お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

放送メタデータはオープンになるか

2003/09/11 10:18
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

mori

マイクロソフトやマッキンゼーで情報通信分野の戦略立案に携わってきた森祐治さんが、通信・放送業界やエレクトロニクス産業に関連した時事的トピックスについて、アカデミックな視点から分析していきます(このブログの更新は2004年4月9日で終了しました。続きは<a href="http://japan.cnet.com/column/mori/">コラムによる連載</a>をご覧下さい)。
ブログ管理

最近のエントリー

昨夜は怪しげな面子4名で、東京ドームのLaQuaのスパでまったり。おかげで、下記内容をpublishするのを忘れてしまった。なので、さかのぼったタイムスタンプでPublishしておこう

# しかし、いいね、Spa LaQua(http://www.laqua.jp)!

放送メタデータに関して書いたら、早速、CNETの御手洗さんからコメントをいただいた。実はレイヴ・マニアでオープンを前提とした社会基盤を信奉する氏だけでのことはある。メタデータもオープンな仕様になってほしいというコメントだった

放送メタデータのフォーマットは、昨年6月、総務省の情報通信審議会がARIB(電波産業会)に委託して作成されたと記憶している。XMLを使い、TVAnyTimeForumなどの国際標準と整合性を取っていくということになっている。すると、放送事業者と家電メーカーを中心としたメンバーが放送配信を前提として規格概要を策定したはずで、当然の如く、御手洗氏が望むような仕組みは直接には取入れられてはこない

このような仕様策定のプロセス自体がいいのかも議論の余地が大きいが、「放送のみでなく、通信でも利用される方式であることが望ましい」あるいは「今後、通信ネットワーク上のサービスやパッケージメディアによるサービスで利用される各種のコンテンツ識別情報の方式との整合を図ることが容易になるよう、適宜のコンテンツ識別情報の方式を利用可能とすることが適当である」といった程度にしか放送以外での利用については定めていない

また、「(第三者など)メタデータは、誰でも提供可能であることが望ましい」としていても「メタデータを利用して、コンテンツの権利者が望まない形でコンテンツを視聴することも可能であり、コンテンツの権利を保護する観点からは、メタデータ提供によるコンテンツ利用が無制限に行われるべきではない」といったように、ある線までは常識的ではあるが、詳細仕様策定という面で圧倒的に情報を提供する側にとってメリットがあるようになっているため、どの程度までオープンな展開ができるかどうかは不明だ

答申内容はこちら

いづれにしても、総務省審議会への答申内容では概要しかなく、具体的な技術仕様を詰める必要があるのは当然のことで、そこでどのような詳細が策定されるかが、本当は重要だ(小泉指針が、自民党の調整で骨抜きにされるのと同じことが起こりえるわけで・・・)

実際には、放送事業者が「望む」視聴方式がどういうものになるかによって、サーバ型放送の出来の良し悪しが決定されてくるだろう。また、運営上、番組の内容などを記したメタデータの作成には手間が結構かかる可能性があり、加えてその内容がどの程度充実するかによっても、かなりの差が出てくると思われる。また、当面では、通信との融合というのは、ARIBの方々があえて想定するとは考えにくく、実際には策定されない可能性が高い

もしいい形に出来あがれば、テレビという窓を用いた「経験のカット&ペースト」が可能になってくるはずだ

「経験のカット&ペースト」というと、なんだか映画「トータルリコール」あるいはその原典「追憶売ります」(P.K.ディック)のように聞こえるが、「経験の編集」というと少しはこなれた語感になるだろうか

前回、家電メーカーが提供するハードウェアによって、蓄積された放送番組とネット上のコンテンツを編成して、新たな付加価値を提供するサービスが地上波デジタル放送と高速インターネットの融合によって生じるのではないかと書いたが、そのカギとなるのが「経験の編集」をする事業であり、それこそが大きな付加価値を生む可能性があると考えている

もしも、放送という枠で、それもその特定のチャネルや番組という枠で考えると、経験の編集なんていうのがおこがましいレベルになるのは明らかだ。ゆえに、オープンな付加価値の高い視聴のためのシナリオデータ的なものが必要になるのだが、それが実現可能になるためには何が必要かを明らかにしないといけないだろう

同時に、その実現のためにどのような障害が存在するかも考えておきたい

そして、いったい誰がこの「経験の編集者」をやるのだろうか。どんなスキルやノウハウが必要で、実際の提供に際してはどんなキャパシティを用意しなければいけないかを、その次に考える必要もあるが、それは明日議論したい

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー