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CNET Japan ブログ

サステイナブルな社会

2008/08/01 11:40
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先週は米国出張に行ってきました。行きはどういうわけかビジネスクラスが満席で、ファーストクラスにアップグレードされました。ラッキーです。やはり12時間を超えるフライトで、シートが完全にフラットになるのはいいですね。アメリカン航空のファーストクラスは、しっかりフラットになるので良く眠れます。「食事はいかがですか」とか「デザートはいかがですか」とかいろいろ気を使ってくれるのは良いのですが、もう少しほっといてくれてもいいのでは、とも思います。サラダだって、いちいち「レタスとトマトにシーザードレッシングをかけて」、とか(全部英語で)言わなければなりませんし、ワインも「白」だけでなくて、シャルドネだか、ソーヴィニヨン・ブランとか指定しなければなりません。贅沢な悩みとは思いますが。。

今回の米国出張で感じたのは、環境、特に地球温暖化に対する意識の高まりです。この分野では日本が京都議定書で一時リーダーシップを取っていましたが、最近ではヨーロッパが戦略的に一歩先を行っているようです。今回の洞爺湖サミットで、やっと日本にもエンジンがかかってきたのではないでしょうか。日本アイ・ビー・エムでも大歳社長のリーダーシップのもと、6月に低炭素社会に向けてという宣言を発表しました。一方、日本では毎日のように省エネや温暖化がニュースに登場しますが、米国の、特にテレビではガソリン価格の上昇が毎日の話題で、環境や温暖化に対する意識は低いのだと思っていました。しかし、新しい大統領候補はどちらも温暖化に真剣に取り組むことを発表していますし、人々の会話の端々、また雑誌や街の広告などから、いよいよ米国でも環境意識が高まりつつあるのだな、と感じました。

The Game Plan

私個人としては、恥ずかしいことに温暖化問題に最近まであまり大きな関心を払ってきていませんでした。今年、大歳社長の特別タスクに参加して、この問題の重要性をはっきり認識してから、アル・ゴアの「不都合な真実」をはじめとする様々な考えに触れ、この問題の重要性を認識するようになってきました。いろいろな資料の中で、特に興味深いのは、Saul Griffithという人の、The Game Plan : A solution framework for climate change and energyというプレゼンテーションです。これはCO2排出を削減して持続可能な社会にするために何をしなければならないか、に関して、具体的に数字を出してやるべきことを提案した、私の知る限り唯一の試算です。地球の温暖化の目標を2℃、CO2濃度にして450ppmという目標を設定します。その上で、1)生活を見直して人類が必要とするエネルギー総量を18兆ワットに抑える、2)そのうち15兆ワットを再生可能エネルギーにする、ということで炭素排出量を、地球が吸収できるとされる年間20億炭素トンに抑えられる、プランです。ただ、この2)の実現が簡単な話ではなくて、今後25年間にわたって、毎秒100平米のソーラーパネル、5分に1基の風力発電機、1週間に1基の原子力発電機、などなどを作り続けなければならない、とのことです。これは大変なことですが、現在のグローバルな産業の生産力をもってすれば、できるはず、というのがSaul Griffithの主張です。いずれにせよ、大変面白いプレゼンテーションですので、是非ごらんになってください。

Lunar Society of Japan

日本アイ・ビー・エムのOBにはいろいろな人がいて面白いのですが、そのうちの一人が日本における「Lunarソサイエティ」という私的な会合を主宰しています。Lunar Societyというのは18世紀に英国で始まった科学者のサークルで、進化論のダーウィンや蒸気機関のワットなどがメンバーだったようです。21世紀の日本版は、企業の経営者の方、政府機関の方、大学の研究者など20名弱が2ヶ月に1回集まります。参加者のほぼ半数が日本在住の外国人の方なので、会議は英語で行われています。テーマは、「持続可能な社会」です。今週の会合では、G8のメンバーであるカナダの在日大使の方がその様子を報告してくださいました。今回はやはり、2050年に50%削減という長期目標に関して合意を見たのが大きな成果だったようです。ただ、具体性の必要な中期目標が設定されていないところは、これからの問題です。上記の「Game Plan」のような、具体性のある議論が本当に求められていると思います。ただし、問題は温暖化だけではありません。持続可能性にはいろいろな側面があり、必ずしも温暖化だけが問題なのではありません。水の問題、食料の問題、鳥インフルエンザの大流行(いわゆる「パンデミック」)など、様々な問題があります。「Lunarソサイエティ」もはじまったばかりで、まだ焦点の定まった議論はできていませんが、いろいろな立場の人の意見を交換することで、視野を広げて行きたいと思います。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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