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もうお止めなさい、Mr.オライリー

2004/07/28 08:03
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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Mr. O'Reilly、

あなたはNew York Timesとの“戦争”を宣言された。それはあなたにとっても、New York Timesにとっても、そしてわれわれの民主主義にとっても良いことだ。有力な意見は有力な代弁者に値する。あなたの戦いは、われわれの国家にとって重要な意味を持つ議論をより深める助けとなるだろう。

しかしこの“戦争”のために、あなたはかつて不当に扱ったある人物、あなたが謝罪しなければならない人物への中傷を続けている。

2003年2月4日、Jeremy Glickがあなたの番組にゲストとして出演した。かれは9/11のテロ攻撃で父親を失っている。かれはまた、イラクでの戦争を批判する意見広告に署名したひとりだ。テロで父親を失った人間がこの戦争に反対していることに「驚かされた」あなたは彼を――恐らくは理由を尋ねるために――ゲストに招いた。(ドキュメンタリー映画『Outfoxed』より、この出来事をまとめたビデオクリップがある)。

インタビューでご自分が何を言われたか、それ以上にJeremy Glickが何を言ったか、正確には思い出せないかもしれない。ここにインタビューの録画がある。あるいは、Jeremyが署名した新聞広告がどんなものだったかもお忘れだろうか。それもこちらで見ることができる。インタビューで実際には何が話されたのか、問題の新聞広告には何と書いてあったのか確認したなら、あなたが今に至るまで続けているJeremy Glickについての発言が明確な偽りであるとおわかりになったはずだ。Bill Clinton的な「〜によっては」という偽りではなく、われわれアメリカ人の多くが大人になる過程で学んだとおりの――単純に事実ではない――偽りであることが。

例を挙げよう。

  • 2月4日のインタビューであなたは、New York Timesに掲載された新聞広告は「アメリカ合衆国そのものをテロ行為で非難している」と述べた。広告をご覧なさい、Mr. O'Reilly。そのようなことは書かれていない。
  • 2月4日のインタビューであなたは、この広告は「アメリカをテロリストと同一視している」と述べた。広告をご覧なさい、Mr. O'Reilly。そのようなことは書かれていない。
  • 2月4日のインタビューであなたは、この広告が、アメリカ合衆国とテロリストは「同一視」されるべきと「断言している」と述べた。広告をご覧なさい、Mr. O'Reilly。そのようなことは書かれていない。
  • 2月5日、あなたは視聴者に、「Glickは抑制を失った」と述べた。かれはあなたの支配下にはなかったかもしれない。しかしあなたが、そしてわれわれの政府が学ばねばならないのは、誰かがあなたと意見を異にするというだけで、その誰かが保安上の脅威になるわけではないということだ。もう一度インタビューをご覧なさい。かれは抑制を失ってなどいない。
  • 2月5日、あなたは視聴者に、「(Glickは)この番組への憎しみをぶちまけた」と述べた。インタビューをご覧なさい。かれは番組でなくあなたを、9/11の犠牲者たちを悼む感情を自分の政治的な狙いのために利用する倫理に反したおこないを批判したのだ。かれはあなたの行為が不適切であるとはいったが、憎悪しているとは言っていない。
  • 2月5日、あなたは視聴者に、「(Glickは)かれ自身の国への憎しみを吐き散らした」と述べた。インタビューをご覧なさい。かれはそんな発言はしていない。かれは自分が批判する人々と「アメリカの一般の人々」をはっきりと区別して語っている。かれもわれわれと同様、この国を愛する人間だ。たとえ政治指導者やあなたと意見を異にするとしても。
  • 2月5日、あなたはGlickが「邪悪なプロパガンダ」を語ったと非難した。あなたのいう「プロパガンダ」とはなんだろうか。かれはあなたの意見に反対していた。それが「プロパガンダ」なのか?
  • 11カ月後、あなたはGlickについて「この番組に現れ、大統領は9/11を事前に知っていた、彼の父親を殺したのは大統領だと糾弾した」と述べた。これは――病的とはいわずとも――完全な作り話だ。Glickはブッシュが9/11を「承知していた」といった類のことは何もいっていない。またブッシュがかれの父親を殺したとも言っていない。インタビューを見なさい、Mr. O'Reilly。Glickの語ったことに対するあなたの形容は全くの偽りだ。
  • つい先週、あなたは再び、Glickが「大統領には私の父親の死に対して責任がある」と語ったという話を繰り返した。かれはそのようなことは一切述べていない。
  • つい先週、あなたは再び、Glickが「アメリカ合衆国そのものがテロ国家である」と暗に示したという主張を繰り返した。かれはそのようなことは一切述べていない。
  • つい先週、あなたはGlickが「9/11はアメリカそのものに責任がある」と主張したと述べた。Glickはそのようなことは一切言っていない。
  • 最後に、もっともひどい例だが、つい先週あなたは「警備員は実際にGlickを連れ出さなければならなかった。かれは完全にコントロールを失っていた。」という話を繰り返した。これこそ、Mr. O'Reilly、完全な嘘だとご存じのはずだ。インタビューの後、実際にはあなたがGlickを物理的な暴力で脅し、あなたのスタッフがGlickに謝罪し、「できるだけ早く退去してほしい、もしO'Reillyが再びあなたを見かければ、彼は「牢獄行きに」なりかねない」と伝えたのだから。

Mr. O'Reilly、人がときに平静を失うことはわたしも理解している。わたし自身にも覚えがあることだ。しかし真っ当な人間であれば抑制を失ったことを詫びるものだし、不当な扱いをした相手への中傷を続けることなどないはずだ。

Jeremy GlickはNew York Timesではない。かれはあなたに酷く攻撃された結果受けた注目で得をするわけではない。Glickも、未亡人となった彼の母親も、あなたの番組で絶えず罵倒されることから何の利益も得ることはない。

Mr. O'Reilly、あなたは事実のレベルで間違っており、その害を与え続けることで間違っている。過ちを認める勇気を持ちなさい。Glick氏に謝罪し、彼の父親を殺した(あなたの言う)「野蛮人たち」によって既に充分困難になっている本来の生活に戻れるようにしてやりなさい。この家族は野蛮な行いには既に充分に苦しめられているのだ。

[オリジナルポスト 7月24日午前10時45分]
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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