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CNET Japan ブログ

iPhoneとケータイ・スタンダード

2008/06/11 15:41
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松村太郎

携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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 iPhone関連のニュースが引き続きCNET Japanにもリリースされているし、僕は答えていないけれど、CNET JapanのパネルディスカッションにもiPhoneの日本に向けてのインパクトについて書かれている。僕は引き続き、iPhone発売の7月11日まで、精力的に取材やインタビューをしながら、iPhoneと日本のケータイについて発信したいと思う。このBlogはもちろん、音声キャストも考えています。

まず言いたいことは「iPodの教訓を忘れるな」ということ。

 日本でのiPhoneの普及について、個別の機能の有無で「流行らない、ウケない」という指摘は数多く見られるし、僕も細かい点では「難しそうだな」と思う点も多々ある。しかしiPodの時のことを忘れてはならない。iPodもウォークマン、MD全盛の時代に同じような指摘がなされていて、これをひっくり返してAppleも企業として息を吹き返した。

 詳しくは述べないけれど、その時見くびっていなければ、駆逐されるどころか、うまく連携してビジネスができたはずだ。特にiPhoneについては、その「うまく連携してビジネスができる」要素をiPod以上に含んでいるプロダクトである --- 企業のイントラネットへの対応やApp Storeの柔軟さにその一端が見られている。

iPhoneの半分は日本から生まれた 

  僕のポジションとして、僕は日本のケータイが大好きだし、愛しているし、その取材を進めてきた。その一方でMacについても同様の愛を注いできた。その結晶としてiPhoneが出てきて、 それが日本をおそおうとしている、と見れば、心が痛む部分もあるが、やはりここは、ポジティブに受け入れて、どう共存し、あるいはどう優位性を保持するかを考えるべきだと思う。

 両方追いかけている僕からすると、今回の3G iPhoneは相当日本のケータイビジネスを良く研究しているな、という印象が強い。特にAppというアプリ販売のプラットホームも、課金とオープンを一手に引き受ける「App Store」という「ゲートウエイ」を用意して、端末のある部分をオープンにしつつ、ある部分はクローズドに収益化しようとしている点。

 あるいは衝撃的な価格の裏に、端末価格をキャリアに転嫁して回収するビジネスモデルは、日本のキャリアと販売店の間にある販売奨励金を少し整理して、ユーザーの初期負担を減らす枠組みを作っただけだ。

 実は、iPhoneは日本のケータイ市場をかなりよく見て組まれた「ビジネススキーム」であり、後発だからこそのシンプルさ(これはSoftBankが今成功している要素ですね)と、Appleというブランドと製品力を振りかざすことで、結果を出そうとしているように見える。

ユーザーはどうiPhoneを受け入れるか?

 一方、日本の現状のケータイユーザーが、おいそれと乗り換えら得るモノだろうか。

 これについては僕も懐疑的だ。

 例えば、ケータイメールはどうなるのか? おサイフケータイはどうなるのか? 絵文字は?写メールは?デコメールは? 着うたは? そもそも、アドレス帳をコピーできるのか? 過去に受信したメールはどうなるのか? MicroSDにためたケータイマンガは? 不安点は数え切れない。

 このようにメインのケータイ端末をiPhoneにリプレイスする仕様と思うと、非常に多くの、これまで染みついたケータイがあるライフスタイルの大部分を見直す必要がある。ビジネスでの活用以上に、個人がライフスタイルの中で、iPhoneをどのように受け入れていくのか、という点が重要なのだ。冒頭のiPodの経験が免罪符になるかどうか、判断が割れている理由でもあろう。

 ユーザーの接点となるこれらのサービスについては、iPhoneそのものの機能と日本のケータイのスタンダードの比較、という視点で、このBlogでフォローしていく予定だ。 

合点がいくSoftBankによる獲得

 幸いなことに、日本には「デュアルホルダー」という市場が育ちつつあり、$199、$299という価格帯は、デュアルホルダーに対するキラー端末になりそうで、その市場を「ホワイトプラン」で狙ってきたSoftBankがiPhoneを販売することにも合点がいく。

 1人2台を買って家族割引を組み、家族や恋人との24時間無料のホットラインを作る。SoftBankショップの店頭ですら、こんな使い方を勧めていたSoftBankである。データ通信を使いたくなるiPhoneを獲得することは、これまで2台で1960円/月しか取れていなかったデュアルホルダーから、約10000円/月(ホワイトプラン980円+パケット定額の上限約4000円の合計の2人分)取れることになる。

 Appleにある程度の金額を払ったとしても、新たな収入源をiPhoneのいいブランドイメージで獲得できるなら、サインしない手はない。また長らく続けてきた販売奨励金のモデルをやっとの事で崩したdocomoにとっては、難しい話であり判断になったのだろう。

隠し球として持つ新しい価値 

 これまで、日本の既存のケータイのビジネスやライフスタイルとiPhoneとの比較について考えてきたが、このエントリーで触れていなかったのがiPhoneが持つ新しい価値。これまでの初代iPhoneは、インターネットコミュニケーターという側面と優れたタッチパネルによるオペレーションという2つの「新しい価値」があった。

 では今回のiPhone 3Gが持つ「新しい価値」とはなんだろう? このあたりも発売までに考えていきましょう。 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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