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CNET Japan ブログ

草なぎ剛〜素顔の告白〜

2009/04/25 12:39
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プロフィール

クロサカタツヤ / KUROSAKA, Tatsuya

インターネットや通信、放送サービスが大きく変容する中、産業、政策、技術開発等の最新動向や、情報通信サービスと社会の関係性を考える上での「新たな視点」を、さまざまな分野でコンサルティング活動をしているクロサカタツヤ氏がお届けします。
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草なぎ君の一連の騒動について、ジャニーズってダメージ・コントロールがうまいなあ、と改めて驚いたので、あくまで想像に基づいてメモしておく。ちなみにタイトルはジョージ・マイケル先生の名作映画からの借用。
 
 

初動による延焼防止

一つめは、まず逮捕直後の初動。報道されたかは分からないが、一般論としても「酔って、暴れて、保護シートで」というところで、まず間違いなく駆けつけた赤坂署の警官にかなり激しい暴力を振るっているものと思われる。一般通報で呼び出された警官が公衆の面前でフルボッコにされた手前、警察としては逮捕せざるを得ないだろう。

となると通常は公務執行妨害もしくは傷害罪(暴行罪)の適用となってしまうが、おそらくこの段階で第一報を受けたジャニーズは、弁護士を至急赤坂署に向かわせ、警察と協議を行っているのではないか。というのは、緊急逮捕であれば、どのような容疑にするかは、取り調べの過程の中で定まるから、逮捕直後であれば、まだ介入する余地はある。

普通に考えて、ヨッパライが服を脱いで誰かを殴るというのは珍しいことではない。はっきり言って、一晩留置所で反省すればオーケーという範囲である。となると無理に公務執行妨害もしくは傷害罪で立件しても、警察としては後が面倒ということになる。確か「稲垣メンバー」の時も、公務執行妨害は後で取り下げられていたと記憶している。

そこでおそらくジャニーズ側と警察で、当初容疑である「公然わいせつ」で手を打ったのだろう。いかめしい罪名ではあるが、法定刑の重さとしては、「公然わいせつ<公務執行妨害<傷害罪」であり、一泊二日コースで問題を収めるには妥当な判断だと思う。

ちなみに、「公然わいせつ」という罪名のいかめしさが持つレピュテーション・リスクは、一般人ならばある。特にサラリーマンが「公然わいせつで逮捕」と会社に連絡が入ったら、まあクビは免れないだろう。しかしそもそもは法律側の問題であり、特にジャニーズであれば、マスメディアのコントロールでなんとかなる。
 
 

巧妙な記者会見

二つめは、記者会見の巧みな設計である。土曜朝のワイドショーものを眺めた限りの判断だが、論点としては

1)釈放後すぐに開催された記者会見
2)草なぎ君自身の過失であり、以前から酒ぐせが悪かったこと
3)本人は反省しつつ復帰を強く望んでいること
4)その上で世論に委ねること

というあたりに整理できる。

まず1)について、釈放後すぐに記者会見を行うというところが、ダメージ・コントロール上で重要だ。米国ならいざしらず、日本においては、怒られた時にはすぐ謝るのがなにより鉄則。その上でさらに重要なのは、記者から草なぎ君がフルボッコにされなかったこと。そのため結果として「ああ草なぎ君は反省してるのね」という認識の形成に寄与しているはずだ。

こう書くと、ジャニーズがマスメディアを支配しているから云々、という話になりがちだ。もちろんそれも大いにあるのだが、おそらく今回ジャニーズは、mixiや2ちゃんを含めたネット界隈の意見を相当注意深く分析し、結果として「世論はこの程度の犯罪では大して怒っていない」という確信を得た上で記者会見に臨んでいると思われる。

そしてそんなに怒っていないのであれば、2)のように「以前から酒ぐせが悪くて、とうとうやっちゃいました」という文脈を先んじて形成することで、記者側の強いツッコミを抑えつつ、反省を述べることができる。こうすればあくまで草なぎ君個人の問題であり、であればこれまでの草なぎ君の善良な言動に免じて赦しを乞うことが可能となる。

また草なぎ君自身の責任に帰することで、「酒を飲むことが悪」という意識を出現させないということも重要だ。マスメディアの壮絶な不況下、最重要広告主の一つである酒造メーカーを怒らせるのは、ジャニーズとしても御法度である。酒が悪いのではなく、草なぎ君が悪い、という論調に持ち込むことで、各方面にも配慮したことになる。

一方でジャニーズ側の強い意志を感じたのは、3)のSMAPへの復帰意志である。草なぎ君は明確に「復帰したい」と即答しており、これはジャニーズ側の意向でもある。大したことのない罪で、草なぎ君も反省しており、これまでの草なぎ君に免じて赦してもらえれば、あとは復帰の意志を表明しておくことで、「じゃあいつ?」という次のステップに議論を持ち込める。

