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情報に直接触る初体験 - iPhone Party (2)

2007/07/24 23:12
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松村太郎

携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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 日本でiPhoneが20台集まったiPhone Party。視界にiPhoneが入らない瞬間はないその場で、自分も触らせてもらいながら、既に数週間使い込んでいるiPhoneホルダーの方々にお話を伺うことが出来た機会だった。ちなみにパーティーがスタートしたときから気になっていた1台の新品iPhoneの箱。会の最後に、24人中4人のiPhoneを持っていない参加者の間で購入権をかけてジャンケンをしたのだが、ジャンケンの弱い僕はあえなく敗退…。

 iPhoneに関する話題の続きを。

優秀なカメラ付きフォトビューワー

iPhone Party 2007.07.19 at Iwamotocho #22

 iPhoneのカメラ回りの機能はとても充実している。もちろん日本のケータイのようにオートフォーカス付き3.2メガピクセルのカメラユニットだとか、手ぶれ補正だとか、モバイルライトといったモノは搭載されていない、2メガピクセルのカメラではあるが、撮影して保存された写真の扱いはこれまでのケータイとは一線を画す。

 Macを購入するとはじめから入っているアプリケーションにiPhotoという画像管理ソフトがある。デジタルカメラやメモリカードから写真やデジカメムービーを読み取り、保存しておくツールだ。iPhoneのカメラ機能は、簡単なデジタルカメラと画像管理ソフトが一体となった使い勝手を提供してくれる。

 日本においてはカメラ付きが当たり前のケータイ事情、カメラと撮影画像の閲覧は当然こなすことが出来る機能だ。さらにはスタンプをつけたり、画像合成をしたり、音声をつけたり、iPhone以上に強力な画像編集の機能を備えている端末がほとんどである。写真を撮って多彩に楽しむこと、これは日本のケータイがいち早くカメラ付きとして普及したアドバンテージである。

 しかしカメラ機能とデータフォルダの連動性や、(対応する機能が少ないものの)フォトアルバムから別の機能へ写真を送る際のわかりやすさはiPhoneが上。そしてなにより、大きな画面で見る写真の迫力と、目的の写真にたどり着くまでの、フォトアルバム上で写真をめくる閲覧動作が楽しい。見ることが楽しい有中名フォトビューワーなのだ。だからこそ、日本のユーザーなら、付属のカメラがもう少し高性能だったら、と望んでしまうところだ。

iPhone Party 2007.07.19 at Iwamotocho #29

 ちなみにiPhoneからFlickrへ写真を投稿する動作も「意外と知られていないけれど、簡単」と紹介してくれた方がいた。あらかじめFlickrへメールで投稿する設定をする必要があるが、写真を撮ったり表示したりして、メニューを出して「メールで送信」を選び、宛先にFlickrを入れるだけで済む。

 当たり前の動作のようだが、カメラ機能から新規作成メールに写真が受け渡される際、写真が一度縮小されて黒い空間を通り、その下に新規メールの白紙が滑り込んできて写真が貼り付けられる、という動作を見せてくれる。送った写真に対する相手の反応は大切だ。しかしそれ以前に、写真を送るだけで自分がワクワクしてしまうとは。

iPhoneは“1カリオストロ”

 iPodから派生したiPhoneだけに、メディア再生機能は欠かすことが出来ないポイントでもある。日本でケータイとして利用できないiPhoneについて、日本国内にいるユーザーは何をしているか? 1つはリッチな動画を楽しめるiPodとしての利用だった。つまりあの場にいた人たちは、日本国内にいる間は、iPhoneのiPod性を存分に楽しんでいるユーザーなのかもしれない。

 ビデオに対応するiPodでは今までも映像を持ち運ぶ事が出来た。日米のAppleのウェブサイトからダウンロードできる豊富な映画予告編の数々やビデオPodcast、iTunes Storeで配信されるミュージックビデオを持ち歩くことが出来る。僕もiPodの中にせっせと映像をため込んでいるが、音楽を選ぶようにしてテレビの中のモノであったはずの映像を選べる感覚はとても気持ちが良い。ワンセグでテレビが見られるのとはちょっと違うのだが、それはまた別の機会に。

iPhone Party 2007.07.19 at Iwamotocho #13

 これまでのビデオに対応したiPodはビデオ対応以前のiPodと同じ、上半分に画面、下半分にクリックホイールというスタイル。2.5インチのディスプレイでも動画を持ち運ぶ楽しみは存分に味わえる。しかしiPhoneのディスプレイは3.5インチまで拡大された。端末の面全てで再生されるiPhoneでの動画視聴はとても迫力があった。iPhoneのYouTubeへの対応がリリース直前に出てきたが、「ネットにつながる画面」がYouTubeの動画を再生できない方が不自然だと思うくらいである。

 動画を見られる時間は「1〜2カリオストロ」だという話だった。“カリオストロ”とは映画『ルパン三世 カリオストロの城』の事。この作品は約1時間40分だった。ということは、動画の連続視聴では2時間〜3時間半といったところだろうか。カタログ値の7時間にはなかなか届かないそうだ。YouTubeを視聴する時は当然Wi-FiをONにしていなければならないので、その分の視聴時間も短くなってしまう。

 とはいえYouTubeの動画は10分以内と短いので、YouTubeビューワーとして遜色ない。少なくともこれまでのケータイの使い方の場合、隙間時間に楽しむため、そこまで連続再生をする必要はないのかも知れない。iTunesやiPodと同じように、前回再生を終了した部分からリスタートできるので、頭出しが面倒と言うこともない。え? 映画を途切れ途切れで見たくないって? それ以上に、iPhoneの画面で好きな映画を持ち歩くのはエキサイティングだと感じていますよ。

情報や音楽に指で直接触れる、初めての体験

iPhone Party 2007.07.19 at Iwamotocho #12

 iPhoneで再生できるのは当然ビデオだけでなく、音楽も再生できる。画面に表示されるボタンを押しながらオペレートする事が出来るのでクリックホイールはもういらないな、と思わされたのだが、曲目リストを上へ下へ送る動作もまた気持ちが良い。さらにiPhoneをヨコに倒すとアルバムのジャケットが並ぶCover Flow表示へ移行するが、指でなぞって自分のCDラックからCDを見つけ出すその動作が、手の平の端末の中で行われる。

 前述したSafariやGoogle Maps、写真のナビゲーションもそうだ。引き延ばしたり指でつまんだりすることで、ウェブページや地図、撮影した写真が拡大・縮小される。Google Mapsの衛星写真でこの拡大縮小をし始めると、遊び終わるのにゆうに5分はかかってしまった。端末を傾ければ、写真の縦横が入れ替わって、最適な画角(画面いっぱいの表示)で写真を楽しむことが出来る。写真をなぞれば、ペラットめくることが出来る。

 iPhone Partyにも参加されていた南さんはこう表現している。

「iPhoneで「Web に指で触る」機会が増えた、という事。Web との触れ合いはこれまで、PC ならマウス、携帯ならボタン、PDA ならスタイラスと、何らかのデバイスを介してのお付き合いだったが、iPhone により、「Web に直接触れる」とでも表現したくなる<略>様な、新しいネット体験が生まれたのである。

 これは電話のことを抜きにすれば、iPhoneは中に入っている情報を表示させる部分が実に広く取られているデバイスなんだけれど、そこにタッチスクリーンのインターフェイスを組み合わせることによって、「情報に直接指で触れる」感覚を作り出している、という感想である。表示装置でありながら、中身を「触れる」カタチで可視化している。身の回りにある電子的な情報に触れる、それに類する感覚を得られる経験が、こんなに身近にあっただろうか。

 少なくとも僕にとっては、このインターフェイスは初めての体験であった。これを触ってしまうと、普段のノートPCのスクリーンやタッチパッドなどでも、指を2本使ったり、指でピンとはねて画面上のものを動かしたくなってしまう。一度触ってしまうと、他で何故出来ないのだろう、と今まであまり不満に思わなかったコンピューティングについて考え始めてしまう、キーボードによる文字入力を除いては。

iPhone Party 2007.07.19 at Iwamotocho #48

 iPhoneは魅力を放っている。実際に触ってこれは革新するところだ。しかし現段階で日本にいる限りでは、まだまだ決定的に何かを変えるモノではないのかも知れない。手に入れるまでのコストやハードルが高いし、とにかく日本では使えない。しかしながら20台のiPhoneに触りながら時間を過ごすと、パーティーが終わる頃に会場は「これが完成系? まだまだ行けるでしょう?」という欲という名の期待感で満たされていたから不思議なものだ。

 色々想像はふくらむ。

・Wi-FiやBluetoothを使ってiPhone同士がコミュニケートできたら
 (セキュリティの関係で縛ってあるようですが)
・iChatとの間でテレビ電話(ビデオチャット)が可能になったら
・iPhoneのiPod機能がiTunes Storeへのアクセスに対応したら
・一眼レフカメラからiPhoneに写真を入れて閲覧したりメール送信できたら
・ビデオ撮影が出来たら
・iPhoneネイティブのSNSやBlogエディタが搭載されたら

このあたりにしておこうと思うけれど、いくつかの機能については、iPhoneで開発できるウェブベースのアプリによって実現できそうだ、というところもまたiPhoneらしさとしてこれから現れてくることは間違いない。とても興奮して家路に就いたわけだけれど、とにかく、未来のケータイの1つの方向性を考えていく上での、大変大きな参考になったパーティーだった。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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