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ケータイっ子を誰が守る? - こどもとケータイ特集

2006/07/10 21:42
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松村太郎

携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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 GPSなどの位置情報機能やアラーム機能がついたケータイは各社から発売されている。ウィルコムも、WILLCOM SIM STYLEを活用したこども向け端末をリリースした。こどもたちが進んで持ちたいと求めているモノというよりは、子を気遣う親が持たせているパターンがほぼ全てであるという話を、慶應義塾大学でケータイとこどもの関係を研究している天笠さん、叶多さんから伺った。これでこどもの安全と親の安心は確保されたのだろうか? 前回、ケータイを持っているこどもとケータイを持っていないこどもと比較すると、ケータイを持っているこどもの方が電車やバスなどの交通機関を使ってより広い行動範囲を持っている点を指摘した。ケータイがないこどもは、一人の場合、僕が小学生時代を過ごした1990年前後と同様に、自宅や学校の周りの公園やスポーツ施設で遊ぶことが多く、足を伸ばしたとしても学区域内にある友人の家がせいぜいだそうだ。 「もし、こどものケータイから親のケータイにアラームがなったらどうしますか?」(天笠さん) こんな問いかけをされた。こどものケータイには引っ張るとブザーが鳴り、親のケータイなどの登録されている宛先に緊急通報のメールが位置情報付きで届けられる、という機能がある。つまりそのメールを受信すれば、こどもの身に何らかの危険があったことを、瞬時にしかも正確な位置情報とともに知ることが出来るという仕組みになっているはずである。そこでさらに天笠さんは「それならば、どうする?」と問いかける。 「当然助けにいくべき状況だと思われるのですが、果たしてそれが可能でしょうか。こどもにケータイを持たせている親が共働きのことも多いし、そう出なくても必ず家にいる訳でもありません。またもし家にいたとしても、こどもの行動範囲が広いので、すぐに駆けつけることが可能かと言われると、なかなか難しいのではないでしょうか」(天笠さん) 「それに加えてケータイの中で起きているコミュニケーションについて、一番身近な親や先生も察知することが難しい現状では、もしブザーが鳴ったり場所が知らされても、一体そこで何が起きているのかを正確に知ることにはつながらず、ケータイを持たせているからこどもは安全、親は安心、というわけにはいかないのです」(叶多さん) ただケータイと言うモノを持たせるだけでは不十分である、という見解である。確かにケータイがなかった頃の学区域の問題を考えてみると、地域でこどもを守る、育てるというコンセプトがどこかにあったはずだ。しかしこどもがケータイを持つことでその枠が取り払われて、地域間のサービスや連携が聞かない領域に置かれるようになったと言える。 小学生の頃から今に至るまで、うちの家族では「もし大震災などの災害が起きたときに、あの公園に避難してそこで会うようにする」という約束をしている。自治体が指定している広域避難施設に相当する場所の中にその家族の集合場所を設定して、バラバラになってもそこを目指すようにするのだ。ケータイによる安心・安全の機能が提供されたとしても、そのシステムをどのように活用するか、という家族内での取り決め・約束事といった運用方法が求められているように思われる。これはケータイがまだ提供してくれていない領域だ。 例えば普段は家族全員がケータイを持っていれば、連絡を取り合いながら時間を合わせて駅の近くのレストランに集合して夕食を食べる、なんて言う芸当も自然だ。しかし災害時となると、ケータイのトラフィックはしぼられ、思うように連絡を取り合うことが出来ない。そういった場合のための災害時伝言サービスもまた、普段から家族内で運用方法を決めておかなければ、いざというときには使いこなせないのではないか。 僕が小学生の頃、「ひなんくんれん(避難訓練)」を頻繁に行っていたのを思い出す。「おかしの約束」というフレーズも覚えている。押さない、駆けない、喋らない、の事である。今考えると、これらの訓練というのはとても重要な事だったのだ。もしこどもにケータイを持たせる際には、家族内でケータイに対応した「おかしの約束」を作ってみてはどうだろう。・ケータイ時代のスタンダード: こどもとケータイ特集

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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