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10年前の理想のケータイ - 電話帳 編

2006/12/19 13:45
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松村太郎

携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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 インターフェイスにはケータイのプロトタイプに、インターフェイスのイメージを重ねてみることが出来る。では電話帳やメールはどうだろうか? 僕の10年前の電話帳やメールのイメージは、前回触れたとおり、サーバの上に保管され続けていて、ケータイからもPCからもアクセスしたり編集したり出来るようになっている単一のアカウント、というものである。

 「電話帳やメール」と書いてしまったが、ケータイにとっての電話帳はコミュニケーションを自分から起こす際の起点となるツールであり、登録されている番号に電話をかけたり、登録されているメールアドレスに新規作成でメールを送ったりする。

 誰かが新規作成しなければならないはずではあるが、受信したメールからそのまま継続して時には頻繁に、時には数日から数週間のインターバルを経て、「返信」で繰り返されるコミュニケーションが多いことも確かだ。すると電話帳が登場するチャンスはそこまで多いわけではなく、コミュニケーションが継続している、そんな関係性がメールボックスの受信メールと返信したことを表すマークで表現される。

 こういった現状をうまくまとめた電話帳・メールのサービスは、当面GmailとGoogle Talkがお手本ではないか。メールとチャットをうまく融合していて、チャットの返信をメールで、メールの返信をチャットで、ボイスメール(留守番電話)の返信をメールで返したり。1つのアカウントに対していくつかのコミュニケーション手段、アクションを適切に取れる起点としての電話帳の存在が確立されている、と僕はとらえている。

 これはWindows Live MessengerがデスクトップにあるWindows PCとも同じだし、iChatやJabber(Google Talk)のオンライン状況を表示してくれるMac OS XのMail.appでも同じことだ。しかしGmailとGoogle Talkのブラウザ内での連携は、1つのウェブブラウザの画面の中で展開されている点で、ディスプレイ装置がプアなケータイでも実現できそうだ、と言うイメージが沸いてくる。僕はブラウザの中で展開されるアプリケーションよりもデスクトップアプリケーションの方が無性に好きではあるけれど、それはそれである。

 さてGmailの話に戻る。メールを書こうとする電話帳にGoogle Talkのオンライン状況のステイタスが反映されている。そしてメールやチャットは、一連のスレッドという会話の単位にまとめられている。僕がMacで使っているMail.appやWindowsのOutlookやBecky!といったメールソフトにもこのスレッド機能が付いているので、目新しい機能ではない。MacやWindowsのメールクライアントでもGmailでも、このスレッドを使うと返信メールをまとめてくれるのだが、スレッド内に新しいメールが届いたら(つまり返信合戦をやっている相手から返信が来たら)、スレッド全体が受信メールのリストの中で最新のリストへと持ち上がってくる。

 以前アメリカのベンチャー企業とお仕事をさせて頂いたときに、アメリカ側のスタッフからこんなことを言われたことがある。「1日1往復はメールのやりとりがないと、どうしても不安になっちゃうんだ。進捗がなくてもよくて、むしろペットがどうしただとか、ランチがうまかっただとか、他愛もない話でも良いから、メールの返信スレッドが上に来ていないと、連絡というか関係性が切れてしまったような心配をしちゃうから」

 そんな彼らはメーリングリストをほぼ一切使わず、Ccでワークグループを作ってメールを送り始め、そこにリプライを付けながら1日中メールが飛び交うカタチで仕事を進める。メールの内容によっては、Ccの中身を巧みにコントロールして情報共有や調整をしていく。「Keep In Touch」とはよく言ったモノだが、これに「without tiny gap」を付けなければ、電子的なメディアでの関係性を証明することにはならない。この状況は、複数人に送るわけではないが、日本のケータイメールの状況、つまり返信合戦によるコミュニケーションに似ているな、と感じたわけだ。

 諸々ふまえてケータイの電話帳の話。果たしてこの「隙間なく連絡を取り続けましょう」という状況にどれだけ対応しているか、とふりかえったときに、やはりケータイの電話帳の機能は変化することなくどっしりと構えているなと思わされる。端末によってはコミュニケーションの履歴、つまり通話やメールの頻度を記録してくれる程度だろうか。

 ならばGmail・Google Talkネイティブなケータイが出来ればよいのではないか? これもまた、近いモノがSonyのmyloなのかもしれない。その考えの上で、明日はAppleから出てくる、と噂されているケータイについて考えてみたいと思う。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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