スタンフォードのCIS[スタンフォードロースクール、インターネットと社会センター]は、長い間この裁判に取り組み、ピーターパンにパブリックドメインの地位を確保しようと努力してきた(インターネットはすでにこれを認識しているようだ。GoogleでPeter Panを検索してみよう)。
われわれはピーターパンの物語のうちパブリックドメインの部分をもとにして続編“After the Rain”を書いたカナダ人作家Emily Sommaの弁護を引き受けている。Sommaはピーターパン関連の作品のうちまだ著作権が存在している部分の権利保有者に脅かされている――その主張は、ピーターパンに関連する作品のどれかひとつでも著作権で保護されているなら、全ての作品が保護されているはずというものだ(権利を保有しているのはイギリスの小児病院であり、これは(1)われわれの異議申し立ての処理は英国政府によってひどく引き延ばされ、(2)子供のための慈善団体ならば何をしてもよいのだと信じる人々がわれわれに大量の罵詈雑言を送りつけてくる、ことを意味している。私は慈善団体を、特に子供たちのためのものなら大いに支持するが、パブリックドメインを元に新たな作品を書いた作家を脅すことは慈善団体の仕事ではないはずだ)。
ともかく、先日デンマーク語の勉強中に(いや、本当は私は外国語がまったく駄目なのだが)、ますます増えつつあるこうした行為のよい例を発見した。
この記事によると、デンマークの“Gummi-Tarzan”というキャラクター(画像はたぶんこちら)が、いつでも陽気なディズニー社によって、名前から“Tarzan”を外すことを余儀なくされたらしい。ディズニー社は自分たちがターザンを所有していると信じており、その理由はエドガー・ライス・バロウズが書いたターザンを元にしてディズニーが作った作品の商標を所有しているから、という――バロウズのターザンは1914年刊行であり、つまりはパブリックドメインにあるのだが。にもかかわらず、Gummi-TarzanはこれからGummi-Tと呼ばれねばならないことになった。
かつてパブリックドメインは弁護士無用地帯だと考えられてきた。物事は変わるものだ。
(記事を私にも理解できるようにしてくれたJoergen RamskovとThomas Wesley Hintonに感謝。)