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直島点描

2010/07/12 00:32
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プロフィール

村上敬亮

長年、官の立場からIT業界に携わり、政策の立案、実行をしてきた経済産業省 資源エネルギー庁の村上敬亮氏が、ITやエネルギー、様々な角度から、日本の発展のための課題や可能性について語ります。
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 ちょっと前の週末ですが、香川県なのに岡山に近く、瀬戸内なのにWorldWideな匂いのする島、直島に行って来ました。

 三菱合資会社の銅の精練場の受け入れを決断し、一時は、企業城下町として本土より栄えた島。しかし、その煙害で島の北半分と周囲の島を禿山にしてしまって以降、産業廃棄物投棄事件で豊島が話題になったのをきっかけに、再度、リサイクルはじめ環境事業に舵を切ることで、再度エコにたどりついた島。

 そしてまた、福武会長と、安藤忠雄先生と島とのコラボにより、現代美術の島として蘇った島。その中で、静かに3300人が暮らし、そこへ年間30万人以上の観光客がやってくる、まだ橋の架からない島。

 色々な意味で、面白く、また、もっと色々見てみたいと思うところの多いところでした。瀬戸内国際芸術祭まで、もうあと、間もなく。

 

1.現代アートのお出迎え

 

 こんなフェリーに乗って、どんぶらどんぶら(?)と高松から島に向かいます。約50分の瀬戸内の船旅。でも、仲間と談笑しているとあっという間です。

 

 

 

 港で早速お出迎えしてくれるのは、草間弥生さんの赤カボチャ。 アートな島っていう先入観があると、なんかこれだけでワクワク感が出てきます。

 

 

 

 島の北半分は、三菱村ということですが、まずは早速、島の中心部にある生協とうどん屋さんへ。生協は、もw普通に何でもあるし、何より、そこに集まってくる方達が若い人達が多くてびっくりしました。活気のある感じ。

 うどんは、当然讃岐の流れを引いたものですが、これまたとっても美味しい。小さいお店ですが、山本うどんさん、またすぐ行きたい感じです。

 

 

 腹ごしらえをすませてと、、この島の見所は、大きく二つ。古い街並みの中に、7つの家を、テーマを決めてアート的に改装、後悔している「家プロジェクト」。それから、島の南部に展開する、現代アート空間、「ベネッセハウス」です。

 

2.「家プロジェクト」

 

 島の中心部は、こんな感じです。敢えてこういう風景を残してる面もあるんだと思いますが。

 

 

 

 何となく懐かしい感じのお店です。

 

 

 

 これ、バス停なんですけど、子供SOSもしっかりアピール。

 

 

 

 個々の家プロジェクト自身の説明は、あんまりやりすぎると、行く楽しみが無くなるので、いくつかある立派なページをご参照ください(例えば、こちら)。

 ちょっとだけさわりを紹介すると、僕自身、一番印象に残ったのは、「南寺」かなあ。ただひたすら、真っ暗闇のお堂の中。10分位して目が慣れてくると、そこに浮かんでくるものは・・・

 っという南寺のお堂の中に入るための列が次の写真。この右側の壁の中が、真っ暗闇なんですが。。安藤忠雄設計です。

 

 

 わかりやすいのは、「はいしゃ」さんかな。外観もさることながら、中も、大竹さんの遊び心いっぱい。でも、よく見てないと、???かもしれません。自由の女神が中にいらっしゃるのですが、その出身地も・・・

 

 

 こうやって7つの家プロジェクトを順に歩いていくうちに、いつのまにかこの島の住人の生活空間とどうかしたような、一周して本の場所に戻ってくると、なんとなくこの島の街が、自分の中にしっくり馴染んでくるような、そんな感じになってきます。この方のページの写真も、綺麗ですよ。

 あとは、いつか現地に行かれる機会が作れれば、是非、ご覧くださいませ。

 

3.地中美術館とベネッセハウス

 

 家プロジェクトとならぶ、もう一つの空間が、地中美術館など、現代アート空間と宿泊施設が一体化した「ベネッセハウス」です。

 入り口の外観は、普通にこんな感じですが、、

 

 

 

 中は、廊下が普通にこんな感じ。

 

 

 建物から建物へと移動する時にも、

 

 

 よく見ると、左手の薄暗くなってる壁の中には・・・

 

 

 こんな風な小窓があります。そしてふと外を眺めると、「おっちゃん」が新聞を読んでおり、、

 

 

 どんなんやろ、と思って、裏手に回ってみると、「おっちゃん」、こんな感じ。

 

 

 というわけで、既に宿泊施設の中からして、美術館。それが、シームレスに継ぎ目無く、本当のミュージアム棟へとつながっていく感じです。

 そして、宿泊施設が囲む湾の砂浜の真ん中には、港にあった赤カボチャに対して、草間弥生さんの黄カボチャが鎮座。

 

 

 

 湾全体を見ると、こんな感じです。

 

