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警察におけるメディアミックスの展開(4)-GyaOで情報提供を呼びかける「世田谷一家殺人事件」

2007/09/01 03:13
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プロフィール

寺本由美子

本名とタイトルのペンネームが異なっているのはご愛敬(話せば長~い物語あり)。IT系の話題からゲームのレビューまで、自由気ままに発信します。iPadやiPhoneなど、大好きな電脳小物についても熱く語りたいですね。Twitterにも出没中。ブログへのコメントも、@kirifue へどうぞ。
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(前回「警察におけるメディアミックスの展開(3)-警察庁サイバーフォースは『ダイ・ハード4.0』並み?」の話はこちら

世田谷一家殺人事件」は幼い子供2人を含めた一家4人が惨殺されるという、平和な街で起きた凄惨な事件である。きっと皆さんの記憶にも残っていることだろう。

GyaOポリスチャンネル」の『世田谷一家四人殺人事件の犯人を追え!〜警視庁成城警察署特別捜査本部〜』という番組内で、警視庁がこの犯罪の情報提供を呼びかけている。

「この事件は稀に見る多くの遺留品により、事件の解決は時間の問題ではないかと言われていたのですが、多くの捜査員を導入しての必死の捜査にもかかわらず、事件発生から丸6年、未だに犯人は捕まっていません。そこで現場周辺はもちろん、都内居住の皆様をはじめ全国の皆様に、今一度事件当夜にタイムスリップして頂き、記憶を蘇えらせて頂きたいのです。そして、この凶悪事件の犯人に関係あると思われるどんな小さなことでも情報として提供して頂きたく、このビデオを制作することとしました」

GyaO「ポリスチャンネル」とは

GyaOのトップページの[ホーム]タグ(初期表示)から[ニュース&ドキュメンタリー]を選択する。[ビジネス、健康などお役立ち情報満載!]の欄に「ポリスチャンネル」が並んでいる。
ポリスチャンネルには以下の4つのチャンネルがある。

 ポリスチャンネル 少年犯罪・非行
 ポリスチャンネル サイバー犯罪
 ポリスチャンネル 交通・安全
 ポリスチャンネル 〜災害・事件・その他〜

2008/01/06 追記:
GyaOのページ構成変更により4つの「チャンネル」が無くなり、「シリーズ一覧」となりました。

最初の3つのチャンネルは、犯罪そのものについて知ってもらうという意味合いが強いチャンネルだ。それに対し、4番目の「〜災害・事件・その他〜」のチャンネルには、実際の犯罪の情報提供を求める番組がある。それが『世田谷一家四人殺人事件の犯人を追え!〜警視庁成城警察署特別捜査本部〜』と『白昼の死角 〜横山ゆかりちゃん略取誘拐容疑事件〜』である。

番組の内容は、明らかになっている事実を述べ協力を求めるというものだ。ストーリーの構成がうまく、観る者の心に響く映像に仕上がっている。

「世田谷一家殺人事件」について

事件は、平成12年12月30日(土)午後11時頃〜12月31日(日)未明にかけて、駒沢大学グラウンドと祖師谷公園そばの世田谷区上祖師谷3丁目の宮沢さん宅で発生した。

毛利 文彦著の『警視庁捜査一課特殊班(本のレビューはこちら)』に次のような記述があるので引用する。

例えば東京都世田谷区上祖師谷の会社員、宮沢みきおさん(四十四歳)一家四人が平成十二年末に惨殺された事件の捜査には、捜査一課から殺人担当の三つの係が出動、機動捜査隊などと合わせて成城警察署に特別捜査本部を設置して捜査に当たっている。


通常の事件には一個班(10人前後)が投入されるが、この事件では三個班も出動しており、いかに大きな事件であったかが分かる。にもかかわらず、多くの遺留品を前に捜査は行き詰っている

番組内では、特捜本部の指揮をしておられる方が、犯人の残した遺留品についての説明をされていた。大量製品のため、販売元すら分かっていないものがほとんどだという。

唯一、トレーナーはドラマ内で人気俳優が着用していたということで話題になった品である(調べたところ『ビューティフルライフ』でキムタクが着ていた)。平成12年8月に製造され、9月〜11月まで、同じ色とサイズのものは全国で130着、東京(八王子、聖蹟桜ヶ丘、荻窪、青戸)では10着しか販売されていないらしい。

このようなある程度特定しうる情報がある場合、映像という手段は非常に有効である。駅前等に貼られているポスターにもこのような情報が載っていることがあるが、その印象は薄い。能動的に視聴できるメディアだからこそ情報が活きてくる。もちろん、下記のような静的なサイトにも同じような効果はある

警視庁ホームページ
事件ファイル
上祖師谷三丁目一家4人強盗殺人事件(詳細ページ)」
「広報けいしちょう あの事件は今」より「壊された家族の幸福

ただし、あまりに具体的な犯人像を載せることには危険性もある。遺留品がプラフである可能性があるからだ。あまりにも大量の遺留品には、捜査の撹乱を狙う意図が感じられる。しかし、それを判断するのはあくまで捜査をしている警察である。おそらく関係ないと思っていても万が一ということもある。提供すべき情報があるなら、まずは申し出るべきだろう

また、本事件は「懸賞広告事件」の対象となっている。謝礼金は300万円。これで事件が解決するなら、安いものだ。

まとめ

テレビでの呼びかけと異なり、GyaOのような動画サイトには、観たいときにいつでも繰り返し視聴できるビデオオンデマンドというメリットがある。今まで何とも思わなかった些細な記憶や出来事が実は重要なのだ、と気づくチャンスが生まれる。

しかし、惜しむらくはこのような番組が放送されているということ自体、あまり知られていない。その総視聴数はテレビ番組で1回放送するよりも圧倒的に少ないだろうと想像する。このページで紹介することで、少しでも多くの方々にGyaOの「ポリスチャンネル」を観て頂けたならと願う次第である。

カナダでは、警察がヒップホップ・コンサートでの刺殺事件で容疑者と見られる人物のビデオ映像をYouTubeで公開したという。犯罪捜査に動画サイトが利用される。それが当たり前のことになってくるのだろう。これは正しいあり方だと思う。警察という組織も広報も捜査方法も、メディアの移り変わりと共に進化してゆくべきであるから

番組中の印象に残る言葉より。

父は子を想う。母は子を想う。娘は父母を想い、息子もまた父母を想う。そして、願う。素晴らしき人生であれと。


亡くなられたご一家4人のご冥福をお祈りします。

Gyao_banner_bs

AFP BBNews 2006/12/19
コンサート会場での刺殺事件、容疑者特定のため警察がYouTubeに動画投稿 - カナダ

(了)

連載『警察におけるメディアミックスの展開』

警察におけるメディアミックスの展開(1)-テレビで演出される正義『踊る!大警察』
警察におけるメディアミックスの展開(2)-標語からYouTubeへ
警察におけるメディアミックスの展開(3)-警察庁サイバーフォースは『ダイ・ハード4.0』並み?
警察におけるメディアミックスの展開(4)-GyaOで情報提供を呼びかける『世田谷一家殺人事件』

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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