IP過激派に支配された議会で、McCain上院議員は正しい側の重要な勢力になっている。かれがH.R. 4077法案を、条文にある「映画の“有害な”部分をフィルターする自由」が他のフェアユースを否定するものと解釈されるのではないかという正当な懸念から保留させたことは以前にも書いた。
同じ注意深い目が、今度はIntellectual Property Protection Act of 2004(知的財産保護法案)に隠された巧妙な罠を見つけだした。
この法案は、偽造や不正な「ラベル」を規制する「偽造禁止条項」を設ける。ほとんどの人は、これが物理的なラベルを対象にしていると思うだろう。だが注意深く読めば、条文が非常にあいまいに書かれていて、物理的なラベルもそうでないものも規制されると示唆していることが分かる(すくなくとも、映画協会はそう信じている)。
それがなぜ問題になるのだろうか? もしコピーされたラベルの無許可流通が違法となれば、コンテンツの権利者は簡単な細工でフェアユースを無効にできてしまう:コンテンツに電子透かしを埋めこんでおけば、たとえ著作権法で認められたフェアユースにあたる場合であっても、あらゆる部分利用がラベルの無許可複製と見なされることになる。よってDMCA(デジタルミレニアム著作権法)のように、このラベル法は著作権法が与えているものを取りあげてしまう。
そこでMcCain議員は、「違法ラベル」への規制は物理的なラベルに限るという修正案を示した。また次のような例外条項も提案している。
title 18(刑法) 2318節のいかなる規定も、title 17(著作権法)に定められる音声レコード、コンピュータプログラム、映画もしくは他のオーディオ・ビジュアル作品、文芸作品、絵画・写真または彫刻作品、視覚芸術作品に(1) 固定・同梱・付属の、あるいは(2) 固定・同梱・付属させるためにデザインされた、証明書・登録カード・ライセンス文書あるいは同等のラベルについては、著作権法で定められるいかなる権利も制限するものとして解釈されることはない。
注意深い上院議員の見事な仕事だ。今年三月には司法省も、この法案の以前の版に対して同じような懸念を表明している。だがMcCain議員はその懸念に現実の対策を与えた。