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地球環境グローバルサミット

2008/11/21 14:24
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 11月19日と20日に、早稲田大学の大隈講堂で、地球環境グローバルサミット2008というイベントが行われました。基調講演は、映画「不都合な真実」で有名なアル・ゴア元米国副大統領と、ノーベル・チャリタブル・トラスト財団会長のマイケル・ノーベル氏でした。他にも多くの企業の方のパネルディスカッションがあり、また早稲田大学の学生を交えた討論があり、有意義な2日間でした。私もいくつかのセッションにパネリストとして参加する機会をいただきました。

アル・ゴア氏の基調講演は、まさに「不都合な真実」そのものの内容でした。ですから、温暖化問題に関心のある人であれば、比較的良く知っている内容ではあったと思いますが、氏の生のプレゼンテーションはやはり大変迫力あるものでした。演台で話すのではなく、大きなステージを端から端まで歩き回りながら、スクリーンを見上げることもなく情熱を持って語りかける姿には、大変感動しました。終わって、当然スタンディングオベーションだと思って立ち上がりかけたら、私だけだったので、思わずまた座ってしまいましたが、そういえば、日本ではあまりスタンディングオベーションという習慣が無いのですよね。。。

主な内容は「不都合な真実」そのものでしたが、それでも、いくつか「なるほど」と思う、新しいメッセージがあったと思います。少なくとも、私にとっては新しいメッセージでした。それらを少しご紹介しましょう。

冒頭にアル・ゴア氏が述べたのは、金融危機についてです。現在の金融危機は未曾有のものであり、これから何が起きるか誰もが不安に思っています。しかし、アル・ゴア氏は、「『危機』という言葉は日本語では"Danger"と"Opportunity"と書くそうだ。確かに大きなDangerがあるが、同時に大きなOpportunityでもある。是非これをより大きな人類文明の脅威である気候変動の問題を解く、機会として捉えてほしい」と語っていました。具体的には、多くの国が経済刺激策として、大量の政府資金を投入しようとしていますが、それらをグリーンな投資に振り分けるべきだ、と訴えていました。確かにその通りだと思います。経済を刺激するのであれば、単にお金をばら撒くのではなく、目的を持ってやったらよいのではないでしょうか? アルフレッド・ノーベルの子孫である、マイケル・ノーベル博士は、彼の基調講演の中で、スペイン政府の取り組みとして、エネルギー効率の良い照明器具を無料で国民に配布する取り組みを紹介されていました。金融危機に対する政府の投資は、同時に温暖化対策への投資ともなり得るのではないでしょうか。

私が学んだもう一つの点は、地球環境へのインパクトは大まかに言えば、I=P*A*Tという公式で表される、ということです。1日目の後のセッションで、早稲田大学の原先生が具体的に紹介されていましたが、PはPopulation,すなわち人口、AはAffluenceで人々の贅沢志向、そして最後のTはTechnologyで、科学技術が環境に与えるインパクトです。温暖化問題は、技術だけでなく、非常に多くの複雑な要素が絡み合っているというのは認識していましたが、このように簡潔に表現したのを聞いたのは初めてです。これは非常に示唆に富んでいると思いました。いくら技術だけが頑張っても、人口の問題、人々が贅沢な生活を志向する問題を解かなければ、地球温暖化の問題は解けないということです。ちなみに、人口の問題に関しては、複雑な社会的な仕組みを考えることが必要なようです。アル・ゴア氏は、1)女性の教育、2)女性の地位向上、3)社会的に受け入れられる家族計画、4)乳幼児の死亡率の低減、を人口問題に対する解決策として挙げていました。女性云々の話は、ともすれば女性蔑視とも受け止められかねませんが、人口問題を考える上では必要不可欠なことのようです。

「不都合な真実」のプレゼンテーションの最後に、カエルのアニメーションがあるのをご存知でしょうか?熱いお湯にカエルを入れるとすぐに飛び出しますが、水にカエルを入れて徐々に暖めていくと、致命的な熱さになるまで気がつかずに死んでしまう。。。でもこのカエルは助かるんです。そのあたりは、「不都合な真実」を見ていただければ良いかと思いますが、まさに今私たちはこのカエルであり、周りで何が起きているかを知って対策を立てなければ滅びてしまう、ということを認識しなければならないと思います。

2日間のそれぞれの最後には、早稲田大学の学生との対話のセッションがありました。早稲田大学には複数の環境関係のサークルがあり、学生諸君がそれぞれに真剣にこの問題に取り組んでいることを知り、力づけられました。ただ、ちょっと気になったのは、「自分たちに今できることをやる」ことに力を注ぎすぎているのではないか、ということです。「自分たちに今できることをやる」のはもちろん重要なことで、やらねばなりません。それぞれの積み重ねが、温暖化問題をわずかでも改善していくはずです。しかし、本当にそれらの小さな積み重ねだけで温暖化問題が解けるでしょうか?温暖化の問題は大変大きな問題です。もしかしたら、月に到達するためにバベルの塔を建てていくような努力になっていないでしょうか? 私たちはしっかりしとした長期的ビジョンを持ち、その中で「今やるべきこと」をやる必要があるのではないか、と感じました。

学生諸君との対話を含めて、とても有意義な2日間でした。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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