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Joe Trippiインタビュー

2003/08/27 14:22
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プロフィール

lessig

「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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 今週仕上がるはずの本のために、Blogとその影響について多くの人に話を聞いてきた。これはハワード・ディーン候補のキャンペーンマネージャJoe Trippiとのインタビューだ。クリエイティブコモンズAttributionライセンスで公開するので自由に利用してもらいたい。訂正も歓迎する。


レッシグ(LL):Blogがディーンに近づいた、それともディーンからBlogに接近した?

Trippi:面白い質問ですね。

 私は二年ほど前からいろいろなBlogの熱心な読者でした。たまにコメントはするけど、大抵はただの読者として。大体18カ月くらい前、myDD.comというBlogを読んでいたら、ハワード・ディーンという人物が大統領選に出るかもしれないと書いてありました。その時は一つか二つコメントを付けて、2・3日後にまた見に来て、それからコンスタントに読むようになりました。ディーンのキャンペーン・マネージャとして働き始めたとき、Blogをやりたいなとは思ってましたが、それほど緊急の課題だとは感じてませんでした。他にいくらでも心配しなきゃいけないことがありましたし。でもそれから2つ面白い出来事があったんです。

 ひとつめはmeetup.comです。ある日myDD.comを読んでいたら、meetup.comという面白いサービスがあって、一部のディーン支持者たちがそれを使って国中でディーン支持の集まりを開いてるとありました。それでmeetup.comをチェックしてみて、それから数週間のうちに、ディーンを支持する人たちにmeetup.comの利用を勧めていこうと決定しました。このアイデアはBlogから、myDD.comから直接きたものです。

 ふたつめはまた別の偶然、あるいは運命だったのかもしれません。ある日Matt Grossという男が私のオフィスにふらりと現れたんです。ディーンのことが気になるあまりユタから車を運転してきたといって。事前に電話もしないで、なにかできる仕事はないかとバーリントンまで直接ね。彼はなんとか受付のデスクを越えてこちらに頭を突きだして、「俺はmyDD.comに書いてるんだ!」って叫んで、私は即座に「雇った!」って。で、たしかそれから48時間後には彼はもうBlogspotにこのあか抜けない最初のBlogを完成させてたはずです。彼は荷物を取りに一旦ユタに帰るといったんですが、私は帰る前にBlogを作るのが採用条件だといいました。そして3時間か4時間で、"Call to Action"と呼ばれていたBlogができました。魅力的なところも見苦しいところも同時にありましたが、多分これが最初の大統領選Blogだったはずです。

LL:そういったアイデアにはどんな抵抗が?

Trippi:そうですね。最初のうちは、meetup.comのようなものでさえ、「なんでわれわれのサイトにmeetup.comのアイコンを載せなきゃならないんだ?」という反応でした。しかもキャンペーンのIT部門からです。私が説明しなければならなくて、meetup.comのようなものをサイトに掲載するには1週間ほどかかりました。

 Blogについては、何も抵抗はありませんでした。でも最初のうちは解決しなきゃならない問題がたくさんありました。Blogを運営するにはMattみたいな人が必要です。毎日注意を払って、私やディーン候補者のような人間が遠くで忙しくしている間もBlogがちゃんとうまくいっているかどうか確かめられる誰かが。Mattが現れるまで、われわれにはそんなスタッフがいませんでした。

 そしてわれわれは2番目のBlogに移りました。"Call to Action"Blogの方は中断しなければなりませんでした。ほんとにセンチメンタルな話です。みんな気に入ってた(あか抜けないけど)のですが、コメント機能がなかったので。われわれは読者がコメントを付けられる、インタラクションのあるBlogが欲しかったんです。キャンペーンに関するコミュニティと物語が生まれるようなものが。それでついに"Call to Action"を終わらせる日が来ました。全く新しい"Blog for America"を発表したときは興奮しましたね。

 これまで一緒にやってきた、最初のささやかなBlogを終わらせなければならないときに、あれほどセンチメンタルな気分を感じたのはなんだか不思議でした。コメント機能付きのずっとクールなBlogに移るためだったとはいっても。

