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隠し砦の三Blogger

2007/07/26 12:47
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プロフィール

クロサカタツヤ / KUROSAKA, Tatsuya

インターネットや通信、放送サービスが大きく変容する中、産業、政策、技術開発等の最新動向や、情報通信サービスと社会の関係性を考える上での「新たな視点」を、さまざまな分野でコンサルティング活動をしているクロサカタツヤ氏がお届けします。
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お隣の渡辺聡さんが主宰するEmergingTechnology研究会に参加してきた。今回は「キャリア開発とBlog」というテーマで、先日アジャイルメディア・ネットワークの取締役に就任された徳力基彦さんをゲストに迎え、現状に至るまでのキャリアにBlogがどのような役割を果たしてきたかを三者三様に論じてみよう、というものだ。

これまでの過程や現状のポジション、それにBlogとのつきあい方がそれぞれ異なる三者ではある(特にBlog歴という意味ではお二方に比べ私は圧倒的に短い)。当日もその差異がコメントの端々に表れておもしろかった。その一方で、それでもどこか共通点があるようにも感じた。

自然とこうなった
まず3人に共通していたのは「自然と現状に至っている」ということである。たとえば自身のキャリア開発について、考えないわけではないが、3人とも殊更キャリアキャリアと言ってきたわけではない。それぞれ、ボードになりたい、独立・起業したい、というのではなく、おもしろいと思ったことを手がけたり、市場や商流における自らの立ち位置を調整していたら、そこにたどり着いていた、という印象である。

おそらく、自分自身の関心領域や、その時々の状況を見極めた上で、それらを最適化する新たなポジションやワークスタイルを指向した結果の積み重ねで、現状に至ったのだろう。すなわち、

・(自分自身の関心領域を含めた)現状把握
・新たなポジションやワークスタイルの想像
・結果として獲得した新たな環境への適応

を3人がそれぞれ独自に行ってきたということである。

リスクに対する考え方
また「リスクを積極的に取っている」ことも共通項だろう。これは危険を冒すということではなく、リスクを正当に評価した上で、危険を最小化できるように対策(リスクヘッジ)を講じている、ということである。

たとえば渡辺さんには「個人で事業を手がけた方が目の前の商流とフィットしている」という現実があった。ならば組織に留まって商流へのアクセスの制約を受けることは、むしろリスクが高いことになる。また私自身も、Blogを通じて商流への新しいアクセス方法に可能性(アップサイド、ダウンサイドの両方)を感じ、ファイナンスを含めたヘッジ方法を同時に準備しつつ、今のワークスタイルを積極的に選択した。

一方徳力さんは、日々の活動を通じて自分自身がやりたいことを見極めていった。ただその際、それまでのキャリアや自身の適性・性質を十分理解し、それによって生じるであろうリスクをヘッジするために、自費でマネジメントスクールに通ったりBlogに取り組むといった対策を行っている。すなわち単に「やりたいからやった」というのではなく、現状との差分を常に意識し、必要に応じて対応してきた、ということである。

感じることを重視する
Blogger気質という観点では、3人とも「感じることを重視する」というスタンスを有していることが浮き彫りになった。たとえば私であれば、日々の打合せや生活の中での「違和感」を放っておかず、とりあえずそこで考えてみるようにしている。その結果、違和感のハンドルが可能であれば追いかけてみるし、困難であれば「これは一体なんだろう」を表明して誰かの意見を仰ぐ。こうした作業に、Blogはうってつけの道具となる。

徳力さんもまた、おもしろいと思ったことはひとまずやってみる、というスタンスである。その結果、ある時はネットゲームにどっぷりはまったり、またポッドキャストや動画配信に関心を持つことになる。その意味ではBlog自体もその一環だが、現状はむしろ「やってみた」ことの還元先としてBlogを活用しているようだ。渡辺さんも同様に、日々の業務で得られた経験や感覚を、Blogでの「書く」という作業を通じて純化させている。

言葉にすると当たり前のようだが、実はこの作業はそう簡単ではない。私自身もかつて経験したのだが、様々なオーバーヘッドが存在する世界(企業の中で業務にスタックしている状態だとこうなりがちである)では、何かを感じてもそれを放置したり、ひどい場合は「感じなかったフリ」さえしてしまう。しかし感覚に耳を澄ませば、新たな可能性や危機を察知できる。そう考えると実は3人とも、Blogを通じて感じることの重要性に気づき、それを尊重できる環境を選んだ、ということなのかもしれない。

私は何をする人ぞ?
三者三様という言葉通りの3人ではあるが、通底しているのは、キャリアに対して気負いがあるわけではなく、「やりたいこと」を「やりやすくする」するために必要なことを考え、行動しているということだ。そして「Blogを書く」という作業が、少なくともこの3人には好影響を与えている。Blogがそのすべてを引き出した、とまでは言わないにせよ、指向性を先鋭化させたり、何らか影響を与える新たな関係構築の一助となっているのは間違いない。

その上で今回解ききれなかったのは、では「私は何をする人ぞ?」という問いかけである。このところ案件の多くを共有している渡辺さんとの共通課題なのだが、あまりに自分たちが多様な動き方をしている手前、どうやって自分たちを説明すればいいのかが難しい。今回の研究会の企画段階でも、それを解くためのヒントが見つかれば、と話していたのだが、結論としてはまだ解かれていない。

解かなくてもいいのでは、もしくは「Bloggerってことでいいんじゃない?」とも言われる。確かにそうかも、とは思うのだが、自分が何者なのかを知ることは、他者にどんな価値を提供できるか(できないか)を知ることでもある。プロジェクト推進でも日常生活でも重要なことだ。ただ、考えれば考えるほど難解で、ひょっとすると一生考え続ける課題なのかもしれない。

そう考えると、実はBlogを書くというのはきっと、私は何者かという自問を続ける行為そのものなのだろう。そしてBlogを綴った結果として、自分が何者かが他者から理解・共感してもらえる、といったことなのだろう。ならばこのBlogもまだまだ続けなければならない……というわけで気がつけばCNETのBlogをはじめて半年が経過した。冒頭の宣言通り発散指向は相変わらずだが、今後もゆるりとお付き合いいただければ幸いである。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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