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電子辞書の三極化時代

2008/12/02 00:26
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プロフィール

寺本由美子

本名とタイトルのペンネームが異なっているのはご愛敬(話せば長~い物語あり)。IT系の話題からゲームのレビューまで、自由気ままに発信します。iPadやiPhoneなど、大好きな電脳小物についても熱く語りたいですね。Twitterにも出没中。ブログへのコメントも、@kirifue へどうぞ。
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セイコーインスツルが、PCと接続して検索できる電子辞書「SR-G9001」を11月30日に発売しました。これまでの電子辞書との決定的な違いは、パソコンにつないでWindowsから電子辞書を使用できるところ。このリンク機能が「PASORAMA」です。これがなかなかのスグレモノで、私の物欲をチクチクと刺激してきます。

今までイマイチ購入意欲の沸かなかった電子辞書ですが、では辞書は必要ないかのというと全くそんなことはありません。むしろ、日々何かしらの文章を書かねばならない現代人にとっては必須のツールです。ただ、市場に魅力的な電子辞書が無かったため、PC用の辞書を購入したり、ネットで代用していただけなのです。

では何故、物欲をそそるような電子辞書が販売されなかったのでしょう?

辞書のニーズ

辞書のニーズは一体どこにあるのか? を考えると、今までの電子辞書がカバーしきれなかった問題点が垣間見えてきます。
CNETの記事を引用してみます。

同社の調査によれば、電子辞書の利用率は30代、40代のユーザーは少なかったのだという。その理由としては、「学生が使うもの」「ウェブサイトで検索している」といった声が多く、ビジネスマンをターゲットにしているものの、働き盛りの層には浸透していなかった。
調査では、ビジネスパーソンはすべてPCで完結させたい傾向にあったという。また、電子辞書を業務に使うという発想がない。ワンセグや音声発音、手書きなどの電子辞書の進化はあまり魅力的に映らない

まさに、その通り。
ワンセグや音声発音、手書き機能付の辞書が売れているのは、重い辞書を持ち歩きたくない学生とか、海外旅行用に購入する方、昔の百科事典のように一家に一台とりあえず買っておこうという方を対象にしているからです。どうせ買うなら、より多くの機能を内蔵した最新の機種がいいと考えるのです。これは「価値の錯覚」に他ならず、ろくに観もしないワンセグに心奪われたり、実際に使用する辞書は少ししかないのに「100種類以上の辞書を収録」という謳い文句にいとも簡単に惹き付けられてしまうのです。

辞書のユーザーはもちろん、学生や海外旅行者だけではありません。ビジネスマン、作家、ブロガーにも必須のコンテンツです。学校や塾/図書館でのモバイル用途や自宅での勉強時に使用する場合とか、海外旅行のお伴にする程度なら、今までのカタチでもあまり支障はないかもしれません。しかし、ビジネスマンや作家、ブロガーが辞書を引きたいのは、実はパソコン上なんですね。そこに需要と供給のギャップがあります。ワンセグなどはケータイでも観られるわけですし、電子辞書に搭載する必然性がないのです。むしろ仕事上で使うなら、余計な機能は邪魔になるだけです。

そういった問題点を一挙に解決してしまったのが「PASORAMA」機能です。
発想の転換が素晴らしい!

リンク機能「PASORAMA」とは

パソコンと電子辞書をUSBで接続してWindows画面上にウインドウを表示して、電子辞書の内蔵コンテンツを検索・表示できます。検索、表示した語義や例文などをパソコン上で「コピー」&「貼り付け」ができます。逆に、パソコン上の文字を「コピー」&「貼り付け」で「PASORAMA」画面に入力し、検索することも可能です。

触ったわけではありませんが、パソコン上の辞書と操作性はあまり変わらないのではと想像します。もしかすると、もっと良いかもしれません。これ一つあれば、わざわざパソコン用の辞書を購入しなくても済みますし、一度にたくさんの辞書を串刺し検索できるわけですから。「ユーザー辞書」のインポートにも対応しています。

今となっては、どうして今までこういう電子辞書が無かったのかと不思議でなりません。

電子辞書は三極化すべき

以前「ポメラもいいけど、電子辞書付の『携帯ワープロ』に一票!」というブログを書きました。もし本当にそんな携帯ワープロが発売されたなら、すぐに飛びついてしまいそうです。それほど手に入れたいガジェットなんです。

一方、SR-G9001も捨てがたい…。理由は先程さんざん述べた通りです。どちらかを選べと言われたら、迷わず携帯ワープロを選びますが。

今後電子辞書は、二極化ならぬ「三極化」するべきだと思います。

  1. 学生向けに特化した学習用電子辞書
    今までの路線の延長線上にあり、主に「辞書を引くこと」に意味があるもの。音声発音や手書き機能は重要です。
  2. PCと連携する電子辞書
    ビジネスマンだけに限らず、様々な用途や専門家向けの辞書も用意するべきでしょう。というか、もはやコンテンツはダウンロードして手に入れる時代かもしれません。PCにつなげられる仕様だからこそ、ごく自然な流れとしてダウンロード販売は広く受け入れられるはずです。これぞ「Dictionary Store」と呼ぶべきシステムかも。
  3. 電子辞書付携帯ワープロ
    語り尽くした感がありますが、今一度。
    あれからいろいろ考えましたが、この電子辞書は単体でネットに接続できなくてもいいような気がします。あえてWebやメールを排除することにより、集中して執筆活動を行えるという仕様です(てか、こんな仕様が必要なのはやはり私?)。
    ITmediaのポメラの使用感についての記事によると、一覧性が無いのがポメラの欠点だそうです。「携帯ワープロ」もその辺りの構造は同じなので、原稿執筆にあたっては推敲前の「下書き」作成までのステップがメインとなるかもしれません。
    2008年12月2日現在、「ポメラもいいけど、電子辞書付の『携帯ワープロ』に一票!」の[Good!]数は455票となりました。
    ネット接続の有無はともかくとして、主旨にご賛同頂けましたら「一票」をお願いします。

いかがです?
少しは電子辞書に「物欲」を刺激されましたでしょうか。
というわけで、メーカーさん、ぜひ前向きにご検討頂きたく存じます。

 

セイコーインスツル株式会社
SR-G9001

CNET Japan 2008/11/20
SII、PCとつながる電子辞書「SR-G9001」発売へー--コピー&ペーストで引用もラクに

ITmedia +D PC USER 2008/11/28
ポメラについて知っておくべき、いくつかのこと(後編)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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