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大きな勝利:Golan v. Gonzales

2007/09/28 06:00
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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第10巡回区控訴裁判所は今日、Golan v. Gonzalesでのわれわれの申し立てに判断を下した。全判事一致で示されたのは、憲法修正一条(表現・言論の自由)に基づく違憲審査のトリガーとしてEldred事件で明確にされた「伝統的な著作権保護のありかた」条件は、おなじくEldredで触れられた、著作権法に組み込まれた2つの「伝統的な修正一条セーフガード」(フェアユース、およびアイデア/表現の二分)だけに限られないということだ。よってこの件は地裁へと差し戻され、ウルグアイラウンド協定法案(URAA)のセクション514、すなわち著作物をパブリックドメインから著作権保護の元に戻す条文について憲法修正一条に基づく審査がおこなわれることとなる。

これはとても大きな勝利だ。政府はこの裁判でも関連した事件でも、著作権法について憲法修正一条に基づいた審査がおこなわれる可能性があるのは、議会がフェアユースまたはアイデア/表現の分離という原則を変更または廃止したときのみであると主張してきた。対するわれわれは、その2つの場合に加えて、議会が「伝統的な著作権保護のありかた」に変更を加えた場合にも審査が必要であることをEldred判決が示していると一貫して論じてきた。Golanで問題となっているのは、パブリックドメインから著作物を取り除く条文だ。現在最高裁への上訴がおこなわれている関連事件Kahle v. Gonzalesでは、議会が著作権をオプトインからオプトアウトのシステムに変更したことを問題としている。われわれが主張しているように、これもまた「著作権保護の伝統的なありかた」への変更に含まれる。第十巡回区控訴裁判所の今回のルールのもとでは、こちらもまた修正一条に基づく審査の対象となるはずだ。

今回の決定は、Kahle事件を審査するか否かという最高裁の判断にも大きな影響を与えるのではないかとわたしは考えている。また、Eldred判決の当該部分の賢明さも示している("Progress Clause"部分の話は持ち出さないでくれ)。今回の控訴裁判所が(そしてわれわれが)解釈したEldredのルールとは、議会は伝統に沿った範囲内で法を制定するかぎりにおいて、修正一条に照らして合憲であるという仮定を得られるが、しかしその伝統から離れた場合、その変更は修正一条の観点から審査を受けなければならないというものだ。これは憲法学的にも興味深い議論といえる――われわれが上訴の申し立てで論じているように、Scalia判事の法に対する考え方の一部を反映してもいる。また、それ自体としても非常に筋が通った考え方だ:200年間に渡って続いてきた慣行が修正一条の問題を引き起こす可能性は低いだろう(とはいえ……)。しかしそれが正当化されるかどうかにかかわらず、議会の伝統からの逸脱が正当化されることはあるまい。

Henry判事による判決文は一読に値する。わたしがこれまで目にしたなかでも最良のひとつだ。三人の判事すべてがこの事件について完全に把握している。本件の審査にこれほどの深慮を見せたことは、法廷が示すことのできるすばらしさの指標といえるだろう。

この判決を可能にしてくれたわれらがチームの全員に感謝したい。まず原告たちに――Lawrence Golan, the Richard Kapp Estate, S.A. Publishing, Symphony of the Canyons, Ron Hall and John McDonough (全員がパブリックドメインを元にさらに発展させており、議会がパプリックドメインから作品を取りあげることで悪影響を受ける人々だ)。そしてもちろん、この事件でわれわれを支援してくれた最高の弁護士たちの一団にも。デンバーのWheeler, Trigg, Kennedy, スタンフォードCISのChris Sprigman, Ed Lee, Jennifer Granick, David Olson, David Levine, Colette Vogel, Elizabeth Rader, Lauren Gelman (そしてTony Falzone)。

[オリジナルポスト 9月5日午前4時05分]
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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