 いま受け取っているレスポンスと、そこから生まれるアイデアにはただただ驚かされるばかりです。コメントセクションというのは本当にすごいものです。思いつきもしなかったようなことが分かります。Zephyr[Teachout]が、各州ごとにダウンロードして印刷できるポスターを用意するアイデアを思いつきました。露出を多くするために、各地で100万枚張り出されるのを目標にして――たとえば"New Hampshire for Dean"とか。われわれが50州分を用意してリンクを張り終えてすぐに付いた最初のコメントが「いまロンドンで働いていて、海外から投票するつもりだけど、ここには大勢アメリカ人がいるよ。私たちが張り出せる“ディーンを支持する国外在住アメリカ人”のポスターがあったらいいと思うんだけど」。2分後にはまた別のコメントで「スペインに住んでるけど、俺たちのことも忘れないでくれ。“国外居住者むけ”のポスターを作るべきだ」

 これは私にとって7回目の大統領選キャンペーンですが、これまでは51番目のサインを作り忘れてるなんて気付きもしませんでした。小さな事ですが、それから10分のうちに“国外に住むアメリカ人”用のボスターを作って他と一緒に公開して、「なるほど、確かにそうだったよ」ってBlogしました。そうしたらすぐに誰かが「プエルトリコは州じゃないけど、アメリカ大統領選に投票するし、わたしたちはたくさんいます。「プエルトリコ・フォー・ディーン」のポスターも作ってくれませんか?」。これが全部1時間のうちにおきたんです。

 この選挙キャンペーンと、何であれ私たちがまだ塞いでない穴や考えてもいなかったことについての双方向のやりとりがあります。Blogの読者たちが「おい、これを忘れてるぞ、これも必要だろ」といってその穴を教えてくれて、われわれは欠けていた物をその場で作って誰でもダウンロードできるように公開するわけです。

 私は以前Progeny Linux Systemsで働いていて、Linuxやオープンソースで起きたようなコラボレーションをどうしたら政治や選挙運動に持ち込めるだろうかといつも思ってました。何かの方法でそれができて、大統領選に誰もが参加するようになったら何が起きるだろうと。

LL:では、これは「オープンソース大統領選キャンペーン」?

Trippi:ええ。さっき述べたようなことが起きたときは「ああ、これがいま私たちが作り上げているものなんだな」と思いました。いまの時代の政治でも同じくらいオープンなことができると思います。

LL:キャンペーン・マネージャとしてのあなたの目標は、メッセージを広める手助けをするよう人々に促して、キャンペーンに勢いをつけることですね。Blogはそれにどのように役立っていますか? 以前から他のキャンペーンでも可能だったこと以外では。

Trippi:そうですね。支持者とキャンペーンとの間に本物のつながりが生まれました。以前なら先ほどのようなアイデアを得る方法はありませんでした。われわれがキャンペーンを展開させる元になったアイデアの多くが、以前ならわれわれと直接やりとりする方法がなかった人々から来ています。

 どんなBlogにも意義があります。興味のある問題を扱っているBlogの定期的な読者になれば、そこから世界の見方だとか洞察といったものを得ることができますから。そうしている読者はたくさん存在していると思います。だから人々が定期的に訪れて、このキャンペーンはどんなものなのか、われわれの考え方はどんなものなのかを知ってフィードバックができる場所を用意することは本当に重要だと考えました。

 それに何か間違ったことをやってしまったとき、即座に知ることができます。昨日の夜CNBCのCaptital Reportに出たんですが、セットを出た途端にみなの方を向いてこう言いました「このキャンペーンに参加してから最悪のテレビ出演だ」。モニターを見てみるまでもありませんでしたよ。ヘマをやったときや、うまくいったときって分かるでしょう。同じように、やらなきゃいけないのに忘れていることがあると、見ている人たちが教えてくれるんです。

LL:では私が別の候補者のキャンペーン・マネージャだったとして、あなたに向かって「こっちにはそっちのBlogリストの10倍が登録してるメーリングリストがあるし、何か手落ちがあってもメールでちゃんとフィードバックが受けられる。こっちの方が10倍も規模が大きいのに、なんでそのBlogの方が優れてるなんていえるんだ?」といったら?

