お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

そして、Appleのエコシステムは完結する

2010/10/22 00:51
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

寺本由美子

本名とタイトルのペンネームが異なっているのはご愛敬(話せば長~い物語あり)。IT系の話題からゲームのレビューまで、自由気ままに発信します。iPadやiPhoneなど、大好きな電脳小物についても熱く語りたいですね。Twitterにも出没中。ブログへのコメントも、@kirifue へどうぞ。
ブログ管理

最近のエントリー

10月20日(現地時間)の米Appleの発表会「Back to the Mac」では、これからのAppleの方向性を示す重要なプロダクツが披露されました。

いまだにAppleの中核を成すMacにおいて、かたや急成長を遂げたiOSの利点を還元するという試みは果たして成功するのでしょうか。いえ、成功云々以前に「Back to the Mac」というキャッチフレーズには、Jobsのひとかたならぬ思いが込められているような気がします。

 

新型MacBook AirとiPadとの相違点は?

まずは、新型「MacBook Air」。11インチモデルと13インチモデル。まだ写真でしか見ていませんが、かなり薄くて軽そうです。これはキーボードの付いたiPadなのでしょうか、否。Mac OS Xを搭載するれっきとしたMacです。Flashだって見られますし。しかし、ユーザーにしてみれば、カバンに入れて手軽に持ち運べるコンピュータという意味では、まさしく競合する製品となるでしょう。

ただ、キーボードとタッチスクリーンは共存しないというAppleの方針によって、その使用感はiPadとはかなり異なるものになります。他のMacBookと同じように、ガラス製マルチタッチトラックパッドを使って操作するのです。もちろん、MacBook Airはビジネスやクリエイティブな用途にはピッタリで、iPadのように何かを犠牲にしなければならないということもありません(物理キーボードとかソフトとか)。贅沢を言えば、画面をひっくり返してiPadのように使えると嬉しいかも…、これじゃホントにiPadがいらなくなっちゃうかー。

MacBook AirがiPadの市場を浸食する可能性は大いにあります。88,800円〜という値段を高いと見るかはともかく、モバイルマシンとしてMacBook Airを優先して購入するユーザーは「iPadは必要ない」と思うでしょう(全部買わずにはいられない「アップル信者」は例外)。Appleとしてはそれはそれでよし。手薄になっていたMacに、コンシューマーの目を惹きつけるという効果はあるはずです。

MacBookとiPadのユーザーエクスペリエンスは全く異なり、活躍するシーンもまた違いますからねー、個人的にはiPadこそ多くの方に使ってほしいのですが…。ここでも、単体で使えないという制約は大きいです。iPadに母艦が必要なくなり、バックアップデータをクラウド上に保管できるようになったとき、初めてiPadの真価が認められるのだという気がします(この話は後ほど)。

新製品の写真やスペックについては、本家CNET Japanの記事を参照してくださいまし。

 

Mac OS X LionのiOS度は?

やっとSnow Leopard対応の「Mac OS X Support Essentials」試験を日本語で受けられるようになったと思ったら、もう次期OSですか! って、この試験 12月に受験予定です(合格したら12月20日頃に受験レポート掲載できるかも、お楽しみに〜)。さて、この来夏リリース予定のLion、iOSとの統合度合いは如何ほどに?

まず、ホームスクリーン機能の「Launchpad」。これはDockのLaunchpadアイコンをクリックすると、Macにインストールされたアプリケーションのアイコンがホームスクリーンに並ぶというもの。Jobs氏、iPhoneのホーム画面、かな〜り気に入ってますね。アプリを画面に並べることによって、ユーザーの所有欲・独占欲を満足させることができると確信しているのでしょう。この考え、あながち間違っちゃあいません。どんだけ、アイコンの整列に気をつかっていると思ってるんですかっ。何を置いても最初に、iTunesのアプリ管理画面の使い勝手を良くするべきでしょう!

スミマセン…、ついヒートアップしてしまいました(汗;

お次は、起動中のアプリケーションをいっぺんに見渡せる「Mission Control」。Expose、Spaces、Dashboard、全画面アプリケーションのサムネイルをまとめて表示し、即座に切り替えられるという大変欲張りな機能です。iPadに比べてややフクザツなMac OSだからこそ、ぜひ使いこなしたいですね。

ナニゲにイイのが「フルスクリーン」。iPhoneやiPadは元々フルスクリーン表示ですが、Macでフルスクリーンで動画を観るときの没入感を、Macの他のアプリケーションでも味わえるのです。常時フルスクリーンになったらMacの意味ないですけどね。ちなみに、この機能はアプリケーション側で実装する必要があるようです。

