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日本はケータイ(利用)先進国ではなくなったかもしれない

2006/07/24 13:16
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松村太郎

携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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 取材と休暇をかねて、アメリカに旅行してきた。インディアナポリス、シカゴ、ニューヨーク、ナイアガラとツアーしてきたんだけれども、ケータイに関して、とても気になることがあった。電車の中でのビジネスパーソン、自宅にいるティーネイジャー、街中を行き交う人たち、空港の旅行客、観光地での行動など、ついついケータイを観察するクセを発揮してしまったけれど、今回は割とショックを受けた。日本はケータイを利用するライフスタイルにおいて、アメリカに突き放されてしまったのではないか、ということである。

 ここ5〜6年、アメリカには東海岸を中心に毎年必ず訪れている。その折に感じていたことは、ケータイに関して、やはり日本の方が進んでいるなという「確認」とも言えるような印象だった。電車の中でケータイが鳴ってもその着信音(リングトーン)はクラシカルな電子音だし、端末はモノクロのモノを使っている人が多かったり、カメラ付きはマレだったり。メールよりは通話ばかりしている電話するアメリカのケータイ事情。

 きちんとした調査や新製品の発表具合では日本に引けをとらないラインアップがなされているようだが、生活に密着したレベルで観察していると、日本のケータイ事情とはかなり異なり、遅れているな、感じずにはいられなかった。一方で家庭やオフィスで1日中交わされるe-mailやインスタントメッセージング(IM)が、日本のケータイメールと同じくらい交わされていたようである。このネットの存在は、後にケータイに戻ってくる。

 この「遅れているな」という生活感覚は、去年までの事情だったのかもしれない。今年アメリカを訪ねてみると、全くケータイ事情が様変わりしていたのだ。電車の中で鳴る着信音は日本で言うところの着うた(Real Ring Toneなんて言われていたりします)ばかりだし、通話の比率は相変わらず高いけれど、ビジネスパーソンはBlackBerry端末で、ワカモノはSideKick(これはT-Mobileから出ている端末の名前なんだけれども、別のエントリーで詳しく触れます)と呼ばれるフルキーボードを搭載した端末でひっきりなしにメールを打つ。

 ナイアガラの滝のような観光地では、デジタルカメラで景色の写真を撮り、カメラ付きケータイでは人を入れた記念写真(証拠写真になるのかもしれません)をもう1枚撮影する。あるいは滝の様子をケータイのムービーで納めている様子も見られた。そしてそれにメッセージをつけてすぐにe-mailで誰かに送ってみたり。そういえばNokiaのLifeBlogが各種Blogサービスとの連携ができたり、FlickrやYouTubeへのアップロードだってできる。

 そういう光景にショックを受けたのだ。今まで別々に動いてきたようなケータイとインターネットの世界が、満を持してというべきか、この1年で生活レベルにおいて急激に融合を進めているように見えてきたのだ。「もはや日本はケータイ先進国ではない」そういう衝撃を突きつけられた格好だ。ニュースでは伝わってきた新しいサービスが、2005年から2006年で一気に広がったところに、何か日本のサービスの普及と違う雰囲気を感じたのだ。

 冷静に考えればコンテンツビジネスやおサイフケータイなどの生活ツールとしてのケータイのソリューションは、やはり日本の方が進んでいる。しかし活発に変化しものすごいスピードで新しいモノが生み出されているアメリカのインターネットサービス群から、Web2.0の風をダイレクトに受けているのがアメリカのケータイという姿を考えると、日本のケータイのキャリア主導にもっさりとしている印象を感じざるを得ない。

 日本とアメリカのどちらが進んでいるか、ということを決めたいわけではないし、どちらが良いかという判断をしたいわけではない。ただアメリカのケータイ事情は、去年のそれに比べて劇的な変化が自然に定着している、そのパワフルさが印象的だったのだ。まだ表面的な話でしかないけれど、少なくとも今まであまり興味を持てなかったアメリカのケータイに、今は興味津々なのだ。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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