Trippi:1つは、Blogの方が素早いことです。ときにはほとんどリアルタイムです。Blogに書き込みつつコメントも読んでいれば。アイデアを本当に話し合うことができます。

 でももっと重要なのは、Blogを中心にしたコミュニティの感覚が生まれることだと思います。これこそネットの利点です。コミュニティを作り上げるということこそがネットです。ネット上には無数のコミュニティがありますが、あなた自身のコミュニティはあなたのBlogから生まれるんです。

LL:では、コミュニティが存在しているのは、そういったアイデアについて人々が同時に読んだり書いたりしているから?

Trippi:皆が読者であると同時に書き手であるということもありますが、その他にコミュニティ感覚というものがあります。「私たちはみんなの一部で、一緒に私たちのやり方を見つけようとしてるんだ」という感覚が。この選挙キャンペーンについてであれこの国の問題についてであれ、われわれはみな共通の目標のためにアイデアを交換しているんです。まあ、もちろん荒らしは除いてですが。

LL:「荒らし」についてちょっと話しましょう。もし私が従来のキャンペーン・マネージャだったら、最初に言うことはきっと「なんてこった!コントロールを手放してるじゃないか。おかげで何が起きることか。荒らしが押し寄せてきて中傷やら煽りやらを始めたら一体どうするつもりだ?」でしょう。荒らしへの対処法は?

Trippi:われわれのBlogではひとつ独創的な方法が考案されました。荒らし用のディーンチームというのが作られたんです。われわれのキャンペーンにはチーム単位で献金を募る"team raiser"というものがあるのですが、そこで“荒らし基金”が作られたんです。つまり荒らしが現れたらいつでも、みんな自動的にディーン荒らし基金の口座に募金するような仕組みです。これは実際とても効果的です。荒らしのおかげで何千ドルも資金が集まりました。ふざけてるわけじゃありません。これは荒らしが出たら「また荒らしかよ、みんな荒らし基金に払っとけよ」なんて書き込まれるようなものじゃなくて、実際に献金が行われています。だからあなたがわれわれのBlogでディーン候補に対するひどい中傷を書き込んだら、30分で500ドルの献金を助けたことになります。荒らしのやる気を削ぐ効果も果たしていますね。

 コントロールということに関して言えば、これは他の陣営はインターネットで成功できないだろうなと考える理由の1つです。これは私にとって7回目の大統領選キャンペーンですが、これまで学んだことは全て、コミュニティは強力にコントロールすべしという事でした。組織全体のあらゆることに対する軍隊式の指令系統です。何か指令を出すと、州のディレクターが群のディレクターに命令して、そこから地域のキャプテンに命令が伝わるというような。

 私はインターネットに通じた技術系のスタッフと働いてきたことで、インターネットでは命令したりコントロールしようとすればそこでやろうとしていることを窒息させてしまうと学びました。コントロールを手放すというのは簡単ではありませんが、われわれはそうやっていこうと決断したんです。他の陣営にもできるとは思いませんね。

 これがハワード・ディーン陣営でうまくいった理由はいくつもあります。まず、ディーンがああいう人物だということ。彼は他の人間とは違うんです。オープンで、事実に基づいて決断をし、そして人々がもう一度民主主義のプロセスに参加することが必要だと心から信じています。

 2番目に、このキャンペーンがこう言っていることです。「オーケー、われわれは人々の手にバットを、あるいはBlogを持たせて、それで人々に勝たせてもらうつもりだ。」と。

 そして3番目は、ヘルスケアに対してどういった意見であろうと、あるいは著作権でも、われわれが抱える他のどんな問題であっても、人々が単に不平をいうのをやめて、実際に民主主義のプロセスに参加しない限り――われわれのキャンペーンがそれに成功しない限り――立場に関係なく、それらの問題がちゃんと扱われたり解決されたりすることは決してないということです。なぜなら、今のところ、結局すべては金の問題になるからです。

 このキャンペーンが伝えようとしているのは、「ほら、こういう別の方法もあるんだ。議員1人につき33人のロビイストなんて必要ない。人々には参加して物事を変える力が実際にあるんだ」ということです。

 われわれのBlogがその助けになっていると思います。人々は実際にこのキャンペーンに参加しています。コミュニティに関して言えば、ディーン候補と異なる立場の人でさえ、われわれが共にそれを作り上げているということは理解してくれるはずです。だからわれわれがホワイトハウス入りしたときは、フェアな公聴会が開かれて、さきほど述べたような問題に対する本物の議論が行われると分かるはずです。