最後に「Mac App Store」。これはMac OS X Lion専用ではなく、90日以内にまず現行OSである「Snow Leopard」向けに提供されます。

 

エコシステム完結へのシナリオ

Appleはクローズドだとよく言われますが、それ自体は悪いことではないと思います。完全なる自由はいつも危険と隣り合わせですから。厳格な規則と限定的な公開(とは言え、行き過ぎることが多いのは事実)は、Appleの考えるエコシステムにおいては必須のルールなのでしょう。

そして、エコシステムの完成を目指して、Appleは着実に歩みを進めています。

アプリやコンテンツの入手方法、ユーザーデータの保管という二つの面について、改めて考察してみたいと思います。

●アプリやコンテンツの入手方法
1. 「App Store」は、iPhoneやiPadのアプリを入手できる唯一の手段。コンテンツの入手も可能。
2. 「Mac App Store」は、Macでアプリケーションやコンテンツを入手できる手段の一つ。

iPhoneは「App Store」によって成功した、と言っても過言ではありません。モバイル機器はそれ自体がいくら魅力溢れるものだとしても、コンテンツが無ければただの箱。やがては飽きられてしまいます。いるんですよね、外側だけを見せびらかすハードおたくって人種が。えっ、私? 違っ(ry。次から次へと登場するアプリは、ユーザーを飽きさせません。

3カ月以内にオープンするという「Mac App Store」は完全なる囲い込みではなく、ソフトを入手する一手段に過ぎないとのこと、これは大正解です。開発者にとっても既存ユーザーにとっても、失うものは何もありません。Appleの目論見通りにMac用ストアは成功を収めるでしょう。たとえ、ものすごく厳しい規約に縛られるとしても、です。

●ユーザーデータの保管
1. 新着メール、連絡先、スケジュールをすべてのデバイス間で自動的にシンクする。ただし、MobileMeのユーザーに限る。
2. ユーザーの所有するコンテンツをクラウド上に保管。
3. ユーザーのバックアップデータをクラウド上に保管。

「MobileMe」は高価ですが、複数の機器を使い回さなければならない現代人にとって、ことのほか魅力的なサービスではあります。あまねくユーザーがこの恩恵を享受することができるようになるとよいのですが。もしユーザーへの無償提供が開始されるとしたら、それは収益構造に何らかの変化が起こったときです。例えば、巨大なデータセンターを活かした新たなクラウドビジネスへの参入とか。

「コンテンツの保管」というのは、例えば音楽やムービーのデータをクラウド上に持つというイメージです。これ、ものすごく抵抗がある方もいらっしゃるかと思います。私も好きなモノは手元に置きたい派ですから。外付けハードディスク的な感じで、簡単にクラウド上のディスクが選択できるようになれば問題ないと思いますがどうでしょう? バックアップとしての二重保存もアリですね。

ていうか、ここまでできたら嬉し過ぐる。まあ、Appleが保管したいのは、iTunes Storeで購入したコンテンツだけでしょうけど。一歩進んで、制限を超えるサービスへの課金システムですかね。ぶっちゃけ、曲の入れ替えとかめっちゃ時間かかりそうだし、しばしテクノロジーの進歩を待つべきかもしれません。今までAppleが目指して一度は挫折したプランでも、時代がAppleの思考に追いつくことによって息を吹き返した事例は多々ありますから。

クラウドで一番最初に取り組んでほしいのは「バックアップ」です。バックアップだけでもクラウド上に保存できれば、理論的にはモバイル機器に対して母艦が無くてもよくなるはずで、今まで越えることのできなかった壁が一気に取り払われます。それこそ万人に、iPadを薦めることができるようになります。「最初にMacかPC買ってね」って、わざわざ言わなくても済むんですよ。真っ先に親兄弟に薦めそう(誰一人持っとりません、キリッ!)。

Appleとしては、iPadがMacの市場を脅かすのは得策ではないと考えているのかもしれません。OSの良いとこ取りはするけど中途ハンバな融合ではなく、あえて差別化を図ろうとしているのです。MacBook AirとLionが指し示す方向をたどれば、それは火を見るよりも明らかです。でも、その垣根の一部を取り払おうとしているのも、他でもない彼ら自身なんですけどね…。

さて、ここまでできたら、ゴールも間近か。もはや誰も抜け出せないという甘いワナ…もとい、クローズドなメガエコシステムの完成です。

 

CNET Japan 2010/10/21
薄い、美しい!--新・MacBook Air 11.6インチモデル開封の儀

ギズモード・ジャパン 2010/10/21
規約から全容判明! まもなくオープンするMac App Storeは究極のジョブズワールドだ...

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー