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やまもといちろうさんとイケダハヤトさんのネット論壇プロレスについて少々

2013/02/11 09:00
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プロフィール

クロサカタツヤ / KUROSAKA, Tatsuya

インターネットや通信、放送サービスが大きく変容する中、産業、政策、技術開発等の最新動向や、情報通信サービスと社会の関係性を考える上での「新たな視点」を、さまざまな分野でコンサルティング活動をしているクロサカタツヤ氏がお届けします。
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少々といいつつ例によって長文となりますことをお許しください。
 
本件に関するポインタは、どこにどうあるかあまり追いかけていないので、ひとまずやまもとさんの最新のエントリへのリンクを貼り付けておきます。
 
イケダ師とのイベントの帰趨は、まさかの徳力基彦さんにお願いする模様
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2013/02/post-ac13.html
 
その上で、はじめに本件に関する私自身のポジションを明らかにしておきますと、やまもとさんと私はたまにビジネスをご一緒する仲であり、また同世代の塾員として似たような価値観で育った人間でもあるので、基本的に仲はいいと思っています。以前は阿佐ヶ谷ロフトで「通信業界ナイト」をご一緒しましたしね。あれはプロレスというより最初から感想戦みたいな感じでした。
 
一方イケダさんとは、お目にかかったことはありません。いじられて気の毒に思うことはありますし、私自身は「一貫性を過度に求めるのは中2」だと思っているので、彼への批判は必ずしも妥当ではないと思うこともあります。ただ、物言いが稚拙で慇懃無礼なのと、「同じ言葉でも発する人によって受け取られ方が変わる」という原則を無視しているような嫌いを感じ、あまりおつきあいしようというモチベーションはわきません。
 
すなわち私自身の背景からすれば中立ではない、というところをご了承いただいた上で、それでも本件については観客席から淡々とプロレスを眺めておりました。というか私自身はネット論壇プロレスは以前から「たまに見るもの」という感じでして、すべてを見るわけでもなく、また間違っても自分がリングには上がりたくないという人間です。
 
そんな私ですが、どうも今回のプロレスは、これまで以上に、おもしろくない。やまもとさんとイケダさんという屈指の好カードにも関わらず、観客の無責任な立場からすれば、もう席を立って帰ろうかな、と思っている自分がここにいます。
 
好カードゆえに事前の期待値が高すぎたのは一因かもしれません。そしてその割に、いつまで経っても試合が始まらず、試合が始まらないことを試合にしているような、そんな状況になっています。「猪木対アリ」といいますか、マイクパフォーマンスのみの試合というか、そんな印象を受けます。
 
ただ、仮に今回スケジュール通りにマッチアップがなされていたとして、開催されるイベントを観に行ったかと問われると、おそらく行かなかったでしょう。またネットで流れてくる様子に注視していたかといえば、たまたま時間があって目に入れば、というくらいだったように思います。
 
私個人としては、生活の変化が背景の一つにあるのは、間違いありません。仕事が猛烈に忙しくなり、一方で子育ては佳境を迎え、このところ平日は明け方前から仕事をしていますし、休日は原則として子供対応を優先しています。こうなると、もとより関心が高くないものごとに割く時間は、半ば自動的に減っていきます。
 
しかし今回「なんだかつまらない」というツイートを発したところ、予想以上に共感の声をいただきました。
 
一つは「盛り上がっているのはプロレス関係者ばかり」、いわばファン不在という批判です。これは私も感じていました。もちろんファンとて受け身であるのが好ましいわけではなく、自分から積極的に盛り上がる必要があるとは思います。しかし今回のカードは、どうもそうした気分になりにくい。敷居が高いというか、門戸が開かれていない感じがするのです。
 
これはあくまで仮説の仮説、という状況なのですが、「やまもとさん対イケダさん」という高い水準のプロレスでさえも、私たちはもはや「内輪の話」のように感じてしまうくらい、私たちは時事の話題を「ネタとして消費する」ことに、慣れきってしまったのかもしれません。
 
アルジェリアの話があった、女子柔道の体罰問題があった、PM2.5が大変だ、遠隔操作事件で逮捕者が出た、それをツイッターなどでみんなで話して盛り上がった。それに比べて「やまもと対イケダ」では話が小さすぎるし、入り口がどこにあるのかもよく分からず、どうにも内輪っぽい--もしやそんなふうに感じているのかもしれません。なにしろ個人的に親しいはずのやまもとさんが参戦する本件でさえ、私自身がそんな印象を受けているのですから…まあそれがむしろ自然なのかもしれませんが。
 
あと、世紀の対決のはずなのに、どうも既視感があるという気もします。これは、やまもとさんとイケダさんの構え方によるところも、あるはずです。
 
今回は、イケダさんの「暴走青年」ぶりをやまもとさんが彼流のオモシロ論調でたしなめる、というのが基本的な構図です。しかし、あまり背景をきちんと追いかけていない一見さんからすると、「最近の若者は…」的説教をする/されるという関係に見えてしまうように思います。しかも、やまもとさんの主張が真っ当であればあるほど、その見え方が強化されるという、なんとも悩ましい性質を有しています。
 
考えてみれば、これまでイケダさんを批判してきた向きの多くは、ことごとくそうした構図に落とし込まれ、主張は真っ当なのにいつの間にか「説教中年」のレッテルを貼られているように思います。
 
イケダさんが仮にそうした性質を自覚して、あえて「説教される暴走青年」のポジションを死守しようとしているのであれば、これはこれでなかなかしたたかな戦略だと言えるでしょう。そしてそういう意味では、そうしたイケダさんペースの構図を、やまもとさんには乗り越えていただきたいという、そういう期待の裏返しとしての、不満なのかもしれません。
 
なんだか自分でもよく分からなくなってきたのでこのへんでやめておきますが、こうした「アジェンダの相対化と陳腐化」とでもいいますか、そうした傾向と、それに伴うモヤモヤ感は、私自身の仕事の一環としても、もはや避けられないテーマであり、日々悩んでいるところです。特に私は、通信セクターや放送セクターという、いわば「マス」を相手にする産業のお手伝いを生業とするものであり、市場の変化をどう解釈するか、という観点において、まったく他人事ではないのであります。
 
文末となりましたが、徳力さんのご活躍を祈念しております。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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