[ディーン候補からの電話で中断]

Trippi:いつになっても解決されない多くの問題があります。教授の扱う著作権とパブリックドメインの問題も含めて。理由の1つは、耳を傾けられる人物がいないということです。議員1人につき33人ものロビイストがいて、テレビ広告を買うためにとんでもない金額を集められるかどうかが問題というシステムでは、人々の参加というのは大した意味を持ちません。問題解決のプロセスへの参加を人々に奨励することも行われません。重要な問題を決定する議論に人々がインパクトを与えるすべがないんです。

 これもわれわれのキャンペーンが取り組んでいることのひとつです。ディーン候補は、そしてわれわれも、市民には民主主義のプロセスに関与する責任があると強く信じています。それがなければ自治とはいえません。ここ2・30年のあいだはそれが失われていました。これはジョージ・ブッシュの仕業ではありません。彼はわれわれが失ってしまったものを拡大して見せているにすぎないのです。

 必要なのは、人々がもう一度民主主義のプロセスに関与することです。もしそうなって、多くの人が小さな行動を起こせば――わずかな時間か、何ドルかを費やせば――われわれの推すような候補者を当選させて、政府をもう一度人々の手に取り戻すチャンスがあります。そして問題が提起されることを好まない権力によっていつも無視されてきた様々な問題に対する本物の議論を行うことができるでしょう。

 われわれは従来の大統領選とは別のレベルのキャンペーンを行おうとしています。雇用者に健康保険の導入を義務づけるよう主張しているのはどちらかについて2人の候補者が怒鳴りあう以上のことを。

LL:では、民主党の中道グループDemocratic_Leadership_Councilがあなた方のキャンペーンを非難した理由は、彼らがこうした形の民主主義に対して不安を感じているから?

Trippi:ええ。それはいいことだと思っています。われわれがこれほど多くの反対を――時には同じ党内からも――受けている理由は、非難する側が自分が支配権を握っているのを好むからです。彼らは、すくなくとも彼らの大部分は、現状維持を望んでいます。そしてもし人々が本当にこのプロセスに関わり始めて、例えばヘルスケアのような問題を特定利益団体に邪魔をさせずに取り上げるよう要求し始めることを恐れているんです。

 ですから、彼らがハワード・ディーンをあれほど激しく非難する理由の大部分は、このキャンペーンの目指すところと関わっているのだと思っています。彼らにとってはうれしい話ではありませんから。

LL:過去6カ月の間にインターネットで起きたもっとも驚くべき事は――あなた方のキャンペーンを除けば――メディア寡占化へのFCCの決定に対して非常に大きな反響が起こったことです。そしてこの反響のもっとも目立つ点のひとつは、それが党派の境界を超えて起きたということです。民主党支持者にも共和党支持者にも、FCCの決定に反対する世論があります。あなた方がディーンのキャンペーンによって作り出したいと考えているのはこういったものでしょうか?

Trippi:その通りです。なぜなら問題の多くは、テレビ政治がそう見せているのとは違って、本当はイデオロギー的なものではないからです。テレビやラジオ等での政治の扱いは政治のボキャブラリーというものを無意味にしました。何もかも分かりやすく単純に、「彼はマクガバンだ。彼はリベラルだ。」というふうに、何でも2語で扱おうとします。でも世界はもう少し複雑なものです。人々とはもっと複雑なのです。ハワード・ディーンは確実にもっと複雑です。そして私たちが抱える問題も。

 多くの問題には、政治的に幅広い立場からの支持があるものです。FCCの決定に対する反対はよい例です。しかし、それでもまだ政府にこの問題を取り上げようという動きはありません。メディア集中の問題に関していえば、FCCはいまだに目立たないようにその決定を通そうとしていますが、それには驚くべき反響が起きています。これこそわれわれがこのキャンペーンでやろうとしていること、つまり再び世の中を変える力を取り戻したいという人々の望みをつなげてゆくことです。われわれのキャンペーンはそのためのプラットフォームなのです。

 もし成功すれば、われわれは政治のプロセスに非常に大きな変化をもたらしたことになります。選挙キャンペーンがどのように資金を獲得するかについての大きな変化であり、人々がどのように再び政治に関わってゆくかについての大きな変化です。われわれは人々が参加する民主主義を取り戻すことになるでしょう。そこでは、人々がそう望んだ問題がちゃんと取り上げられるのです。

