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ユーザーとともにサービスを開発する

2005/08/29 11:02
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kondo

人力検索やダイアリー、アンテナなどユニークなサービスでおなじみの「はてな」。そんなはてなを率いる近藤淳也氏が、ネットのコミュニティやサービスのあり方について独自の視点で切り取ります(このブログの更新は2006年2月9日で終了しました)。
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インターネットの普及に伴って、「どこにいても」「誰とでも」容易にコミュニケーションが可能になりました。コミュニケーションの可能性は、時間や空間の物理的制限を超えて、「いつでもどこでも誰とでも」という世界が実現し始めています。

こうした変化は、「遠く離れた恋人とメッセンジャーで会話する」といったような、各個々人が誰とどのようにコミュニケーションを行うかという問題にとどまらず、企業が製品やサービスを開発して提供していくプロセスの中にも影響を及ぼしつつあり、今後その影響はどんどん拡大していくと思います。

企業とユーザーが直接対話を行いながら製品の改善を行ったり、新製品の企画すら行っていくという事が可能になってきており、実際にそういう事例が出始めています。そしてそういう変化が最も早く訪れているのは、まさにそのインフラそのものであるインターネット産業だと思います。

企業とユーザー、といった境界すら存在しない事例も出始めています。例えばLinuxなどのオープンソースプロジェクトは、世界中にいる開発者がプログラムコードとメーリングリストでの議論を共有しながら、成果物を作り上げていくというプロジェクトを進めています。ところがこんな方法が現在のような規模で可能になったのは最近のことです。国籍も違う、顔を見たこともないような個人同士が、それぞれの力を持ち寄って作品を共同で作り上げそれが世界に影響を及ぼす、なんてことができるようになったのはほんの十数年前からです。

一般的な会社が製品を作る方法とは異なり、例えばLinuxの開発者は一箇所に集まって仕事をしたりはしませんし、給料も基本的に貰いません。コストが必要ないために、資金を調達する必要もありません。会社、社員といった概念はなく、一般的な意味での「組織」が存在しているのかどうかも疑問です。しかし、各個人が力を持ち寄って、大きな組織力が生まれていることは確かです。

Linuxは世界中の多くのサーバーで活用されていますが、これはいわば世界中の腕利きの大工が寄ってたかって趣味で建物を作って無償で配布し、その建物を世界中の個人や企業が使っている、といったような事が起こっているわけです。これはインターネットによってもたらされた大変化だと思います。

これまでは、世界中の大工が手を組んだり、趣味で作った小屋を世界中に配布したりすることは物理的に不可能でした。ところが、そういう事が少なくともソフトウェアの世界においては可能になり、ソフトウェア製品やインターネットサービスを提供している企業にとっては、こうしたオープンソース的手法さえも視野に入れながら、会社を維持していかなくてはならなくなっています。

そうした中で、少なくとも小さなインターネットサービス提供会社にとっては、「ユーザーとともにサービスを開発する」という方法の重要性が大きくなりつつあると思います。オープンソースプロジェクトのように企業組織を解体してしまうことはしないまでも、自社製品のユーザーと対話を積極的に行いながら、社内にある組織力以上の力を発揮する方法です。

情報を社内に閉ざし、自社の能力だけに頼ってサービスを開発している場合は、社員の知識や知恵の合計以上の製品を作ることはできません。多数の優秀な人材を抱える大企業であればそれも良いかもしれませんが、10人しかスタッフがいなくて資本力もないようなベンチャーでは大した競争力は生まれません。はてな自身必ずしもこうした競争力を得るためにユーザーと対話を行ってきたわけではありませんが、結果として1つの有効な方法となりつつあるのではないかと感じます。

次回以降は「ユーザーとともにサービスを開発する」方法に注目しながら、はてなでの事例などを紹介していければと思っています。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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