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“fair play for musicians”

2006/12/26 12:00
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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12月7日。この日は汚名とともに記憶される日となるだろう。

Gowers Reviewという、20世紀あるいは21世紀に政府関連機関によって刊行された知財関連の文書でもっとも賢明であるかもしれない報告書が――事実の綿密な評価に基づき、すでに制作された作品の著作権保護期間は原則的に、決して延長されるべきではないと結論した文書が――公開されたその翌日、FT誌には4000人のアーティストが署名した"fair play for musicians"なる広告が掲載された。録音物の著作権保護期間を50年から95年に延長することが「フェア」であると主張するものだ。CNNの報道にいわく、

法改正がなければ、"Love Me Do"や"I Want To Hold Your Hand"といった初期のヒットを含むマッカートニーのビートルズ楽曲は、2012年・2013年には奪われるままになってしまう。

なんと、老いて財産を取り上げられるとはポールもかわいそうに、と思うかもしれない。だがもちろん、ポップカルチャーに詳しいJon Zittrainが指摘するように(そしてポップスターに目が眩んだCNNがあえて無視するように)、マッカートニーは「楽曲」の権利など保有してはおらず、しかも現在問題になっているのは録音されたものの権利だけだ。作曲についての権利は今後少なくとも70年間は「マッカートニーの」ものだろう。

とはいえ、わたしも公平さについての議論は受け入れよう:米国議会は既存作品の保護期間も延長することでGowers報告書のいう原則に背き、米国民を裏切った。であれば、今度は英国議会が英国民を裏切るのが公平というものだ。さもなくば、歌手のSir Cliffはトニー・ブレアもよく訪れるというバルバドスの邸宅をどうやって維持してゆくというのだ? 1956年に録音したレコードをさらに45年間独占できなかったら?

いま必要なのは、ユーザ側からの優れたゲリラ・コンテンツだ(Napster_Badを思い出そう)。文化エリート階級が作りだす宣伝の壁を貫いて、もう一方の言い分が理解されるように。そうなれば、かれらがさらに二世代にわたって利益を上げるためだけに、なぜわれわれの過去の90%以上が闇に葬られねばならないのか説明を求められるだろう。

あるいは、わたしの質問に答えてくれるだけでも結構だ:なぜかれらは、その意志を示しさえすれば、ほぼ二倍にもなる保護期間の恩恵を受けられるようなシステムにも反対するのか?

[オリジナルポスト 12月7日午前8時12分]
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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