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ようこそ危難の時代へ

2004/12/18 00:24
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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(Geoffrey Stone教授によるゲストBlog)

われわれがいま危難の時代(Perilous Times)に生きていると考える人はどれほどいるだろうか。わたしも同意見だ。そうでない人はもう一度考えてみるべきだろう。われわれは新たなテロ行為という絶えざる脅威と共に暮らしている。9/11にわれわれは衝撃を受けたが、今から五分後に同様の出来事が起きたとしても、あなたは恐ろしく思いこそすれ驚愕することはないだろう。われわれは意識のどこかで常に新たなテロ行為を予期している。

さらにわれわれは、問題の尽きることがないイラクでの戦争に踏み込んでいる。昨夜は映画『フォッグ・オブ・ウォー』(マクナマラ元国防長官のドキュメンタリー)を観たが、1966年のベトナム戦争と2004年のイラク戦争のあいだにある、アメリカ外交政策の深刻な誤算という類似性には圧倒された。われわれは多くの不安を抱えているが、わたしはさらなる心労の種を示してそれを悪化させたいと思う。あなたがた自身の市民的自由の危機を思えば夜も眠れなくなるはずだ。

アメリカ合衆国は、戦時に市民的自由を不当に制限するという長く一貫した傾向を持っている。戦争熱に浮かされたわれわれはたびたびパニックを起こし、恐怖の対象に激しい攻撃を加え、戦争を私益のために利用する政治家たちに操られることをみずから許してきた。1798年に外国人および治安法を制定したとき、リンカーンが人身保護令状を停止したとき、第一次大戦中に戦争と徴兵に対するあらゆる批判を政府が容赦なく圧殺したとき、第二次大戦中に日本の血を引く12万人を強制収容所に送ったとき、冷戦時代に政治的信条や所属によって数万の人々を辱め、虐げ、沈黙させたとき、ベトナム戦争中に政府が反戦派を「摘発、攪乱、無力化」するため無法な監視・侵入・秘密妨害工作をおこなったとき、われわれは同じことを繰り返している。

過去二百年の間にはある程度の進歩があった。現在のわれわれは、1789年, 1863年, 1917年, 1942年, 1950年, 1968年に比べれば、かつてのような行動を繰り返す可能性は低いだろう。確かにこれは祝うに値することだ。だがこの進歩は脆く、戦時に解き放たれる力は極めて強大であり、戦争が引き起こす恐れ、不安、怒り、弱さはたやすく迫害と抑圧に姿を変える。9/11以降、Bush政権の行動の一部にこうした危険の徴候が見られなかったとは言えないだろう。今後6週間のうちに9/11のような攻撃が6回連続で加えられたとしたらどのようなことが起こりうるか想像してみよう。

われわれは歴史の教訓を学ぶことができるのだろうか? 過去の失敗を繰り返すことは避けられるだろうか。戦争の恐怖と重圧の下にあってなお、われわれは個人としてまた国家として自らを律し、市民的自由を尊重できるのだろうか? みなさんはどのように考えるだろうか。

[オリジナルポスト 12月15日午前9時14分]

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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