私のもう一つのブログでの昨日のエントリー、「E3 2006、心を打つ一言」で引用した「毎日電源を入れるのが楽しみになるようなこと」という任天堂の岩田社長の言葉。これぞネットワーク時代のエンターテイメントの核心を突いている名言だ。
ネットの一番のすごさは、その先にたくさんの(リアルな)人々がいることである。そういった人たちで作られた世界は、自分のデバイスの電源が入っていようといまいと、関係なく変化し続けるのである。その人たちは、自分が眠っている間にメッセージを残しておいてくれるかも知れない、何かプレゼントをくれるかも知れない、自分が育てているバーチャルペットと遊んでくれるかも知れない。
ネットの向こう側にリアルな人々がいるからこそ、常に変化し続け、常に新しい驚きや喜びを提供してくれる、それこそがオンライン・エンターテイメントの醍醐味である。電源を最後に切った時と全く同じ状態にしかならないオフラインなエンターテイメントとは、次元が違う楽しみを提供してくれる。
そんなオンライン・エンターテイメントはゲームにだけ限った話ではない。私にとって「ブログを書く」行為そのものも、オンライン・エンターテイメントの一つである。特に気合を入れたエントリーを書いた日の翌日は、どんなコメントやトラックバックが付いたか、どのくらいブックマークが付いたかを朝一でチェックするのも、それが楽しいからである。
mixiに代表されるソシアル・ネットワーキング・サービスの一番の醍醐味もやはりそこにある。友達がどんなことを日記に書いているか、自分の日記にどんなコメントをもらえたのか、それが楽しみで毎日の様にmixiを訪れる人が何十万人もいるのだ。
これからはパソコン、携帯電話だけでなく、テレビ、カーナビ、デジカメ、などのさまざまなデバイスがネットワークに繋がり始める。そんな時代のサービスを考える時には、この岩田社長の言葉を思い出すと良い。例えば「ネットに繋がったテレビ」向けのサービスを企画する場合は、「家に帰ったら、まずまっ先にテレビのスイッチを入れずにはいられなくなるようなサービスとは何か」と考えれば良いのである。楽しい時代がやって来たものだ。