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クシニッチ議員

2003/08/25 18:22
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プロフィール

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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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 少年の頃の私にとって、デニス・クシニッチはある種の政治的ヒーローだった。彼がクリーブランド市長に、主要都市の市長としては史上最年少で選出されたとき、私は高校生だった。当時の私は政治に熱中していた。
 「ある種の」ヒーローと書いた理由は、当時の私は右翼の愚か者だったからだ(ペンシルバニア州のティーンエイジ共和党員組織の会長で、1980年の共和党大会へ出席した使節団の最年少メンバーだった)。私は彼の情熱と人物には敬服していたが、彼の政策には我慢がならなかった。

 この25年間で、私もすこしだけ成長した。今の私は、まあ、右翼の馬鹿者ではないし、政治には全く心惹かれない。だが、私はいまだにデニス・クシニッチを尊敬している――今は以前よりもずっと。彼の反自由貿易の話は(まだ?)受け入れられないが、この注目すべき大統領選のなかで、彼のあげる声は力強く正しいものだ。

 もちろん、彼がクリエイティブコモンズを採用していることで少しだけひいき目に見てはいる。彼はBlogに最初からCCライセンスを採用していた。だが私の基準は常に人物そのものであり、それを測るのは、その人物が――もたらされる結果に関わらず――自分が正しいと信じることを口にできるかどうかだ。

 一方にはノースカロライナでアファーマティブ・アクションを擁護したエドワーズ候補がおり、また一方にはイラクとの戦争に反対したディーン候補がいる。そしてクシニッチ議員は、ここでも他のどの場所でも、自分の信念をはっきりと表明している――それが彼にとって有利になるかどうかに関わらず。

 彼のジョン・ギルモアについての記事がその例だ。この出来事を巡る論争には大いに驚かされてきた。論争を読んだ私は、市民の権利の問題に対する態度によって、2つのタイプの人々が存在することに気づいた。われわれを分かつのは市民の権利自体を支持するかどうかではない――もちろん誰もが(話題にするほどの価値がある人間なら)これを支持している。問題はそれをどのように支持しているかだ。
 (1)一方の人々は、意図的か過失かを問わず、人々の権利が侵害されたときは、それに抗議することは侵害された側の権利(あるいは義務)であると考える――その抗議が招く結果に関わらずに。
 (2)もう一方は、少なくとも過失による場合は、権利の侵害があったとしても、その場やもたらされる結果を考慮したうえで、侵害に対して抗議するかしないかを決める人々だ。

 2番目のタイプがわれわれの主流派を占めている。われわれは“分別ある”人間だ。アップルのコマーシャルで取り上げられることはない。われわれは他の皆とおなじことをする。その必要があれば、あらゆる衝動に抗して、2番目のタイプでいようとする自分と戦わねばならない時もあるとは私にも分かっている。これまでの人生でそれに成功したことも幾度かある――だが、ほんの僅かでしかない。

 ジョン・ギルモアは最初のタイプの人間だ――今回の出来事でも、その他の場合でも。(例えば彼はかつて、Eviteのサービスを使って彼をパーティーに招待した私の妻を叱ったことがある。なぜなら、彼の信じるところによれば、パーティーへの招待に応えるためだけに、プライバシーをeviteに公開するよう彼に求めるのは間違いだから、だそうだ)。彼の主張の元にある価値観に常に同意できるわけではないものの(彼が私の妻を叱るのは間違っていると思うし、Eviteは優れたサービスだ)、タイプ2たちの世界でタイプ1になれる能力には本当に敬服している――それを支える価値観が私にとって納得できるものである場合は特に(今回のブリティッシュ・エアウェイズの件のように)。

 だからこそ、私はクシニッチに同意する。ギルモアは愛国者だ。権力を行使する側の理性が今まで以上に求められている今、彼がとったのは愛国者の行動だ(「愛国者法/Patriot Act」とは違って)。そして私は、この場所でそう発言するクシニッチの意志に敬意を表する。議論へのもっとも理性的な参加者たちが強く反対の意見を表明しているこのBlogにおいてだ。これは私がいまだにレーガンを尊敬する(唯一の)点であり、クシニッチ議員をますます尊敬する点でもある。

 この場所に時間を割いてくれてありがとう、クシニッチ議員。そして、あなたの進めるキャンペーンのありかたにも感謝させてもらいたい。

[オリジナルポスト 8月17日午後1時37分]
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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