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NTT東の大規模障害「フレッツ」はまだしも、「IP電話」はヤバイだろ!

2007/05/17 00:11
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プロフィール

寺本由美子

本名とタイトルのペンネームが異なっているのはご愛敬(話せば長~い物語あり)。IT系の話題からゲームのレビューまで、自由気ままに発信します。iPadやiPhoneなど、大好きな電脳小物についても熱く語りたいですね。Twitterにも出没中。ブログへのコメントも、@kirifue へどうぞ。
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5月15日夕方に発生したNTT東日本のIPサービス網の大規模障害、茨城県にある我が家も、その影響をモロに受けた。

(息子)「ネットで、ドラえもんのゲームやっていい?」
いいよ。今日はブログやらないから。
(息子)「あれっ? また、つながらないよ」
最近、調子悪いなー。ちょっと待って。今、ルータの電源入れ直すから。

インターネットに接続できない場合、我が家では、フレッツのルータ・無線LANルータ・電話機の3つの電源プラグが刺さっている三つ又コンセント(雷サージ対応プラグ)を引っこ抜くことになっている。これが最も簡単かつ速い方法だからだ。プロバイダでの障害の発生や設定の変更などが原因で接続できなくなった場合に、電源のオフ/オンは有効だ

抜き差ししてみたが、効果がない。プロバイダが落ちてるのかなぁ(いやっ、もしかして、この前、ルータを台の上から落っことしたのが原因かも..ぶっ壊れたんだろうか)。
がっかりした息子には、筆者愛用のDSソフト「のだめカンタービレ」(レビューはこちら)を貸し出し、とりあえず自分は洗濯することにした。

しばらくして、息子が大慌てでやってきた。
(息子)フレッツ、障害だって! テレビでやってるよ」
マジでか?!(ニュースを見て)、本当だ(よかった、ルータ壊れてなくて)。
(息子)「もう! フレッツ、ダメじゃん」
息子はえらくオカンムリだ。
それきり、起きている間はつながらずじまい。筆者は本や雑誌を読んだりして、それなりに有意義な時間を過ごすことができた。一般家庭なら、1日くらいネットができなくても何とかなりそう。メールの方は、読めないとちょっと困るのだが。

一夜明けてニュースを見たら、東京23区と神奈川、千葉、埼玉県を除く、東日本の14都道県に被害が及んでいたらしい。フレッツ・サービスで285万契約、ひかり電話で59万契約が対象だったという。こりゃあ、膨大な数だ。

筆者はIP電話を全面的には信用していないため、電話回線はアナログのままだ。今回のような事故が起こると、内心「やっぱり」と思ってしまう。もちろん、既存の電話回線だって、機器は故障するし、回線の輻輳も起こり、絶対つながると保障されているものではない。しかしながら、ネットワークの世界では、ある原因により発生した現象の影響が全体にまで及んでしまうことがある。今回の件は、まさにそれを示す格好の事例であった。

CNET Japanの「NTT東日本、通信障害の原因は大量のルート情報による処理能力オーバー」では、次のように報道されている。

 NTT東日本によると、同社ビル内にあるルータのハード故障に伴うパッケージ交換工事を実施しており、この際に同社IPネットワーク内に処理能力を超えるルート情報が発生したことが原因だという。この結果、多くのルータが連鎖的に処理能力オーバーとなり、処理を停止した。 ルート情報は、IPパケット通信を行う際に、その通信経路を決定する情報を指す。通常、ルータの工事を行った際には、各ルータのルート情報は、その都度、自動的に書き換えられる。


処理能力を越えて、初めて障害が現れる
。そこが問題だ。回線交換式電話網の機器や技術については知り尽くしているNTTも、IP電話用の機器やネットワークについてはまだまだノウハウが足りない。IP電話機器の内部状態やネットワークのトラフィック等、目に捉えられないものを、もっと「見える化」する必要があるのではないだろうか。これによって、通信の最適化を図り、障害を切り分けられるようにする。 昨年 9月19日〜21日に起こったIP電話の大規模障害で、信用を落としたNTT東日本。今回の事故では、あのときの教訓を活かせただろうか。この障害については、IT Pro「ひかり電話トラブル,不信を招いた7日間」の記事に詳しい。ソフトウェアのバグに起因する障害であったのだが、その原因を特定するのに、実に1週間もの時間がかかったことの方が大きく報じられている。インシデントは避けられないとしても、その対応策が問われているのだ

「オープン&コラボレーション」を謳うNGN(次世代ネットワーク)が障害対策の切り札となるかについては、いまだ分からない。NGNとは、回線交換の電話網を廃止し、マルチメディア対応のIP電話にすべて置き換えてしまおうという壮大な計画である。これにより、固定電話、携帯電話、無線LAN等の通信網が一本化されるという(もちろん、すぐにではなく、従来の電話網と互換性はある)。こうなると、もはやIP電話に信頼がおけないなどと言っている場合ではなくなる。筆者が心配しているのはまさにこの点だ。いかに品質が優れ、高度な信頼性や完璧なセキュリティを目指した標準規格だとしても同じIPベースのネットワーク網に接続することが、障害を減らすことにつながるのか? むしろ、「エリア内通信網停止」などという、今まででは考えられなかったような重大なリスクを背負ってしまうのではないか? 杞憂だとは思うが..

現実に戻ろう。わが家では、病気療養中の夫と小4の息子が携帯電話を所持していないため、固定電話は必須。学校の連絡網にだって、固定電話が記載されている。この固定電話網が寸断された際に、運悪く、事件/事故/災害が重なったならと考えると、恐ろしくなる。「想定外」などと言って、笑いとばせる問題ではない。「110番」「119番」通報ができないなんて。

マルチメディアもいいが、緊急時にこそ活躍すべき、頼りになる存在。それが「電話」なんじゃないだろうか。

CNET Japan 2007/05/16
NTT東日本、通信障害の原因は大量のルート情報による処理能力オーバー

IT Pro 2006/09/28
ひかり電話トラブル,不信を招いた7日間

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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