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OutFOXed

2004/07/12 18:00
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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New York Timesに、Robert Greenwaldの新しい政治ドキュメンタリー映画OutFOXed記事が掲載されている。FOX Newsを批評するこのドキュメンタリーの制作に際しては、Fenwick & West法律事務所のすばらしい専門家たちとスタンフォード・ロースクールCIS(インターネットと社会センター)が、フェアユースの権利をもっともよく活用するための助言を(無償で)提供している。

この予告編を見れば、われわれ法律屋に与えられた課題がどんなものだったか見当がつくはずだ。そしてWashington Postに掲載されたFOXの法務部門VPであるDianna Brandiのコメント(「FOXの映像が盗まれるのはいつものことであり…われわれは基本的に見逃すことにしている」)を読んでわたしがどれほどほっとしたかも想像してもらえると思う。

コメントの「盗まれる」という言葉はフェアユースを指しているのだと思うが、だとすれば天晴れFOXだ。フェアユースはもちろん「盗み」ではない――それを充分承知しているはずの専門家が故意に間違った言葉を使いたがっているとしても。(もし本当にFOXのフィルムがだれかに盗まれているという意味だとすればそれは大変だ。もっとましな金庫を買った方がいい)。

実のところ、わたしはこの映画に関わるまでFOX Newsのことを何ひとつ知らなかった。ネットワークのニュース番組を見る時間はあまりないし、Bill O'Reillyのこともただ一度NPRのラジオ番組Fresh Airで声を聞いたことがあるだけだ。プロジェクトに参加したときもニュースネットワークに大した期待はしていなかったのだが、わたしはいまだに驚かされている。DVDを買うか、MoveOn.orgが進める草の根上映パーティーをホストしてみれば分かるように、実に多くの驚くべき場面がある。なかでも最も雄弁なのは呆れるほどアンフェアでアンバランスなBill O'ReillyとJeremy Glickのインタビューだ。ジョージタウン大学のDavid Cole教授が書いているO'Reilly Factorに出演した時の体験(Washington Post.要登録)のようなものだが、はるかにひどい。

Timesの記事が伝えるように、Greenwaldがドキュメンタリー映画を流通させるスタイルには何か新しいもの――インタビューとビデオクリップを用いて論点を鮮やかに示す政治的批評が、DVDと政治アクショングループによって広められる――の始まりかもしれない(こちらに他の実例がある)。だがGreenwaldや同類たちが使用許可も得ずにそういった素材を利用することにはどんな根拠があるのだろうか。われわれが憲法修正第一条と呼ぶfree cultureの理論がそれだ:著作権法は、最高裁がEldred判決で述べたように、必ず「フェアユース」の原則を含んでいなければならない。「フェアユース」は憲法修正第一条に表現された価値観に基づいている。なかでもここで重要なのはNew York Times v. Sullivan裁判で示された判断だ。報道と同じく、政治批評的な映画制作には著作権法の行き過ぎから守られるための緩衝地帯が必要だ。そしてデジタル技術によって解き放たれたこの新しいメディアの可能性が実現されるには、批判者にはあらかじめ弁護士を雇うことなく相手を批評する権利があるという明確な前例を作っておかなければならない。

この映画を見て、それが体現している自由を称えよう。これこそもっと称賛され実行されるべきアメリカ的自由のひとつだ。

[オリジナルポスト 7月11日午前10時56分]
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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