 

 この左手前側に、各種宿泊施設があり、正面右手奥に微かに見えているのが、もう一つの宿泊施設、パオです。

 

 そして、この写真を撮った坂道をどんどんと上がっていくと、宿泊施設内の美術館、ミュージアム棟にたどり着きます。ミュージアム棟内は撮影禁止ですので、ご紹介できませんが、いろいろ魅力的な展示がつまった空間です。中でも、300体以上の万歳している「ウルトラマン」に感動したとだけ、お伝えを。。

 

 更に、そのミュージアム棟から、なんとモノレールに乗って、更に山の上に向かいます(こちらの写真の出典は、先ほどご紹介したこのページです)。この「モノレール」、すごく急な勾配をゆっくりと登っていく8人がけの小さなモノレールで、しかも、角度の関係から、途中で二回も座席の角度自体が変わるという、元鉄っちゃんの自分としては、超感動(?)の一品でした。

 

 

 

 そして上がっていくと、そこにあるのが、VIP専用の宿泊施設。「オーバル」。 山のてっぺんをくりぬいたように、中庭が出来ていて、その周りを幾つかのVIP Roomが取り囲んでいる、という構成です。 

 

 

 

 各部屋からは、瀬戸内海が一望!

 

 

 ベランダの床と天井に切り取られて、生・瀬戸内海がそのまま「風景」として「美術品」に収まってる錯覚さえ、なくもありません。

 

 

 さて、宿泊施設と一体化した美術館を見終えると、今度は、「地中美術館」です。ここには、モネの「睡蓮」を自然光だけで鑑賞するために作られた、大きな部屋があります。もちろん、モネの睡蓮の方はご紹介できないのですが、そのためでしょうか、建物の入り口のアプローチまでの間に、綺麗な睡蓮の池があります。

 

 

 

 

 そんなこんなで癒されているうちに、山をくりぬいて作られた地中美術館に迷い込むわけですが、その中の様子は、写真には撮れませんので、公式サイトのこちらにお任せします。最初に出てくる写真が、地中美術館を上から見た風景、その次の写真が、本物のモネ。

 僕が一番印象に残ったのは、最後の写真の作品。ジェームス・タレルさんのオープン・フィールドという作品。どうしても言葉だけで限界があるものですから、は公式HPから写真を拝借しますと、一見、次の写真のように、会談の向こう側に、青い壁があるように見えます。しかし、この壁、向こう側の中に入れるんです。

 

 

 

 中にはいるとどうなるのかは、行ってみてのお楽しみですが、なんていうのか、SFで出てきそうな空間、角と奥のない、不思議な青い空間を体験したような気がしました。

 このタレルさん。新潟では、「光の家」というプロジェクトを手がけ、ここ直島では、安藤忠雄設計の地中美術館とのコラボを手がけていらっしゃいます。こういうアプローチも面白いですね。

 

 さて、地中美術館も、外へ出れば、瀬戸内海。気が付けば、フェリーがのんびりと航行していたりします。

 

 

 逆から見ると、例えば、ミュージアム棟(中央)とオーバル棟(左上)はこんな感じで見えているようですが、、

 

 

 なんとも、なんともな贅沢な空間でした。

 

4.感じたこと

 

 島自体が、三菱村と、住居空間と、アート空間の3つにセグメント化されていて、かつ、奇妙に調和がとれている(というか、きちんとそれぞれの生活に馴染んでいる)のが、印象的でしたが、しかし、やっぱり、印象に残ったのは、ベネッセハウスの安藤忠雄設計の空間でしょうか。

 

 その印象を一言で言うと、

 

           妙に「生活感のある贅沢」

 

 何とも不思議でした。

 

 ただ華美を訴えるわけでも、贅沢な生活を演出するだけでもない。ただ、なんとなく、アートと生活って、本来近いところにあるはずのものなんだ。そのことを、ふと思い出させてくれるような空間設計。

 また、そんな空間にいることが、砂漠化し、機能だけを追求しているかのような東京/大都市にはない、生活本来の癒し(といっても、相当の贅沢品ですが)を、思い出させてくれるように思います。

 

 あと、やっぱり瀬戸内は、良いですね。水軍の末裔としても、瀬戸内の今は気になるところではありますが、何より、瀬戸内海には、手つかずの「日本」が、まだそこかしこに残っている。そんな印象を強くして帰ってまいりました。瀬戸内国際芸術祭をきっかけに、集まる人、瀬戸内の魅力を知る人が増えると良いですね。

 

 というわけで、たまには、理屈だらけのエントリから、写真だらけのエントリも良いかなと。情報産業の未来図と直接とは関係ありませんが、関係しそうもなく思えるところがまた、大切な問題点なのかもしれませんね。

 ちまたが選挙で大騒ぎの時になんですが、僕から見た、直島点描、でした。

 

 しかし、「捩れる」のかあ・・・

 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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