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ラジオやテレビのネット連動に現場制作者の思いは・・・

2010/07/11 12:04
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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サイゾー7月号の特集「危険すぎるIT裏事情」にある「USTREAMの福音とradikoの意義」という記事がおもしろい!。

テレビ各局はyoutubeやUSTREAMなどが普及して、番組配信やネット連動などを取り込まざるを得なくなり、方やラジオ局も共同でradiko.jpを立ち上げて聴取者の確保に乗り出すなど、これまでの既存メディア会社のIT取り込みが加速している中、番組の制作現場はその動きをどう考えているのか、というのが記事の主題だ。

 

USTREAMでの生動画配信は最近活発だ。『DOMMUNE』はクラブハウスミュージックを中心に人気DJが夜な夜な生配信をしており、現在日本で最大規模(約1万人との情報)の視聴者を獲得している。誰もがこの「DOMMUNE」の視聴率をを超えたいと思ってさまざまな企画にチャレンジするようになった。記事で紹介されている放送作家の倉本美津留氏が配信している『ホワイボードTV』は初回は2500人以上が押し寄せたが、現在は約500人前後の視聴者だというからまだまだミニコミの粋は超えていないが地方のラジオ局よりは視聴者を確保しているとも言えるわけでその可能性は大きい。

この『ホワイボードTV』、TOKYO MXで放送されているテレビ番組『ホワイトボードTV 陰』と、USTREAMで生配信されている『ホワイトボードTV 陽』からなっている。ネット番組のほうが「陽」なのだ。倉本氏はその可能性について「今のテレビ業界は、50年前の映画業界とよく似ていると思うんです。映画が主流の時代にテレビが生まれて、映画人は「あんなもん、すぐ終わるわ」と言っていたのが、あっという間に逆転された。今は「やっぱりテレビが最強!」と言っているテレビ人もたくさんいるけど、USTやYouTubeなどの動画サイトが勢いづいて、『ホワイトボードTV』という番組が出てきた。iPadなんかのデバイスの発売で、「これから何か変わりそうかも」という雰囲気で、先鞭をつけているという気はしている。実際、10年前の番組が、10年後に主流になることもあり得ると思う。」と語っている。しかし初回のお祭り感覚がなくなると視聴者も伸びなくなることも理解していて、彼らはいまだ無料奉仕、まだまだネット動画配信のビジネス化の壁は厚いと示唆している。

 

また、3月15日より関東地区と関西地区で実用化試験放送が始まった「IPサイマルラジオ:radiko」のほうの制作現場での反応はどうか?

開始2ヶ月で3000万回聴取という数字をたたき出しただけに現場の反応も大きいかと思いきや、80〜90年代に、放送作家として『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)の黄金期を支え、現在では人気パーソナリティとして各局で活躍する宮川賢氏によれば、「ようやく始まったか、と(笑)。遅すぎるだろうという感じですね」と語る。ラジオはしゃべり手がリスナー一人ひとりに語りかけるというのが本質なので、お茶の間で家族が囲んでいろいろ言い合いながら見るテレビとは機能がまったく違う。ホワイトボードTVのように「陰」と「陽」とわけてお互いを保管するようなものではなく、radikoはあくまで"ネットでラジオを聴く"装置だと語る。なので、地上波ラジオで言えないことをネットラジオで語るという考えではなくて、地上波ラジオを聴く手段が増えただけだと制作現場は理解している。私も経験があるが、友人にラジオ局で番組を制作していると言うと、誰がラジオなんか聴いてるのかわからない、ラジオを聴く装置が家にない、などと揶揄されたことが何度もある。そう言われ続けてもう20年以上。ラジオチューナーの普及キャンペーンなどがんばっては来たが、制作現場としては、ようやくその思いをラジオ各局が受けて動き出したという捕らえ方をしているのだ。なのでradikoが始まってリスナー層の変化はあったかとの問いにも宮川氏は「いえ、まったく。」と答えている。

 

人力車が鉄道に変わり、自動車に飛行機にと移動手段が変化してきても運ぶものは食材や物品、人という図式は変わっていないことと同じで、伝達手段も急速な変化をしていても、伝える内容は昔も今も同じ。運輸手段が多様になったおかげで購買の多様化が起きたことで新しいビジネスが数々生まれたことを考えれば、伝達手段の多様化で新しいビジネスが生まれることは間違いない。しかし、ここで大事なことが抜け落ちていることに気がつく。運輸手段が多様化したおかげでこれまで人力車では運搬できなかったモノの種類も多様化したし、物品の開発にも意欲を注いで来た。が、メディアの多様化が進む一方、伝達させるコンテンツの多様化=開発はあまりされていない。未だテレビを代表とする「総合コンテンツ」が幅を利かし、それらを支える放送局や広告会社など多数の輩が専門コンテンツを排除しているのだ。放送と通信の地殻変動で各局がどこまでそのコンテンツビジネスを発展させようとしている新人類に門戸を開くかがそのカギなのではないだろうか。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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