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Twitterから興った飲み会、ルイーダの酒場

2009/08/20 19:24
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松村太郎

携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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赤坂壌

 

 

 2009年8月19日、赤坂の立ち飲み屋「壌」にて、Twitter飲み会が開かれた。数ヶ月前からハッシュタグ「#twinomi」でTwitter上で展開されていたバーチャルなTwitter飲み会がリアルな場に場所を移して行われたのである。

 

 30〜40人ものTwitterユーザー(8割がiPhoneユーザーでもあった)でごった返した店内は、名刺交換ならぬフォロー交換が活発に起きた、なかなか不思議な感覚であった。モバイルな旅人が出会って分かれていくルイーだの酒場のようだった。

 

 まずTwitterのコンテクストを軽く紹介しておかなければならない。

 

 Twitterはつぶやきを共有するマイクロブログだ。「マイクロ」の意味は、2つ。140文字でタイトルもカテゴリーもない、非常にシンプルなマイクロコンテンツが情報単位になっている点、そして5秒〜5分というマイクロコンテンツの基本的な寿命が短い点が挙げられる。

 

 そして、相手の一連のつぶやき=タイムラインを購読する「フォロー」というSNSよりも緩いながら、Blogよりもはっきりとした読む、読まれるの関係性を結ぶ。Twitterにアクセスしたホーム画面には、自分のつぶやきとフォローしている人のつぶやきがミックスされた自分だけのタイムラインが出来上がり、情報収集やコミュニケーション手段として「秒刊メディア」を構築していく。

 

 そのタイムラインの中で、共通の話題を交わす記号が「ハッシュタグ」だ。例えば #iPhone というハッシュタグを付ければ、そのつぶやきがiPhoneに関連する物だと明示する事になる。先日行われたAR Commonsのようなイベント関連であれば #ARC2009 というタグ。検索機能と組み合わせると、自分がフォローしていない人も含めた同じ話題や同じイベントに関するタイムラインを見る事が出来るようになる。

 

赤坂壌 リアルTwitter飲み会はこのハッシュタグ「#twinomi」が数ヶ月前に発祥して爆発的に普及した事に端を発した。

 

 ハッシュタグが発祥したちょうど同時期に、缶チューハイのテレビコマーシャルで「ウェブ飲み会」という言葉が出ていた。同じ時間になるとチャットにログインして、一人暮らしの3人がしっとりとした雰囲気でお酒を飲む映像が流れていた。

 

 Twitterのタイムラインを見ながら一人酒をする風景から、Twitter飲み会というコンテクストもあり得るのではないか。こうして「#twinomi」というハッシュタグを付けて、何を飲み始めた、つまみは何だ、まだ会社で飲めない、などというコミュニケーションが始まった。

 

 帰宅してからの同じ夜の時間帯に、お酒を飲む、という状況を共有していれば、フォローなどの関係性も関係なく、「#twinomi」という文字列だけつぶやきに含めれば参加できる飲み会。まさにバーやパブがネット上に出現して、そこにふらっとやって来ては思い思いにお酒を飲んで、会話を交わして帰って行く。Twitterを始めたばかりのユーザーにとっては、酒場でTwitter友達(フォローする、されるの関係)を増やす場にもなっていった。

 

 そのリアル版が8月19日のリアルTwitter飲み会だったわけだ。

 

 場所が立ち飲み屋だった事もあって、Twitter上でヴァーチャルに交わされていた飲み会に近い。確かに、同じ時間にリアルな同じ場所に集まっているのだ。#twinomi タグに集まっていたものが、リアルな立ち飲み屋に場所が変わっただけで、ヴァーチャルからリアルへの転換にはストレスを感じなかった人が多かったのかもしれない。

 

 さらに面白かったのが、UstreamやTwitterを使って、映像と写真・ビデオ・テキストで#twinomiタグを付けた投稿をする事で、リアルな場にいない人たちとも飲み会を共有する試みをした事だ。調整するまで音割れがひどかったようだったが、テキストと生中継で、その場で何が起きているのかを覗きながらお酒を飲んでいた人もいたようだ。

 

 ヴァーチャルで興った事ををリアルで試す。ハッシュタグから発祥したヴァーチャルな飲み会をリアルで展開してみるオフ会はなかなかの成功を収めたのではないだろうか。しかしこれを日本全国の街中で行っているのが、ドラゴンクエストIXのすれ違い通信である。

 

 Twinomiの会場でもドラゴンクエストIXを刺したニンテンドーDSを持ってきている人が何人もいた。クリアした地図の交換が出来る仕組みで、地図がリアルな空間を介してバイラルに広まっていく。またキャラクターの配信などにも対応しており、お台場合衆国ではお笑い芸人命名のキャラクターが配信されるなど、盛り上がりを見せる。

 

 インターネットは何時でも、どこでもという情報手段として使ってきたはずだった。ところがTwitterでタイムラインを意識するようになり、#twinomiでは同じ時間とコンテクストを共有する手段として使われている。ドラゴンクエストIXの地図交換やキャラクター配信も、ゲームを持っている人ならどこでも・誰でも、ではなく、今ここにいる人だけ、そこにいる人同士で、というリアルな空間と時間でのコミュニケーションがゲームに取り込まれて、面白い要素として楽しまれている。

 

 どこか、ネット、特にモバイルメディアの側面として、時間と場所に縛られたコミュニケーションという領域がもっと楽しまれても良いのではないか、その目がウェブサービスであったりゲームであったりで、再び試されて注目されつつあるように感じる。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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