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店舗や電子マネーブランドの選択、ユニバーサル性への変化 - おサイフケータイで生活できるか? (2)

2007/07/18 16:33
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松村太郎

携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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 現金に頼らない生活をする、という実験の中で変化したことと言えば、店の選び方だった。東京都内でも、クレジットカードや電子マネーが利用できる店、利用できない店には差がある。買い物をする、しないという生活は変えない、しかし現金は使わない、と言う条件を付けた場合、当然ながらクレジットカードや電子マネーが使えるお店を選ぶようになる。当たり前の話ではあるが、今まで気にしたことがない選択を迫られることになった。 例えばコーヒーチェーンの場合。200円〜300円のコーヒーですら現金を使わないのか、と思われるかもしれないが、ここは徹底してみる。街中のスターバックスはクレジットカード決済が可能だが、タリーズやドトールではクレジット払いが出来ない。そこで現金を持ち歩かない場合、スターバックスを選ぶようになる。個人的にはスターバックスよりもタリーズのラテの方がおいしいと思ったりするのだが、一応実験なので仕方ない。しかしショッピングビルなど、エリアでクレジットカードや電子マネーに対応している場合は、その限りでないことにも気付いた。 もちろん徹底できないパターンもある。地元のスーパーに関しては全滅だった。ちょっと足を伸ばせば大手スーパーがあったのだが、行動範囲が変わる、ということで実験の中ではNG。野菜や牛乳などの食料品やトイレットペーパーといった日用品はカードや電子マネーで買い物をすることが出来ない。この場合は現金を持って行かなければならなかった。 また、電子マネーをチョイスするとき、どの電子マネーのブランドを持てば一番便利か、という点も考えなければならなかった。繰り返すようだが生活を変えない、と言う前提でおサイフレスの生活をするので、電子マネーブランドを選んで引っ越す、と言うことはナシにしておこう。実験が進み、2005年頃の段階で無理矢理に電子マネーを使うシチュエーションを作ろうとしたとき、電子マネーのブランド決定は生活エリア内での電子マネーの普及状況によるところが大きかった。 1つの要素はコンビニであった。コンビニは他の流通系に比べていち早く電子マネーを取り入れているお店だったし、僕も利用する頻度が高いためだ。2005年当時で、もし地元の駅前にam/pmがあればEdyを選ばなければならなかったし、もしファミリーマートが駅前にあったり、駅がJR線の駅だとすればSuicaを選ぶことになった。僕はJR線沿線に住んでいるわけではなかったが、ファミリーマートが駅前にあったので、Suicaを主たる電子マネーのブランドに選ぶことになる。 駅やオフィスに隣接する商業施設でどの電子マネーが利用可能か、といった生活圏内での電子マネー普及率が大きく関係していたのは、これは電子マネーが普及していく仮定でエリアが限られていたため、利用できる範囲が決められた地域通貨的な側面を表しているかもしれない。Edyの大学キャンパス内に普及させて学生への利便性を訴求したり、九州・沖縄での普及実験はまさにローカルなエリアに特化した普及のモデルを作った。 例えば慶應大学のSFCでは生協から学生食堂に至るまで、学生が日頃利用する店舗にEdyを導入している。ANAカードのマイルをポイントサービスとして組み合わせたことで、利便性とお得感を出して提案した。20分しかない短い昼休みに生協にいると、Edyを利用する際の例の音「シャリーン」がひっきりなしに鳴り響く様子はとても印象的だった。 またSuicaの駅ナカ戦略は、JR線を利用するときに必要なSuicaの強みを生かして、JRの駅というローカルな(しかし数珠繋ぎされている)エリアでの利便性を高める方向性を打ち出し、Edyがローカル性の中で提案していく様子と共通している。それもこれも、これまで電子マネーが、1つの店舗で1つの電子マネーの利用に起きていたローカル性だったのだろう。利用する店舗と電子マネー、持っている電子マネーと利用する店舗の排他的な選択性が強かった。電子マネーは換金できず、他の電子マネーのブランドで利用することも、合算して決済することも出来ないからだ。 しかし昨今は違う流れが出てきた。 Suicaにいち早く対応したファミリーマートもEdyが利用できるようになったし、Edyに真っ先に対応したam/pmでも東急電鉄と提携してPASMO/Suicaに対応するようになることが決まっている。端末側の対応によって、複数の電子マネーブランドに対応する動きはコンビニ以外の店舗にも広がっている。 ブランドのユニバーサル化が進み、おサイフケータイに電子マネーを納めることで、複数のブランドの電子マネーを持っていても財布が厚くなることはないし、レジで財布の中から注意深く利用できるICカードを選んで取り出すことなく、ケータイをかざすだけで済むようになってくると、電子マネー全体の利便性が高まってくる。 エリアや対応状況によるローカル性からの生じる選択から、電子マネーのユニバーサルな対応へと移行しつつあるのが現在だ。その流れの中で別の要素が、主として使う電子マネーのブランド決定に関係してくるだろう。それはポイントサービスなのか、さらに別の利便性やお得感なのか。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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