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「おれたちのマスト丼はまだ始まったばかりだ!」

2017/04/16 11:30
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プロフィール

クロサカタツヤ / KUROSAKA, Tatsuya

インターネットや通信、放送サービスが大きく変容する中、産業、政策、技術開発等の最新動向や、情報通信サービスと社会の関係性を考える上での「新たな視点」を、さまざまな分野でコンサルティング活動をしているクロサカタツヤ氏がお届けします。
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mstdn.jpが立ち上がって、数日が経ちました。相変わらずのうっかり八兵衛なので、ぼくも「由美かおるイネガー」と早々にアカウントを作りました。

https://mstdn.jp/@tekusuke


それから数日経った現時点の感想ですが、やはりmastodonはセキュリティが怖い。

まずは使ってみようとアカウントを作る当初、最初にメールアドレスとパスワードを求められたときに「うっ」となって、捨てメアドと捨てパス(なんぞそれ)を使っています。

一方、そういうことを考えない人には、野良的なインスタンスにメアドとパスワードぶっこ抜かれるリスクがあることに、気づけない仕組みになってると思います。そしてどのインスタンスが野良なのか違うのかなんて、ほとんどの人にはわからない。というか「インスタンスって何?」という反応がほとんどでしょうね。

そのあたりも含め、インターネットの信頼性を高めるために近年多くの人が費やしている努力を、mastodonが(分散思想以外で)どの程度折り込んでいるのかが、ほとんど分からない。


さらに言えば、mstdn.jpのサーバ移転にまつわるIDの消失で、とても雑だという第一印象が、ぼくの中では形成されてしまいました。

 「mstdn.jp」サーバ移転完了 データは全消去、再度ユーザー登録を - ITmedia NEWS

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/15/news020.html

それは必ずしもmastodonの問題ではなくmstdn.jpの運営の問題でもあるけど、そうした運営の一貫性が担保しきれないアーキテクチャ特性を考えると、前述の「第一印象」を誰がどう挽回してくれるのか、その道筋がまだ見えません。


ツイッターがスタートしてから10年余り、なのでmastodonがその頃に登場してたら、また違った印象だったかもしれません。でも、この10年で生じたインターネットの社会的位置づけの変化で、その責任が無茶苦茶重くなっている。開発・運営主体が個人か事業者かの如何を問わず、です。

従って、現状のままではmastodonには積極的に関与できない。開発・運営は言うに及ばず、利用者としても、です。利用者にも一定以上の責任が生じるのが、SNS時代ですからね。


ぼくだって頭ごなしに否定はしたくないんですよ。でもね、コンテンツとノリだけでウェーイって走って、問題が出てきたらみんなで解決して、少しずつ品質を高めていくっていう発想も、たぶん通用しづらくなってると思うんです。少なくとも初期的に期待される水準が、大きく上昇している。それがどんなに「息苦しい」としても。

おそらく、スマートフォンとSNSによって、インターネットの「浸透」は大きく広がり、また深まったのでしょう。その結果として、新しい技術を社会実装するためのサンドボックスとしての役割を、インターネットはもう終えつつあるということなのだと思います。

だとしたら、インターネットで不安定なサービスを無理に守ろうとするのではなく、インターネットに代わる新たなサンドボックスを見つけた方がいいのかもしれません。一方で、それが何かが見えない現在はものすごい閉塞感ですし、ぼくは個人的にはインターネットが好きなので、それでいいのかって自問はしたいんですけどね。ここはずっとモヤモヤしたままです。


もちろん、mastodonを全否定するつもりはありません。個別のインスタンスの立て方や管理手法によって、「マイクロツイッター」のような役割を果たす可能性はあると思います。ビジネスシーンではそうしたコミュニケーション形態が一定のニーズがあることが顕在化していますし、趣味の世界でも期待できる可能性はありますね(それこそ悪夢だって青少年保護方面の文脈からの懸念は考えられますが、現状でそこまで追い詰めるべきではないでしょう)。

ただ、広く一般に向けた情報発信やコミュニケーションの基盤としては、facebookグループの「クロサカさんの仕事部屋」でもご指摘いただいた通り(リンク)、今日現在はツイッターライクのUIを備えた、モダンなIRCだ(またはそれに過ぎない)という指摘が、今のところやはり腑に落ちます。それゆえに、その長所と短所を分かってる人が使うというのが、現時点で期待される合理的な使われ方じゃないかと思っています。


結論としては「おれたちのマスト丼はまだ始まったばかりだ!(未完)」という感じでしょうか。

 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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