典的な手法に戻したからこそ、今のフジテレビがあるし、その張本人は紛れもなく横澤さんだった・・・。ラジオの良さや面白さを教えて下さった横澤さん、本当にありがとうございました。天国でもきっと「面白くなきゃ天国も始まらない・・・」と言っているに違いない。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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