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ベトナムへ行ってきました

2008/09/08 12:47
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先週はベトナムへ行ってきました。成田からはベトナム航空のボーイング777型機でおよそ4時間半でハノイに着きます。ベトナム航空のビジネスクラスはフライトアテンダントの方々もとても親切で快適でした。ハノイでは旧市街の中のメリア・ホテルというホテルに泊まりました。観光の時間はほとんどありませんでしたが、近くのホアン・キエム湖という湖まで散歩することができました。帰路はフライトの関係でホーチミン市で乗り継ぎの、夜行フライトでした。初めてのベトナムでしたが、ベトナムの人々のエネルギーに触れることができて、有益な3日間でした。

グローバルな市場へ

ベトナムは南北に長い国土を持ち、面積は約33万平方キロですので、約37万平方キロの日本の国土よりは少し狭い国です。人口も2005年当時で8,400万人程度といいいますから、やはり日本よりも少し少ないくらいでしょう。今回ベトナムへ行ったのは、IBMとベトナム科学技術省(MOST)が共同で行ったInnovation Summitという会議で、IBMのイノベーションに関わる2つの文書、Global Innovation OutlookとGlobal Technology Outlookについて講演をするためです。

IBMは今や世界の170を超える国と地域でビジネスをしています。そのうち50ヶ国で昨年の売り上げが10%以上成長しました。これらの50ヶ国にはいわゆるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)が入っているのはもちろん、それ以外の開発途上国の多くも、急成長している市場です。そしてもちろん、ベトナムもそれらの国々の一つです。これらの国々における成長なしに、IBM全体の成長はありえません。

一方、IBMのビジネスを支える根源的な価値の一つはお客様にイノベーションを届けるということです。イノベーションとは、私たちの定義によれば、技術によってビジネスのあり方や社会を変えていくことです。従って、IBMにとって技術、それもITは根源的価値を生むものであり、だからこそIBMには世界中に22万人を超える技術者集団を持っているのです。

しかし残念ながら、これら22万人の技術者集団は世界中に偏りなく配置されているわけではありません。IBMが基礎研究所や開発拠点を持っている国や地域である、米国、ヨーロッパ、日本、中国、インドなどには多くの技術者がいますが、それ以外の国にはあまり技術者がいません。たとえばベトナムには現在47名のIBM技術者しかいないのです。これらの国で、どのようにIBMの「イノベーション」に基づくビジネスを推進していったらよいのでしょうか?

ここで前回のブログで紹介した「グローバルに統合された企業(Globally Integrated Enterprise)」の考え方が出てくるのです。ベトナムでのイノベーションを推進するのに、ベトナムの技術者だけで行う必要はありません。個々の問題に対して、世界各国の技術者集団の中で、その問題をもっとも得意とする人あるいはチームが行えばよいのです。

私は東京基礎研究所の所長であると共に、IBM Distinguished Engineerというタイトルを持っていて、全世界22万人の技術者集団の中で、指導的な立場にいるグループの一人です。「グローバルに統合された企業」の中での私のミッションの一つは、これらの国へでかけていって、新しいIT技術やそれに基づくイノベーションの方向性を、お客様にお伝えすることなのです。そのことによって、ベトナムのお客様は、世界におけるIBM技術者集団のリーダーの一人から直接、IBMの考える技術とイノベーションの動向を聞くことができるのです。

ハノイの町

ベトナムに行かれた方はご存知だと思いますが、市内の交通事情は、私たちの目には大変なものに映ります。信じられないほど多くのオートバイが走っています。小さな、多分日本でいう50ccクラスのスクーターなのでしょうが、それに一家4人が乗っている姿も良く見ます。バイクを運転するお父さんの前にかかえられるようにして小さな子供、後席にはお母さん、両親にはさまれるようにしてもう一人の子供、という図です。その他にも自転車、歩行者が渾然一体として一見無秩序に道路を動き回っています。私の乗るタクシーの前にも突然オートバイや歩行者が横から飛び出してきます。逆に、タクシーの運転手は対向車を横切る左折(日本では右折にあたる)の際に、対向車の流れが途切れるのを待つことなくどんどん頭を突っ込んでいきます。よくもこんな中で事故が起きないものだ、と感心しました。「私はこの町では歩けない。道を横断できないからだ」と現地の人に言いましたら、「道を渡り始めたら決して止まってはいけない。周りのバイクやクルマはあなたを間違いなくよけてくれます」と言われました。おそらく、ベトナムのドライバーたちは、非常に動体視力がよく、何十ものクルマ、バイク、自転車、歩行者の動きを一瞬に判断できるのに違いありません。それに何より、他のドライバーの判断を信頼する、という文化があるに違いありません。3日間で限りない数のクルマやバイクを見たにもかかわらず、1回も事故の現場を見なかったということは、きっとこの信頼に基づく交通事情が、ある程度うまく働いていることを示しているのでしょう。

ベトナムの人は多くを語りませんが、ベトナムには他国から侵略された多くの歴史があるようです。古くは中国からの侵攻、近代になってフランス、第2次世界大戦中は日本、その後第1次、第2次インドシナ戦争があって、北ベトナム爆撃を含むアメリカの軍事介入があったのは覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?私を大学へ案内してくれたキエムさんという方も、北爆当時にハノイにいたということです。このような複雑な歴史を持っているにもかかわらず、ベトナムの人たちは外国人に対してとても寛容で、フレンドリーであるように思いました。特に、大学では、日本の大学に留学していた方も多く、日本語を話せる人が多い、という印象でした。

世界には67億の人がいるそうです。このように、新しい国へ行ってみると、世の中にはまだまだたくさんの人がいるのだ、ということを肌で実感できます。これらの人々といかに協調して、これからの豊かで永続性のある社会を作っていくか、私たちはまだまだ考えることがたくさんありそうです。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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