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ツイッター社会進化論〜 ツイッターは自分の多様性を映し出す「鏡」である

2010/11/22 21:42
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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ツイッター社会進化論〜 ツイッターは自分の多様性を映し出す「鏡」である
金正則氏(シンク・ファーム株式会社代表取締役)講演会レポート
2010年11月17日(水)18時30分〜 ソフィアンズクラブにて

上智大学出身のマスコミ関係者が集まる会(三水会)で、兼ねてからお会いしたいと思っていた『1万人調査で読み解く〜 ツイッター社会進化論』(朝日新書)の著者、金正則氏の講演があったのでご報告する。彼は1979年同大学文学部ドイツ文学科卒業。(私の1年先輩です)

以前の私のBlogでもこの書のさわりの部分だけはご紹介したが、今回の講演では、本には書かれていない本音の部分も説明されたのでその辺もご紹介する。

(講演会での金正則氏)

ITは革命、激動などと言われるが、彼のようなマーケターにとって、本当にそうなのか一度確かめてみたかったそうだ。その題材となったのがツイッターだった。ツイッターに関する書籍は大量に出版されているが、この書においては、今回のために独自で全国15歳から69歳の男女、10,000人のモニターアンケートを取って、いまの姿を浮き彫りにしようとしたところが他の書とは全く違う。なぜツイッターを題材に選ぼうと思ったのか、それは、現在1600万人の登録者と言われるツイッターユーザーのなんと66.6%(1060万人)が2010年に始めたことだったという。まさに今年のIT系の象徴、社会はなぜ2010年にツイッターを欲したのか?ということがマーケターとしては気になるらしい。

さらに調査はツイッターの利用頻度を聞いた。「毎日やっている」が17.4%(約300万人)(全体約1600万人)週に1度以上を加えると36.1%(約600万人)、さらに月1回以上まで加えれば56.0%(約900万人)と過半数を超える。なんと60代のお父さんお母さんでの80%以上が「ツイッターを知っている、聞いたことある」と答えたそうだから、AKB48にも勝るとも劣らないものになっているようだ。

インターネットのサービスを時系列で考えてみると、blogやyoutubeなどは「過去」を表現(紹介)したものだが、ツイッターには「過去」(動物園に行ってきました)のほか、「現在・今」(甘味屋さんなう)という表現モードが加えられている。著者はここに注目し、マーケティングに使える新しい発想手法に利用できると考えた。

(バックル構造:腹へった〜の図:クリックで拡大)

エドガール・モランというフランスの人類学・社会学者が考えた発想法で「バックル構造」というのがあるそうだ。
普通に考えると時間は「過去」から「現在」に流れているので、「過去」が「現在」を作り出していると考えるが、モランは「現在」の状況(結果)から「過去」の見直し(反省)もできると考えた。これが「バックル(フィードバック)構造」と呼ばれているそうだ。金さんはこの「バックル構造」を利用して、ツイッターでつぶやかれている様々な「キーワード」を分析することで、全く新しい発想が生まれると語る。

例えば「腹へった〜」(現在)という発言がたくさんツイッターには見られる。「飽食の時代」や「中食の時代」といわれる(過去)を持つ彼らに、なぜそんなに「はらへった〜」のつぶやきが多いのか?と考える。それは例えば、彼らの過去や背景を考えると「実はお腹が空いてない」感覚があり、深層意識は「お腹の空いた感覚」を欲しているのではないか?そこから紐解かれる金氏の発想が斬新だ。だったら現代の「腹へった〜」族には「腹が減る飴」なんかどうでしょう? なかなか素晴らしい発想の転換である。逆に、昔を思い出して、腹いっぱいの感覚が蘇る「満腹飴」もいいかもしれない。「満腹飴」でダイエット!? これが未来市場につながると金氏は語る。

(ラダリングの図:クリックで拡大)

さらに、ツイッターとは一体なにものなのか、そしてこのブームがいつまで続くのかをラダリングという方式で分析。ツイッターでつぶやかれているキーワードを「機能的」なもの、例えば「自由に発言できる」とか「気軽に書き込める」など、それと、まさに自分から発せられる「欲求」そのもの、「腹へった〜」とか「こんなことに感激〜」などの2つに分け、それらのつながりを描いてみたそうだ。すると、そこから現れたキーワードが「社会の多様性」「自分の多様性」だったという。すなわち、ツイッターは社会の多様性を垣間見るとともに、自分の多様性をも確かめられる「鏡」のような役割をしているというのだ。

(講演会の様子)

金氏は最後に、こうやってツイッターの意味や価値は分析できた、だが、1年やってみてもまだ全く意味がわからないという意見を言うユーザーが多数おられる、ある方はこの1年で28000件もつぶやているそうだ。それでもさっぱり何が面白いのかわからないという。つまり、日本の社会はまだまだことの多様性を認めてはくれていない。社会に出て、何らかの技能を持ち、それを生涯伸ばしてゆくもんだ・・というのがいまの日本。ツイッターでつぶやかれている「本当の自分」にふさわしい社会になるまでには、まだあと3〜5年、あるいはそれ以上かかるのではないかと言う金氏。来年に向けて、いよいよ社会構造の変化が起こる予感がする、その引き金はもちろんITだという。今年のツイッターの盛り上がりは、あくまで過去にblogを経験してきた方が大半を占めるそうだ。つまり、これからツイッターで初めてインターネットのコミュニケーションというものを知った・・・なんていう人が増えてゆく、それも女性が男性を上回るのではないかと金氏は言う。(現在は男性57.7%女性42.3%)

ぜひとも、ツイッターがさらなる面白い世界に発展してゆくことを期待する。ここからは、今回の講演を聞いての私なりの想像だが、ツイッターは、個人的には、もっとパーソナリティー性が強化されて、ある意味、現在のラジオやテレビのように、チャンネルみたいにグループ分けされてゆけばもっと面白いと感じている。そのチャンネルのツイッターをフォローすると、アキバ系を網羅するとか、エンタメを網羅するとかなってて、そこには強力なつぶやきストがいるのだ。そいつのつぶやきを見逃さない、見逃したくない、そんな気持ちで自分もつぶやく。たまに別のチャンネルからリツイートが飛んでくると、こんな話題も盛り上がってるんだと気が付いて、ほかのチャンネルにも行ってみる・・・。まさにラジオだ。ツイッターはまさに、ラジオの電話リクエストをさらに面白くさせたものになると予感する。通信の話題と放送の話題がつながったところで、放送と通信の地殻変動はまだまだ続く・・・。

【追記】
人生で大切なことは全部ラジオで学んだ...(その2)でご紹介した「ヤンパラアドベンチャー」の当時の模様の記述だが、先日、当時のヤンパラのチーフディレクターだった元私の上司とメールのやりとりをする機会があり、少々間違っていたことが判明。ここで、修正させていただく。元チーフからのメールをそのまま紹介する。

・・・ちなみに「ヤンパラ・アドヴェンチャー ヒランヤの謎」は北区の区役所から呼び出しがあったのは、企画を始めた一週間後の週明け月曜(日曜に飛鳥山公園にリスナーが500人殺到して公園中掘り起こされた)、今なら担当役員か社長が記者会見で謝罪もんだろうね(笑)。企画は中止ではなく、その夜三宅裕司に「まだヒランヤは埋めていない。とにかく掘るな!」とリスナーに呼びかけて、続行。その週の週末に、実際に飛鳥山公園にリスナー約5000人(?)が集まり、その場で最後のヒント(クイズ)を出して騒ぎを収束させ、選ばれた3人を連れて上野公園に移動、そこでヒランヤを見つけさせることで終結させた。

とのこと。ラジオが人を動かす、つまりリスナーと一緒に遊ぶ空間を創っていた、ということを日々実感していたことを思い出す。また、ヤンパラでいえば、日清とやった理想のラーメンをラジオ番組で募集してそれを本当に商品化して売ってしまった「ヤンパラフル」が象徴的なイベントだったとも語っていただけた。こんなことがツイッターでもできる日が来るのが待ち遠しい・・・。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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