(写真:中国2010年上海世界博覧会を黄浦川西側から見たところ)
9月15日(水)〜19日(日)の日程で中国・上海に出張し、話題の上海万博に行ってきた。
何やら尖閣諸島周辺の漁船衝突事件をめぐる中国側の態度硬化が報道されているが、現地では全くそのような政治的な影響もなく、無事に観光をすることができた。上海には5年前に一度、中国のテレビ局主催のカンファレンスで訪問しており、かなりのVIP待遇をしていただいたので、市内の観光名所はほぼパーフェクトに知り尽くしていた。しかし今回は単独での取材訪問。英語が通じるのか、片言中国語でも何とかなるのか、はたまた現地の中国人と渡りあえるのか、冒険に満ちた取材旅行が始まった。
(写真:上海万博会場浦西地区側に入場したところ、とてつもなく広い)
上海万博の前に、まずは上海市内のIT事情からご紹介したい。
◎地下鉄
5年前と決定的に変わったのは、「地下鉄」が東京都内の鉄道以上に便利になったこと。上海市内の観光名所には、地下鉄を乗り継げば、ほぼ完璧に行くことができる。どの路線の車両も大変新しく、そしてきれいだ。社内には、日本のような中づり広告はなく、その代わりに、出入り口付近に各々1基配置されたテレビモニターだ。ここで、食品から白物家電まで様々な商品の広告が動画で流れている。これに見とれる間もなく乗継をするのだが、東京のように深くないので、階段を上がったところが、別の路線だったりして、乗り継ぎもスムーズだ。もちろん入場はICカードで「シャリーン」なのだが、万博開催中だけのことかもしれないが、現在は、地下鉄に乗る際にも持ち物検査でX線を通さねば入場できない。
(写真:上海地下鉄西蔵南路駅)
(写真:上海地下鉄の中の様子)
(写真:上海地下鉄の改札前の持ち物検査の様子)
◎www.yihaodian.comの袋を持った女性
街にはインターネットのURLが飛び交っている、特にショッピング関係のURLは紙袋などに大きく描かれている。私が見たURLは「1号店(yihaodian:イーハオディアン)」という名前のショッピングサイトだが、健康食品から携帯・家電までなんでもそろっている。そんなITにごく普通の主婦が接している。
◎PSPを電車でやる
電車内でよく見かけるのは、若者がPSPを持ってゲームをやってる姿。任天堂DSは持ってる人が少ない。
◎携帯電話は地下鉄どこでもOK
携帯電話は地下鉄の中でみんな掛けまくってる。うるさい。でもそれなりの節度は守って電話している
◎後続電車がいつ来るかのボード、3つ後ろまで表示
駅には行き先案内のボードのほかに、テレビモニター形式の後続車両があと何分で駅に到着するかなどが表示されている
◎無料で一家に配られる3G携帯
上海ほか中国全般は、まだ2G携帯だと思うが、3G携帯の普及も始まっており、そのために国(携帯会社)から、3G携帯が家に送られてくるそうだ。それも、月間に何元分までは無料というボーナス付きなのだが、逆にこのボーナスを使い切らないとあまりのお金分は請求されるという・・。当然、ボーナス分以上使えばその分は支払うことになる。街ではその無料貸与の携帯を使っている若者を大勢見かけた。
◎電車で6人中5人はスマートフォン
電車内では、日本とほぼ同じ感じで、携帯を眺めている人が多い。が、彼らが持つ携帯は6人中5人はスマートフォンだ。
◎iPhoneまがいものだらけ
iPhoneとほぼそっくりの携帯を持つ人も多いが、ほぼそっくりであって、iPhoneではないそうだ。また、ノキアなどの携帯も画面はiPhoneそっくりのアイコン仕様になっていて、みんな、指先でぴゅっとやっている。私はそのまがい物のiPhoneを売っている「不夜城」という携帯電話専門の販売ビルに行くことができた。本物のiPhoneそっくりのものから、見た目はそっくりだが、手にとると外面がすべてプラスティック性のiPhone、そしてひと回り小型のものまで何種類も確認できた。もちろん電話として使えるかどうか目の前で確認してくれる。記念撮影にまで応じてくれた店員さん、ここまで来ると、文化や技術は他国の模倣から始まるものなのだとしか言いようがない。(次回に続く)
(写真:上海市内で携帯電話店のモール「不夜城」)
(写真:不夜城内携帯ショップのiPhone風携帯の様子)