その上で最後の締めくくりは、4)の世論次第、というところだ。この程度の罪であれば、日本では75日くらい待てばオーケー、ということになっている。というわけで夏の改編期はもう間に合わないけど、秋くらいは大丈夫だろうから、ガッキーと一緒に出演した映画あたりは予定通り封切りされることを目論んでいるはずだ。
 
 

アウトサイドの落ち穂拾い

以上、あれこれ論じてきたが、酔っぱらって脱いで騒ぐなんて、もとより大した問題ではない。それこそ慎吾ちゃんと抱き合っていたのを発見されたというような話であれば「それなんて北公次」ということとなるが、米国ではジョージ・マイケル先生が公園のトイレでもっと大変なことになってしまったにもかかわらず、それをネタして「レッツゴーアウトサイド」とか歌っていて素敵すぎる。今回の草なぎ君の一件も、それ単体としては、ネタを投下してくれてありがとう、というところだろう。特にtumblr中毒の方々は足を向けて眠れないはずだ。

というわけで草なぎ君とジャニーズ自体は、ほぼ問題の最初のフェーズは乗り切ったと私は見ている。現在出演中の番組やCMなどはこれからお詫び行脚というところだろうが、とはいえもはやSMAP以外にも看板を有するジャニーズだから、既存ステイクホルダーに関して、そのリスク管理はもはやテレビ局、広告代理店、広告主で一蓮托生ということになる。

むしろそのあたりを敷衍して考えると、この草なぎ君の一件が、マスメディアの産業構造変化の節目になっている可能性はある。実はそのあたりは、たまたま逮捕されたその日の晩に飲んでいた津田さんと話していて、私も少なからず感じていたことである。そんなわけで、いずれどこかで整理しようと思うが、重いテーマであり、私がお手伝いしている案件などにも直接影響する話なので、結果としてはエントリでは書けないかもしれない。

あとはいくつか周辺での展開を落ち穂拾いしておくと、まず総務省周辺から。翔君パパの件は、私自身がステイクホルダーでもあるので、ここではパスするとして、鳩山総務相についてはその暴言居士ぶりが今回も遺憾なく発揮されたことは大変楽しかった。これにより、彼がスーパー官庁である総務省をさらにウルトラ官庁、すなわち戦前の内務省と同じような組織にしたがっているということが浮き彫りになったわけで、興味深い。

家宅捜索については、麻取がいくつか内偵に入っている事案があり、カウンターとして動きやすかったのだろう。でも空振りに終わっているので、やるときはもうちょっと精度上げないと多方面に迷惑をかけるから気をつけましょうね、というところ。とはいえ縦のラインからは「夕方までには釈放」というのが出ていて、横のラインでは連絡が取りづらいとなると、叩かれたり怒られるリスクを覚悟で動いてしまった熱血漢が現場にいたということだろう。各論として自分の身の回りに出現すると鬱陶しいが、総論としてはご苦労様というところか。
 
 

予想外に気の毒な展開

一方、ジャニーズの直接的なステイクホルダーじゃない方々は、ちょっと悲惨な展開かもしれない。たとえば島耕作の新社名発表が完全に吹っ飛んでしまい、数千万円単位の予算をかけてプロモーションを仕込んでいた講談社は涙目。ジャニーズはぜひ今後講談社にお詫びの商流を提供するか、せめて菓子折一つでも持っていくのが仁義というもの。でも天下のジャニーズ様はきっと広告主や代理店との契約でさえも損害賠償条項なんて入れないのではないか。

さらにそのあたりをあれこれ考えると、NTT東日本との契約がまだ残っていることになっているが、SMAPが出ているNTTのCMってもう正月くらいから流れていないよね、とか。ここで改めてNTT最強伝説が確認されつつ、SMAPをこれから使おうとしていた人たちが仮にいるとしたら、そんな予想外な展開にはさすがに枯れるまで涙を流すことだろう。ひとまずジャニーズはせめて子連れ狼のそっくりさんくらい見つけてくるべきだ。声だけ似てればいいのだから。

というわけで春先は酒を飲む機会も多いけれど、飲み過ぎで二日酔いになった挙げ句、仕事場で「すみません、聞いてませんでした」などというのは、仮にあなたが黒人であっても赤面しているのが公然と分かるくらい、社会人としては恥ずかしい。というわけで、酒は飲んでも飲まれるな、というのが今日のエントリの結論となる。

<追記>

NTT東日本のSMAPを起用したCMは、3月まで流れていたそうである。言われてみれば私も稲垣メンバーが出演していたCMに見覚えがあった。NTT最強伝説は確認されなかったということで。確かに、ついうっかり日本最高の利益を確保してしまったあたり、最近のNTTは非常に状況が厳しい。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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