 われわれにとって最大のハードルは、自分たちは物事を変えられるのだという考えに対する人々の不信感です。そして人々がこの不信感を克服しつつある場所のひとつがインターネットだと思います。Blogに参加する時のコミュニティの感覚、あるいはFCCの決定に反対する行動に参加する時など、毎日ますます多くの人が「待てよ、ここなら俺たちにも何かやれる力があるみたいだぞ。」と気付き始めています。彼らはFCCの決定に対する反響と、議会がそれにどう反応したかを見ています。彼らはまたわれわれのキャンペーンにも注目していると思います。

 これはただ皆が25ドルずつ献金するというだけの話じゃないんです。25ドル出すという1人の行動だけでは大した意味はありません。しかし本当に多くの人がそうすることによって、1つ1つは小さな事であっても、それで民主党の大統領選候補レースに大波乱を起こせることに意味があります。これは「私たちには本当にシステムを変える力がある」という意味で同じことだと思います。

 しかし一方では、候補者という立場の難しさもあります。彼は本気で言っているのか?という無理もない皮相な見方があります。彼は本物か?それとも他の奴らと同じなのか?と。

 われわれのキャンペーンは毎日これをはっきりさせるために努力していますが、これもBlogの果たしている役割のひとつです。毎日、朝でも晩でも、Blogでいま何が起きているのかをチェックでき、人々が進んでこのキャンペーンを作り出しているのを感じることができます。そしてこういったつながりを通じて、「もしかしたら彼らは本当に他とは違うかも知れない、このキャンペーンは本当に他と違うのかも知れないぞ」と気づき始めるのです。

 ありきたりの、壁紙が張ってあるウェブサイトでどうやってこれを行うのか私には分かりません。でもBlogなら、何カ月にもわたって共に意見を交換したり話し合うことを通じて、読者の間に深いつながりを作り出すことができます。

すくなくとも、私はそうあって欲しいと思っています。

LL:では、Blogのアーキテクチャが人々のより深い関与を可能にしている? テレビや従来の方法よりも?

Trippi:まさにその通りです。参加者同士のアイデアの交換があるからこそ、Blogにはテレビや静的なウェブサイトよりも深いつながりが生まれるのだと私は信じています。

LL:もうひとつ質問を。カネの話をしましょう。ずばり今の具体的な数字は?献金の平均は?この成功には驚かされた、それとも予定通り?それにチェイニーの昼食会の話も。

Trippi:数字について。これまでに22万4000人がディーンをサポートするために登録しています。

チェイニー・ランチについて。チェイニー副大統領はおよそ125人から2000ドルずつ、合計25万ドルを調達しました。われわれの陣営には9700人の人々から、平均でおよそ53ドルずつ、合計50万8000ドルが集まりました。

 でもいくつか驚かされたことがあります。支持者たちがこのチェイニー副大統領の昼食会に対抗するアイデアに反応して、それが25万ドルに達することについてはほとんど疑っていませんでした。ですがそれがこんなに早いとは想像もしませんでした。われわれのメールを捨てずに読んでくれる人は半分もいないだろうと思ってましたし、金曜も遅くなってからメールを出したので、多くの人はそのまま週末出かけて、帰ってくるまでこんな話があったことすら気づかないだろうと考えていました。だからこれには驚かされました。

 一方では、そうですね、われわれがこれをやっているのは集金のためではないんだということはずっと分かっていました。そもそもの最初の日から、ネット上で何かを組織するだけでは十分ではないと信じていました。われわれは人々に、このオンラインコミュニティを、オフラインのコミュニティを作り出すために利用してもらいたかったんです。そして素晴らしい、本当に素晴らしいことが起きています。

 例えば、われわれにはオースティン地区の481人が登録しているメーリングリストがあるんですが、そこに「そちらでイベントをします」と知らせました。着いてみると3200人の人々がいました。3200人が集まった理由は、メールを受け取った481人がフライヤーをダウンロードして、ラテン系コミュニティやちょうど行われていた市の選挙でそれを配ったり、知り合いに電話をかけたりといったことを自分たちで行っていたからでした。

