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英国のEU離脱について

2016/07/02 09:30
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クロサカタツヤ / KUROSAKA, Tatsuya

インターネットや通信、放送サービスが大きく変容する中、産業、政策、技術開発等の最新動向や、情報通信サービスと社会の関係性を考える上での「新たな視点」を、さまざまな分野でコンサルティング活動をしているクロサカタツヤ氏がお届けします。
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6月28日に放映された、フジテレビ系ホウドウキョク「あしたのコンパス」(リンク)で、英国のEU離脱(いわゆるBREXIT)についてコメントしました。


現時点での話ではありますが、割とよくまとめられた気がするので、こちらにも掲載しておきます。


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(1)離脱までの2年間に日本ができることは何か?

英国とEUの交渉に直接介入することはできない(してはいけない)ので、離脱後の日英間、及び日EU間の対応が中心になろうかと思います。まずは英国がEUに加盟していたことを前提に結ばれている条約や契約等を総点検し、必要に応じて修正や新たな条約・契約の締結等が必要でしょう。また、影響分析を念入りに進めた上で、投資判断等の事業戦略、また通商・防衛分野等の国家戦略も、改めて検討する必要に迫られるでしょう。


(2)今後の為替の動向は?

中国経済や自然災害等、他の要因もありえますので、あくまで「英国のEU離脱」に基づく基調という意味においてですが、ポンドは当面全方位的に弱含みます。ユーロは離脱の影響を織り込んだ後はある程度は回復するでしょう。相対的に米ドルと日本円が安定するので、これらの通貨に対して両方が強く、なかでも政権や財政状態が安定している日本円が強く評価される状態、すなわち全方位的に円高基調が当面強まると考えられます。


(3)日本企業のとるべき選択は?

単純に考えれば、EUとの取引(英国で生産しEUに出荷する等)が主流の企業であれば、EU加盟国側への拠点移転は不可避でしょう。こうした動きが出てくるのは当然と言えます。

一方、今後の英国のポジション形成に日本が関与し、互恵関係を目指すというオプションもありえます。特に伝統的にアングロサクソン(米英カナダ)は一枚岩になりやすく、日本とも価値感や防衛分野の利害が一致していることから、「新たなコモンウェルス」の形成に向けて、日本企業が積極的に関与することは、十分考えるべきではないかと思います。


(4)英国EU離脱が日本に与える影響は?

為替等の国際金融市場の影響はありますが、短期的かつ直接的には、コントロール可能なリスクの範囲内にとどまると思います。

一方、英国はEUの商圏を失うことでしばし弱体化することが見込まれており、その隙に中国が英国への影響力を強める可能性は否定できません。英国が保有する資源や市場の権益、また英国企業の株式等を、AIIB等の機関を通じたアプローチも含め、中国が取得していくことはある程度予想されます。

その際、人民元による支払いを英国が受け入れると、英国(ロンドン)が欧州における人民元市場として台頭し、中国の長年の願望である人民元の基軸通貨化が一歩進むことにもなりえます。こうした状勢を我が国として許容するのか、あるいはそれがやむを得ない場合の対抗策をどのように考えるのか、入念な分析による準備が必要です。


※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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