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テレビ視聴の考え方を変える録画マシン

2010/12/23 01:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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テレビ視聴の考え方を変える録画マシン

電通総研が11月25日に発表した「2010年・消費者が選ぶ話題注目商品ランキング」によれば、今年2010年の年間の注目商品ベスト3は、(1)スマートフォン、(2)ツイッター、(3)食べるラー油ということで、IT系の商品・サービスが上位2つを占めるという、かつてない「IT注目年」だったように思う。それというのも、昨年のベストスリーでは、(1)ハイブリッドカー、(2)マスク、(3)国内低価格ファッション、と、昨年はITのにおいも感じられなかったわけだから、今年が抜きに出てITに社会の注目が注がれたと言っても過言ではない。そのNo1に君臨したスマートフォンの裏を押しているのは、紛れもなくiPadだ。とあるラジオ番組での「2010年注目家電No1」はiPadだったそうだから、家電を見る目もここまで押し寄せてきているのだ。

追いつめられた地上波危うし!

しかし、日本でのiPadの位置づけはまだまだ難しい。ある人は「電子書籍リーダー」と言い、またある人は「ネットブックの進化系」と言う。だが、ジョブスの狙いは「AppleTVと連携できる動画も見られるリモコン」らしい。実際私の友人は、AppleTVを購入したが、単体では日本語で動画検索ができず、それをiPadやiPhoneなどを連動させることで、とても便利になるということを言っていた。世の中の一般テレビ視聴者は、まだここまでは来ていないだろうが、IPTV(ひかりTVなど)でのオンデマンド視聴による利用者の伸びが、他のケーブルテレビやスカパーなどCS放送の加入者の伸びを追い越した(業界筋)ということを考えると、多チャンネルテレビ時代の主役は、間違いなくネットテレビということになろう。いよいよ地上波は追い詰められた状態になっているのだ。

米国では、以前にもお伝えしたように、インターネット配信型テレビサービス「hulu」(フールー)や、パソコンにインストールすると、そのパソコンがケーブルテレビや、IPTV(通信会社が作ったケーブルテレビサービス)のセットトップボックス(STB)に早変わりしてしまう「Boxee(ボクシー)」など、テレビ視聴にまつわるネットサービスはかなり充実している。iPadもそれを見込んでの発売だと思う。もはや、日本のキー局が大金をつぎ込んで制作する番組手法は、世界的に見ても、古臭くなってきているような気がする。地上波危うしなのだ・・・。

「地デジ版SPIDER PRO」発表会


(写真:現在のアナログ版Spider Pro:出処:PTP

そんな中、地上波を存分に味わえ、かつ、その視聴方法まで変えてしまうマシンがある。「地デジ版SPIDER PRO」である。「SPIDER」としては2007年に業務用機器として販売が始まり、マスコミでもかなりの注目を浴び、キャスターの小倉智昭さんやタレントの水道橋博士さん、えなりかずきさんなど熱烈なファンもいる。「超マニアックテレビ視聴マシン」としてこの3年間君臨してきたが、来年の地デジ化に向けて「SPIDER」も「地デジ版SPIDER」が発表された。(12月15日の記事)私もその発表会に出席した。


(写真:発表会の模様)

テレビ視聴の考え方を変える「SPIDER PRO」

知らない方のために簡単に説明するが、「SPIDER」とは、地上波テレビ番組を1週間分(24時間×7日×8チャンネル)全部勝手に録画してくれるマシンだ。ホームページのよれば、3Mbpsの画質で8チャンネル分が7.3日間録画できるだけのハードディスク容量を持っていると書かれている。今回の地デジ版では「常時録画領域で約3TB(テラバイト)、保存領域で400GB」となる。全部録画できるだけなら、SONYの「VAIO type X」「VAIO Xビデオステーション」、東芝の「セルレグザ(Cell Regza)」などもあったが、「SPIDER PRO」は趣きを異にしている。電子番組表をはじめ、様々な地上波番組データと完全にマッチさせた、徹底した録画情報管理の実現で、例えばフリーワードで検索すると、番組内での発言シーンから、ニュース、情報コーナーなどからたちどころに探し出してリストアップできる。例え、そのシーンがわずか5秒でも、検索で浮かび上がってくるのだ。発表会での会場ではプロゴルファーの石川遼氏を検索。いしか・・といれたくらいで石川遼と候補名が出てきてしまうので、それをクリックすればわずか数秒で、この1週間の地上波番組の中から、彼が少しでも登場したシーンがリストアップされる。そしてそのリストを見れば、そのシーンが何秒間なのかもわかってしまう。検索は、人名、企業名、商品名を始め、フリーワードでも探せる。そして、その検索順に動画を再生させることも可能なのだ。

昔、私がラジオ局にいたころ、大手電機メーカーの方と、未来のラジオを作るというプロジェクトをやっていたことがある。そのときに、その方に「ラジオを聴くときに、放送局のチューニングをあわせるのではなくて、いま聴きたいもの、例えば、ニュースを聴きたい、お笑いを聴きたい、音楽番組を聴きたい・・そんなボタンがあればいいのに・・」と言われたことがある。そのとおりだと思う。ラジオでもテレビでも、いま見たい、聴きたいと思ったときに頭に浮かぶのは、放送局名ではなくて、タレント名だったり、ジャンルだったりするのだ。にもかかわらず、相変わらず、テレビでもラジオでも、放送局のチャンネルしか選ぶボタンがない!!その反面いまのテレビのリモコンには70以上のボタンが付いているのだとか。「SPIDER PRO」はそんな矛盾を見事に克服している。「AKB48が出てるものを片っ端から見よう!」と思えば、簡単なリモコン操作でそれが実現できる。それもわずか5秒しか出ていないものや、CMだとしても・・。これでテレビ視聴の仕方が全く変わってしまうのだ。

より複雑な操作になるテレビ録画方法に終止符!


(写真:地デジ版Spider Proのリモコン:出処:cnetJAPAN

「SPIDER PRO」を考案したPTP社長の有吉昌康氏は、最近のテレビ売り場で思うことがあると言う。やれ無線LANの設定がどうのこうの、録画する場合のDVDの種類はRだとかVRだとか、もうとにかく横文字がずらり。テレビが時代の3種の神器といわれた時は、テレビは使いやすく、普及を始めたばかりのPCは使いにくいのはあたりまえ。そんな時代から、PCはiPadやらiPhoneなどより使いやすく進化しているのに、テレビはどんどん使いにくく複雑になって来ていると言う。「地デジ版SPIDER PRO」はそのどれよりも使いやすいテレビ録画機器を目指したのだそうだ。それは世に言う「UI(ユーザーインターフェース)」が使いやすいとか言うレベルの話ではない。「テレビを見る」という行為そのものから予想される「行動」を10年間研究し、そこから、今後50年間変わらぬ利便性を追求したものの具現化なのだそうだ。


(写真:有吉社長:出処:cnetJAPAN

テレビ視聴の考え方そのものを変える!

有吉社長によれば、そのために、テレビ録画機に新たな価値を創出させた。ひとつは、先ほどの、視聴者と番組やCMとのマッチングによる価値の創出。1週間に番組数はおよそ2000、CMを合わせれば6000くらいのコンテンツがある。その中で我々が認識しているのはせいぜい20~30、なんと1%にも満たない部分しか触れていない。そこから全く新しい価値を見出せると豪語する。そして2つ目はインターネットとの連動による新たな機会の創出。ネットで話題のキーワード機能が内蔵されているため、それと連動して動画をリストアップができるため、ここにも新たな価値ある動画が生まれるわけだ。そして最後の価値とは、視聴者とテレビとネットをすべてトレースすることによって浮かび上がる全く新しいマーケティングデータそのものだそうだ。


(写真:地デジ版Spider Proの番組表画面:出処:cnetJAPAN

これもラジオでの体験だが、ラジオは「マーケティングメディア」だと痛感していた。なぜなら、毎日ほぼ9割が生放送。その中で、いつも電話リクエストや人気投票などをしている。「いま」リスナーが何を思い、何に共感し、何に興味を持っているのか・・・それがラジオの上で広がっている。有吉さんもそれを「地デジ版SPIDER PRO」で実現させているのだと思う。発売は2011年4月27日を予定。これまでの「SPIDER PRO」の世界は地デジ化で、さらなる新ステップに踏み出す。地上波がこの先も見られ続くことを祈るばかりだ。



※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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