 こんなことが常に起こっています。シアトルにいったときには、1200人が参加しました。そのうち半分はこれまで政治活動に関わったことがない人々です。それが皆Blogを訪れたりわれわれのツールを利用した少人数のグループによって集まりました。これらはすべてわれわれが作り上げているディーン・コミュニティの一部です。

 これがわれわれがコミュニティを築いている理由です。それが支持者の貢献を集めることは当然分かっていましたが、その規模には本当に驚かされています。献金が集まることは分かっていましたが、6月30日までで8万3000人以上、合計で数百万ドルに達するとは考えてもいませんでした。

 チェイニー・チャレンジが並べて見せたもの――3ドルのサンドイッチを手にBlogするディーン候補に対して2000ドルのランチを前にしたチェイニー副大統領――は、われわれがこのキャンペーンで示そうとしているポイントを実によく表しています。われわれがこれを続けて、もっと多くの人々に理解してもらうことができれば、これが違いをもたらします。あちらの陣営が企業献金と団体が組織したPAC[政治活動委員]からの数千ドルに頼るとすれば、上限である2000ドルずつの献金を受けるキャンペーン対、25ドルから100ドルを数十万人から集めるキャンペーンということです。ジョージ・ブッシュと対等に戦えるようになれば、これがわれわれが彼に勝つ方法です。ブッシュはアメリカの大衆に対抗する選挙戦をしているということになり、アメリカの大衆は彼らに耳を傾けないシステムに対して選挙戦をしていることになります。人々はそのシステムを改めようとするでしょう。

 そうなれば、重要なのに誰も手をつけようとしないさまざまな問題に取り組むことができます。FCCは反対を無視して決定を通すことができればそうしていたでしょうし、75万人がワシントンに対して反対を表明していなければ、大統領と取り巻きもそれを押し通していたでしょう。

これがわれわれのキャンペーンがやろうとしていることです。

 われわれはいまだに毎日学び続けています。ディーンは当初Blogが何なのかさえ知りませんでした。でも彼は「Blogって何?」から「なんでホワイトハウスにBlogがないなんてことがあり得るんだ?」まで来ました。彼にとっては全てのことが学習プロセスで、それはすばらしいことだと私は思います。これはどちらにとってもよいことです。日々学んでゆく候補者にとっても、ネットを通じてわれわれの国が抱える問題について学ぶ人々にとっても。インターネットやBlogについて興味をもって、それを体験しようとする大統領候補がいるということです。一部は彼にとって全く初めての経験で、時には人々の期待どおりにいかないこともありますが、学ぼうとする彼を見るのは面白いことです。彼が日々発見しているのはわれわれが3年前から知っていたことですが、大統領候補が私たちが発見したのと同じ事を発見しているのを見るのはすごいことです。本当にクールです。

 彼がインターネットやBlogに触れ、学んでゆくのを見るのは楽しいものです。私はまだほとんどの人がネットというものを知らなかったころからのユーザで、ネットの移り変わりを見てきました。だからディーン候補を見るのが面白く思えます。これまでこうしたものに何の興味もないという人物たちのために働いてきましたから。普通の人はそうしたものです。

 そしてわれわれも毎日学んでいます。私もです。私はいまだに何がうまくいって何がだめなのか知ろうとしています。われわれにはまだまだたくさん学ぶことがあるでしょう。

 それでも、Blogは本当に大成功でした。私たちは多くを学び、どうやって前に進むかについてたくさんのアイデアを得ることができました。チェイニーの昼食会に対抗したときもです。日曜日までに25万ドルが集まりましたが、支持者の半分は「月曜までは献金しないよ。月曜まで締め切らないでくれ。チェイニーが例の昼食会に出てるのを見てから献金するつもりだ」といい、もう半分は「目標を達成したぞ!」というんです。どうすればいいのか分かりませんでした。でもBlogのコメントを読んでいたら、われわれがどうすべきなのかあっという間に分かりました。それがうまくいって、皆が大喜びでした。ほとんどリアルタイムで皆が力とアイデアを出し合ったんです。そして大成功しました。

3ドルの七面鳥サンドイッチで50万8000ドル集まることに文句をいえる人がいますか?

[オリジナルポスト 8月19日午前6時57分]
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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