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ベトナム、そして終わりに

2004/12/23 05:23
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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(Geoffrey Stone教授によるゲストBlog)

O'Reillyの番組について寄せられた素晴らしいコメントすべてにもう一度感謝したい。非常に多くのことを学ばせていただいた。この体験について論説を書くことになるかもしれない。ともかく、いまはベトナムについて書くとしよう。

1968年頃には、戦争に反対したという理由でGene McCarhy議員を逮捕するといったことはもはや考えられなくなっていた。憲法学とアメリカ文化の進歩によって、JohnsonあるいはNixon政権が反戦指導者たちをかつてのMatthew Lyon, Clement Vallandigham, そしてEugene Debsのように扱うことはできなくなっていた。だが、政府が反対派を攻撃する他の方法を見つけられなかったというわけではない。徴兵票や国旗を焼いた、公の場で攻撃的な言葉を使ったなどによる訴追は頻繁に反戦抗議者に向けられた。そうした「犯罪」が罰するほどのものだったからではなく、政府を批判する人物を「やっつける」手段としてだ。

さらに重大なことに、政府は一連の攻撃的な潜入捜査プログラムCOINTELPRO ("counterintelligence programs")に乗りだし、反戦運動の「摘発、攪乱、無力化」を狙った。戦争に反対する組織のあらゆるレベルにFBIエージェントや秘密工作員が潜入し、国家の方針に逆らう人間の名前を収集した。政府は最終的に50万人に上るアメリカ人の身上調査書類を取りまとめた。書類作りが目的だったわけではない。そうしたファイルは政府に楯突く人間を攻撃するために使われた。

Nixon政権は反戦組織に協力する人物を対象にした税務監査を行い、FBIは反戦活動家の家主に宛てて、借り手は「共産主義者」だと告げる手紙を送った。FBIはまた大学に匿名の手紙を送り、反戦活動に関わる学生たちが違法な薬物を使っていると告発した。また地元警察に対して、反戦運動に関わった人物を交通違反などで逮捕することを奨励した。さらには反戦組織の構成員たちにも匿名の手紙を送り、他のメンバーが資金を横領している、あるいは他メンバーのパートナーと浮気をしている、はてはFBIの工作員であるなどと告げた。目的は政府の活動と知られることなく反戦組織を混乱させ、士気を落とし、分裂を招き、信用を傷つけることだった。これらの活動は1972年になるまで明るみに出ることはなかった。

最後に最高裁について触れよう。これまで見てきたように、最高裁は第一次大戦中には諜報法や治安法による反戦運動者の有罪を認め、第二次世界大戦中にはコレマツ対合衆国事件で強制収容を支持し、冷戦中の1951年には、Dennis対合衆国事件においてアメリカ共産党の指導者たちに下された、政府転覆の「唱道を企てた」ことによる有罪判決を支持している。当時Douglas判事が表現したように、法廷は「狼とともに駆ける」ことを選択したのだ。

これは自慢できる履歴とは言いがたい。事実、戦時の最高裁が行政府に逆らうことは決してないと一般には思われている。だがそれは誇張だ。第二次世界大戦中には、最高裁は米国人ファシストを国外追放しようとしたRoosevelt政権の試みは違憲だと判断している。冷戦の後半にはマッカーシズムに対して強い態度をとった。ベトナム戦争では、Nixon政権がペンタゴン・ペーパーの掲載を差し止めようとしたとき、また国家保安に際しては令状なしの盗聴が憲法上認められているとしたとき、いずれの主張も却下している。最近の例ではグアンタナモ基地の囚人や「敵性戦闘員」として軍施設に拘禁されている米国人の権利について、Bush政権の極端な主張を却下している。最高裁について悲観的になりすぎるべきではない。

とはいえ最終的には、市民の自由を守ることは、情報を持ち、決意と勇気を持った一般の人々の手にかかっている。Louis Brandeisがかつて述べたように、「自由の秘密は勇気」なのだ。皆さん全員が、それぞれの信念について勇気を持てますように。

ラリーがわたしを紹介したときに書いた通り、これはわたしの初Blogだ。実に楽しい体験だったし、いずれまた招いてもらえることを望んでいる。では皆さん、健康で良い新年を。

Goef Stone

[オリジナルポスト 12月18日午後7時03分]

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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