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今使っているケータイの、様々なしがらみ - MNP体験記(3)

2006/10/29 15:52
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松村太郎

携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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 今まで当たり前のように使ってきたケータイによる通信環境が急になくなるというのは「自分がそこまでケータイに依存していない」「生活の中心にケータイがない」と頭では思っていても、とても不安になるものだ。これは心理的なものだけでなく、すでに生活の身近なところにも降りてきている。水没させた6ヶ月目のSO902iを目の前にして、無縁だと思っていたモバイルナンバーポータビリティー(MNP)に光を見いだすこととなった僕である。そして初めてケータイを持つときのような感覚を持って数ある端末から選んだのが、SoftBankのX01HTだったのだが。 X01HTは世界標準的なスマートフォンだ。同じWindows Mobile 5.0が入っていて現在使っているウィルコムのW-ZERO3[es]と比べると、申し訳ないけれどX01HTの方がモノとしての魅力にあふれ、入力インターフェイスもよりよいモノに仕上がっている。音声通話、テレビ電話、国際ローミング、フルブラウザ、POP/IMAPのメールアクセスなどはそつなくこなし、3Gハイスピード(HSDPA)での高速アクセスにも対応している。しかしながら、僕にとってX01HTを今まで通りのケータイ生活でメインの端末として使うことはできないだろう。 日本のケータイメールやYahoo!ケータイなどのコンテンツサービスに対応していないのだ。つまりケータイメールは使えなくなってしまう、ということだ。当然、おサイフケータイの機能などもない。 おサイフケータイについても大して使っていなければ見捨てても良いのかもしれない。しかし僕の場合、ANAのマイレージから交換したEdyと、モバイルSuicaを使っているし、おかげで財布の厚さを減らして財布に優しい生活を実解してきた。やっぱりおサイフケータイの便利さ、軽快さは一度使うと離れられなくなるモノだ。おサイフケータイの機能を見捨てると今日現在でも合計で15000円近くを葬り去ることにしてしまう。もちろんキャリアをまたいでおサイフケータイを移行することはできるが、SoftBankで気に入ったX01HTにはおサイフケータイがない。 見捨てられなかったのはそれだけではなかった。僕は着うただとかデコメール素材のコンテンツサービスはあまり使っていなかったが、ニュースと大好きな気象情報のコンテンツは取っていたし、時々ゲームもやっていた。 例えばニュースについて。普段読んでいる新聞と同じニュースサイトを購読し、見出しや記事の概要をケータイで見て、気になる記事は新聞の紙面で読む、という新聞とのつきあい方をしている。つまりニュースがプッシュされてきて、気になるモノをより分けた上で新聞を読みに行く、というスタイルにに慣れてしまっていたのだ。X01HTはウェブブラウジングが可能なので、もちろん無料で新聞社のサイトを閲覧すれば記事を読むことが可能だ。しかし自分で読みに行く、というアクションを起こさなければならず、プッシュされてくる情報を見るのとは違う感覚になる。何より、号外がプッシュされてくることはないだろう。 気象情報のコンテンツは、僕の趣味にも通じるところだが、気象という場所だとか時間だとかが連続的に変化する現象とケータイとの関係性は、研究の興味が向いているところでもあり、いつもアイディアの源になっていたりする。これもまた、雨雲が発生して近づいてきたり、地震が起きたり、台風が生まれたりといった気象イベントに応じてメールがプッシュされてくる環境には魅力を感じるし、地球の上で、また日本の四季の中で生きている感覚を存分に楽しむことができる。 インターネットに慣れ親しんでいると、情報をプルで取りに行く機会が圧倒的に多い僕であっても、ケータイのプッシュ型の情報にお世話になっている、という気づきがあった。しかしMNPを適用すると、これらのサービスからはいったん引きはがされる。ほとんどのコンテンツプロバイダがMNP先のケータイ会社でも同様のサービスを展開しているので、再び契約すればいいのだが、特にプッシュ型サービスの場合は自分に合わせた細かい設定を再びやらなければならなくなる。 またゲームについても同様だ。最近はセーブデータをサーバに保管する形式でサービスを提供しているソフトもある。僕が懐かしくて10月だけやっていた「ドラゴンクエスト 不思議のダンジョン」もその形式で提供されていた(スーパーファミコンでやっていた「トルネコの大冒険」がどうしても懐かしくなっちゃったんです)。ゲームや占いなど、一部のサービスはケータイ会社を変更しても、設定した情報や蓄積したポイントを引き継ぐことができるモノもある。しかし僕が選んだX01HTは、ケータイのコンテンツサービスにもアプリにも対応していない。 継続利用期間だとか、そのキャンセル料だとか、家族間での割引だとか、そういった利用料金に直結する部分でのしがらみを、キャリアは十分に用意してMNP導入に望んでいるはずである。一方でユーザー側からすると、現在の情報環境そのものであるニュース・ゲーム・着うたなどのコンテンツサービス、料金プランへの理解、サービスの使い勝手、メールサービスの仕様や絵文字の種類とデザイン、コンテンツサービスのアクセス方法、ある程度統一感のある端末メニューの癖に至るまで、ケータイを毎日充電して持ち歩いているからこそのケータイとともにある生活ペースというものがある。 MNPはケータイ会社にとってさらなる競争時代の幕開けであるとともに、ユーザーサイドにとって見れば、(ちょっと大げさだけれども)自分が今まで過ごしてきたライフスタイル、これにメスを入れることにもなりかねない。気軽に取り組もうと望んでいたMNPだったが、一番大きなしがらみは、自分のライフスタイルであったとは、まさに予想外であった。・ケータイ時代のスタンダード: MNP体験記

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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