お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

他人の悪口を言うのが好きな人にとってSNSは麻薬かもしれないという雑記

2017/02/27 13:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

クロサカタツヤ / KUROSAKA, Tatsuya

インターネットや通信、放送サービスが大きく変容する中、産業、政策、技術開発等の最新動向や、情報通信サービスと社会の関係性を考える上での「新たな視点」を、さまざまな分野でコンサルティング活動をしているクロサカタツヤ氏がお届けします。
ブログ管理

最近のエントリー


他人の悪口を言うのが好きな人は、「他人も自分の悪口を言うのが好きに違いない」という心理に陥っているのかもしれません。

仮にそうだとすると、これはラカン派のいうパラノイアに近い。妄想型統合失調症を含む症状の可能性があるということです(浅田彰の「パラノ」とは別のもの(のはず)です)。

SNS慣れしている方にとっては「単なる粘着質な人の話に何を大げさな」と思われるかもしれません。あるいは、医師でもないのに何を言う、というお考えもあろうかと思います。が、とりあえず続けます。

冷静に考えてみれば、まず「他人も自分の悪口を言うのが好き」という認識自体が、かなりひどい妄想です。

なにしろ当たり前の現実ですが、みんなそんなにヒマじゃない。まずは自分、そして家族、あとはせいぜい近くにいる人たちを思うだけで精一杯。これが普通の人の日常なのは、多くの方がご承知のことでしょう。

しかしこういう症状の人は、この事実を受け入れられない。だから何かきっかけがあると、「あいつは私の悪口を…」という妄想が頭の中で響いてしまう。そしてカタルシスを得るために悪口を言う。

このカタルシスを、トイレの中の独り言で済ませているなら、「粘着質な人だなあ」と揶揄される程度で社会生活を送れているのかもしれない(それもそれでよくはないけど)。

一方SNSでカタルシスとして吐き出した悪口には、「そうだそうだ」と、RTやfavやいいね!をする人がいる。そうして外部から実体を与えてしまうと、「ほらみろ!私の頭に浮かんが妄想は、現実だったんだ!」と胸を張る。

これは悪口を言う人たちにとって、猛烈に危険です。なぜなら「そうだそうだ」の人たちは、別にパラノイアを共有しているとは限らないから。というか冷静に考えれば、妄想は特定個人の脳内の話なので、誰かと共有できるはずもないんです。

だから「そうだそうだ」の人たちも、結局はただの野次馬だったり、なんとなくおもしろくて反応してしまっているだけ、かもしれない。というかまあ、ほとんどそうでしょう。

そして野次馬は野次馬ゆえに、いずれいなくなる。すると、梯子は簡単に外される。転落した時のダメージは、ものすごく大きい。

その時、治療を開始するか。あるいはさらなるカタルシスを求めてSNSという「麻薬」に再び手を染めていくのか。

事態が厄介で複雑なのは、SNSは「多くの人にとっては麻薬ではない」ということです。ほとんどの人にとっては単なる便利な情報やコミュニケーションのツールだから「何言ってるの?」と思われてしまう。おそらく、ここまでの物言い自体が、多くの人にとっては意味不明でしょう。

しかし、SNSが麻薬のように作用する人もいる。そしてその場合、自らを破滅させるほどの劇症的な症状をもたらしかねない。

実際、梯子を外されて大怪我をしている人たちを、これまでも数多く見てきました。そしてその中には、その怪我で我に返る人、誰かに助けられる人、あるいは残念ながらさらにSNSにはまり込む人、という類型があることも、さすがに認識できるようになりました。

共通するのは、大怪我するくらいの人たちは、もはや本人では自分が梯子の上に登っていることを自覚できないくらい、症状が重篤だということ。おそらく多くの精神疾患がそうであるように、その人たちが回復するためには、誰かの手助けが必要なんだと思います。

ただ、それくらい重篤である以上、うかつに手を差し伸べると巻き込まれてしまう。だから軽い気持ちでは関わらない方がいい。

前述を繰り返すなら、自分や家族、または近くにいる人たちを思うだけで精一杯の、つまりほとんどの普通の人にとっては、「無条件に距離を置くべき」です。

そしてそれは私自身も同様です。かつて仲が良かったとしても、あるいはそうでなかったとしても、大怪我している人たちを見るのは気の毒です。しかし、自ら立ち直ってもらうしかない。

そんなことを、モバイルワールドコングレス2017への参加で訪れているバルセロナで、朝のコーヒーを飲みながら、ぼんやり考えていました。言いたかったのはそれです。あー、コーヒーおいしいな。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー