昨日発表された通り、クリエイティブ・コモンズはいくつもの大きな変化を迎えた(ひとつを除いてどれも素晴らしい。例外については次のエントリで説明する)。
プレスリリースにあるように、われわれはクリエイティブ・コモンズ・インターナショナル (CCi)を設立した。これはiCommonsプロジェクトの結果として生まれた新組織だ。iCommonsの目的はCCライセンスをできるかぎり多くの法制度に移植することであり、現在約70ほどの地域で作業が進められ、すでに約20の国や地域でそれぞれの法に則ったCCライセンスが利用できるようになっている。
だがiCommonsを開始した当初には予測できなかったのは、ライセンスを移植するために作られたコミュニティがさらにそれ以上を望むようになったことだ。ひとたび煩瑣な法律屋の仕事が終わると、大勢のアーティストや教育者、図書館員、その他さまざまな人々が、単なるライセンスを超えて運動を広げてゆくためにできることを求めて集まった。
この要請が良い機会を生んだ。それに応えるプロジェクトの指導者にPaula Le Dieuを得られたことはわれわれにとって大変な幸運だ。PaulaはBBCのクリエイティブ・アーカイブ・プロジェクトの着想と実現に向けた労力の多くを担った立役者であり、プロジェクトが軌道に乗ってからは同じことを世界を舞台に実現しようと意欲を燃やしていた。CCiは英国を拠点とした非営利企業の形をとり、理事長には伊藤 穰一が就任する。狙いは世界のあらゆる国でCCを核としたコミュニティを育てることだ。
iCommonsは引き続きプロジェクトの最初の段階、すなわちライセンスの移植を目的としたコミュニティの設立を担当する。しかしひとたびライセンスの移植が終わり、その地域でCCが立ちあがった後は、CCiがプロジェクトを引き継ぐことになる。
そしてさらに:
CCi設立の他にも、次のエントリで説明する出来事に促されたもう二つの変化がある。これまでCCから送りだされたクールなアイデアほとんどの功労者だったNeeru Pahariaが、CC内部でCulture Commonsと呼ばれている部門を統括するexecutive directorに就任する("Culture Commons"は、今年頭に発足したScience Commonsと区別するための言い方)。Neeruの役割はこれまで通り、CCライセンスをコードとコミュニティに組み込むための各種プロジェクトを推進することだ。時間が許す以上のアイデアにあふれた彼女が舵を取る立場についたことはとても嬉しく思っている。
そしてついに、われわれは初めての法務責任者にMia Garlickを迎えることができた。CCライセンスの拡大につれて法的な課題も増えてゆくなかで、そうした課題に専従できる弁護士をようやくひとり内部に雇えることになった。Miaは(Paulaと同じく)豪州人で、かの地で長年の経験を積んでいる。スタンフォードで院生として学んだ後はシリコンバレーの法律事務所で実務に就いていた。彼女をタイムシートと高額報酬の世界から誘い出して、CCという混成チームに本物の弁護士を加えることができたのは実に幸運なことだ。
これからもさらに多くの変化があるだろう。有能なdevelopment directorをぜひとも迎えたいと思っているし、自前のウェブサポートももっと欲しい。われらがCEO Mark ReschはCCという組織をまとめあげ、目指すべき道を示してくれたのち、次の活躍の場に移ることになった。今のところはわたしが暫定CEO (とチェアマン)を務めているが、秋にはJoiがベイエリアへ移りCEOを引き継いでくれることを期待している。