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憤激!

2005/07/23 23:03
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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[Cass SunsteinによるゲストBlog]

集団分極化と集団の激昂についての実験から覚え書き:数年前わたしはDaniel Kahneman, David Schkadeとともに、陪審団(およびその他の集団)はなぜ憤激し過大または過小な懲罰的損害賠償を課すことがあるのか解明しようとする実験に関わった。

陪審となる資格がある約1000人に対するテストで発見されたのは、固定スケール(1から6あるいは1から8のあいだで、1がまったく平静あるいは懲罰なし、6 or 8が極度の憤激あるいは厳しい懲罰を意味する)では、米国人はふさわしい憤りあるいは罰のレベルについて意見が一致することだ。少なくとも人身傷害のケースに関しては、“5”に相当すると思われる事件はほとんどの人が“5”と判断する。白人はアフリカ系と一致し、老人と若者、貧者と富者、高学歴と低学歴のあいだでも意見は一致する。

金額での計量でははるかに多様な結果が出た。“5”に相当する賠償金が100万ドルなのか500万ドルなのか、あるいは5万ドルなのか意見が一致しないのだ(この研究については1998年のYale Law JournalおよびCass R. Sunstein 他著 Punitive Damages: How Juries Decide 2002年で見ることができる)。

以上の研究には陪審同士の討議は含まれていない。陪審員がお互いに討議する条件ではいくつかの驚くべき結果が得られた。(a) 平均的な陪審員個人が低めに、たとえば2と評価していた場合、討議を経た陪審団が出した結果は1となった――寛容シフトだ。 (b) 平均的な陪審員が高く評価していた場合、たとえば6だったとすると、陪審団による討議の結果は7になった――厳罰化シフト。 (c) 陪審団による損害賠償額の算定は、平均的陪審による算定より圧倒的に高額となった。賠償金額に関して極めて強い厳罰化シフトがあったことになる。27%の事案で、最終的に陪審団が決定した金額は、討議を始める前に個々の陪審員がつけたうちの最高額と同じあるいは更に上回っていた! (こちらの研究は2000年頃のColumbia Law Review および前掲のPunitive Damages: How Juries Decide で見つかる)。

得られた知見はこうだ:感情的に昂った人間がおなじく憤激した人々に囲まれると、全員がさらに憤激することになる。厳しさの評価がシフトする現象があり、強い厳罰化もしばしば見られる。これは政治的な分極化一般についても当てはまるのではないかとわたしは推測している。またブログ圏にも関わってくるだろう。

[Cass SunsteinによるゲストBlog一覧]

[オリジナルポスト 7月21日午後1時20分]
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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